「おとうと」(4)(フィリップ短篇集より)
LE PETIT FRERE
——————————【4】——————————————————
Julie, l' aînée, qui avait dix ans, s' écria:
—Oh ! ça n' est pas vrai, vous n' allez pas en
voyage: je sais ce que c' est.
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10歳になる長女のジュリーが叫んだ.
「えー!そんなのうそよ.旅行なんかいくものですか.
わかってるんだから.」
——————————《語句》———————————————————
Julie:(人名、女性の名) ジュリー;
フィリップの短編はどの作品にも共通して同一人物
が登場する.ラルティゴーに続き、このジュリーも
「荷車」と同じ登場人物である.
aîné(e):(形) 年長の、最年長の
s'écria:(単純過去3単) < s'écrier (pr) 叫ぶ
—— s'écrier の過去分詞はわかりますか?
—— écu ですか?
——それは昔の貨幣.s'écrier は規則動詞です.
ですから過去分詞はécrié
ついでですからécrire (書く)の過去分詞は?
——écrit
——ご名答!
je sais ce que c'est:私はそのことを知っている.
対訳双書の解説ではce que c'est でひとまとまり
の語として捉えるとしている.よって時制一致
はさせない.つま過去になってもje savais ce que
c'était ではなくje savais ce que c'est.