アルト・ハイデルベルク(62)


—————————————【62】——————————————
       
                          12. Szene.

 

            Karl Heinrich(und der) Doktor.

 


.........Doktor: (läßt sich in einen Sessel fallen, stöhnt tief
                      auf). Ach !!

 

Karl Heinrich:  Regierungsrat ?

 

........Doktor: Ja. Und das Kreuz von Sachsen werde ich
                auch bekommen.  Weiß Gott, was noch!!

 

Karl Heinrich:   Doktor, was ist denn ?  Was giebt's
                 denn ?


—————————————(訳)——————————————

                        第12場
        カール・ハインリヒと博士

博士   :(安楽いすに落ち込むように座り、深い
        うめき声を上げる)  ああ.
カール・
ハインリヒ:参事官ですって?

博士   :そうさ. 今にザクセン十字勲章だって、もらえるさ.
                 この先だって、何があるか、わかったものじゃない.
カール・
ハインリヒ:博士、どうしたのです?何があったというのです?


.
———————————《語句しらべ》————————————
          
der Sessel: [ゼッセル]{_s/_} 安楽いす
stöhnt  auf: <auf/stöhnen (i) (突然)うめき声を上げる
Weiß Gott, was noch!!:  この先の事は神のみぞ知る
Was giebt's denn ? : 一体何があるのですか? 
           → 一体どうしたというのです?   


———————————≪ひとこと≫————————————
       
私は世界史は苦手なので、この物語の設定がいつなのか、特定
は、出来ませんが、プロイセン王国の中に、ザクソニアがあり、
その中にカールスブルクがあったという設定のようです.
劇中に歌われる『ガウデアームス』が文庫版の解説では、初出
版1868年とのことですが、ラテン語の歌詞なので、もっと
古い歌だと思います.  ゲーテがラテン語で詩を作っていたので、
その頃の歌ではないでしょうか.

  尚、この物語に登場する歌は、VANGUARD CLASSICS
から「ムシデン/ドイツ学生歌ベスト・アルバム」で出ています.
(エーリヒ・クンツ、歌)(私は回し者ではありません.)
(1998年に買ったときは、1500円でした)