Une vie / Guy de Maupassant
女の一生(93)
Une vie (93)
——————————【93】——————————————
Jeanne renonçait à comprendre quand elle
découvrit dans un coin une bestiole micro-
scopique, que le lapin, s'il eût vécu, aurait
pu manger comme un brin d'herbe. Et
cependant c'était un lion.
———————————(訳)———————————————
ジャンヌが絵の意味を理解するのをあきらめかけてい
たそのとき、絵の片隅に、小さな虫がいるのを見つけた.
絵の中のうさぎが、もしも本当に生きていてくれたら、
そいつを少量の草だと思って食べてくれたかもしれない.
だがその絵は、うさぎではなくライオンだった.
.——————————⦅語句⦆——————————————
renonçait:(半過去3単) < renoncer (自) [à を]
諦める、断念する;
<renoncer à + 不定詞> ~することを諦める
comprendre:(他) わかる、理解する
découvrit:(単純過去3単) < découvrir (他) 発見する、
見つける
bestiole:[ベスティヨール](f) 虫、小さな動物(獣)
microscopique:(形) 非常に小さい、微小の、
顕微鏡でしか見えないほどの
vécu(e):(形) (時代・物語などが) 体験された;
< vivre
manger:(他) 食べる
brin:(m) ❶(糸・わらなどの)1本、一切れ、切れ端
des brins de paille / わらくず ;❷少量の
herbe:(f) 草
cependant:(接) しかしながら、にもかかわらず
lion:[リヨン](m) ライオン
.——————————≪文法≫——————————————
Jeanne renonçait à comprendre quand elle découvrit
dans un coin une bestiole microscopique.
(タピスリーの隅っこに小さな虫がいるのを見つけたとき
ジャンヌは絵の解読を断念した).
と訳していたのですが、よく見ると主節は半過去です.
よってこの訳ではいけません.
「ジャンヌが絵の意味をさぐるのを諦めかけていたとき」
「そのとき小さな虫を絵の片隅に見つけた」
となります.
つまり、ジャンヌは虫が恐いからやめたのではない
ことだけは言えそうです.