𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
  
さすらいの青春(217)


 
———————【217】—————————————

  A deux heures,  il traversa le bourg de la Motte.
Il n'était jamais passé dans un petit pays aux
heures de classe et s'amusa de voir celui-là aussi
désert,  aussi endormi.  C'est à peine si,  de loin
en loin,  un rideau se leva,  montrant une tête
curieuse de bonne femme.  
 


————————(訳)————————————————
 
 午後2時に彼はラ・モットの町並にたどり着いた.
彼が授業中にこんな小さな地方町を通過したことは
一度もなかった、そして人のいない、眠ったような
町を見るのを楽しんだ.ところどころにカーテンが
開いて、気のよさそうな婦人が興味深そうに顔を見
せるのだった.
 
 

.———————⦅語句》———————————————
     
endormi:(形) 眠った           
à peine:ほとんど~ない、【数詞と】せいぜい
  【肯定的】かろうじて、やっと           
de loin en loin:とびとびに、間隔を置いて、時々    
un rideau se leva:カーテンが上がる(巻き上げ式なのだろう)
  「カーテンが開く」の意味に取ってよいと思う.     
montrant une tête:頭を見せながら→顔をのぞかせ   
curieuse de bonne femme:気のいい婦人が好奇心に溢れて
     このcurieuseは tête を後置形容する形容詞なので
     「気のいい婦人が好奇心に溢れた顔を見せる」
   となります.



———————《ひとこと》—————————————————

Motte:辞書不掲載、ネット検索をしたが名古屋の
   お菓子屋さんしか出ません.岩波文庫の『グ
   ラン・モーヌ』の巻末註釈に説明がありまし
   た.それによると:
   ラ・モット:ラ・シャペル・ダンジョンの北
   8キロほどのところに同名の村がある.
   となっています.ラ・モットと訳しておきます.