Une vie  /   Guy de Maupassant

女の一生(16)
Une vie (16)


——————————【16】———————————————

 Elle  était  demeurée  jusqu' à  douze  ans  dans  la  
maison,  puis,  malgré  les  pleurs  de  la  mère,  elle
fut  mise  au  Sacré- Cœur. 


.——————————《訳》————————————————

 彼女は12歳までは家にいたのだが、それから母の涙
の嘆願もむなしく、サクレ・クール修道院に預けられた.
 

——————————〘語句〙———————————————
           
demeurée:(p.passé)
   < demeurer (自) (ある場所に)とどまる、残る     
pleurs:(m/pl)[通例複数で用いる] 涙
fut:(単純過去3単) <être
mis:(p.passé) 本文mise は女性形 
   <mettre:(他) 置く、入れる、預ける
    (人をある場所に)連れて行く、
fut mise:形は前過去だが、単純過去の受身形と解釈.
    前過去の場合は比較する過去が必要であること
    とmettre の助動詞はavoir のためeut が使われる.
    前過去についは、出てきたときに解説します.
Sacré-Cœur:今は学校となっているが、サクレ・クール
    修道院を指す.同名の修道院はモンマルトルの
    他、ルーアンにも存在する.もしかしたら日本
    の「聖心女学院」はこの系統の学校でしょうか?
        サクレ・クールを訳すと「聖心」になります.