仏文解釈法(2)もすでに、482番に投稿していたことがわかりました.

 

———おっさん、しっかりせい!

 

———あのう、わたしはしっかりしていないおっさんです.

 

———だから、しっかりしなさいよ!

 

———しっかりしていないものに、しっかりせよとは、

   何という無茶な!輪ゴムに向かって針金になれ、と

   言っているようなものだ.海に向かって山になれ!と

   言っているようなものだ.カエルに向かってネコに

   なれ、と言っているようなものだ.タマゴに向かって

   ニワトリになれ、と言っているようなものだ.(こ

   れは、なれるだろう)出し雑魚に向かってウナギ

   になれ、と言っているようなものだ.これができる

   のなら、おいら、毎日でもうな重定食を食べま~す!

   

   そういうことで、あんたも、しっかりするのを

   やめて、おいらにつき合ってくれ!

 

———こら、ひらきなおりやがって!どないすんねん!

 

———仏文解釈法(3)を投稿します.

 

 


 仏文解釈法(3)


—————————【3】————————————————————
      
 
   2.主語の位置の変態
 
文の主語は文頭におかれるのを原則とするが、往々にし
て文の他の要素が主語の前におかれていることがある.

 (1) 形容句を前に持つ場合


      [例文7]
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  Revenus chez eux,  ils oublièrent toutes les dif-
   ficultés du voyage.

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[訳] 家に帰ると、彼らは旅の苦労をすべて忘れた.

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[説明] 主語 ils の形容句である revenus chez eux が
    主語より前に来ている.このような形容句はそれ
    が修飾する主語に最も近くおかれねばならない.
例:——
   Mûr à point, ce melon fera plaisir à notre invité.
   丁度食べ頃に熟したこのメロンはお客様に喜ばれる
 だろう.
     (補語つきの形容詞)

 Battant des ailes,  le poulet échappa à la fermière.
  羽をばたばたさせてニワトリは百姓女から逃げ出した.
     (補語つきの現在分詞)

  Assis sur la barrière, nous regardions paître les bœufs.
  柵に腰掛けて僕たちは牡牛が草を食べるのを見ていた.


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   [単語]
melon [発音注意:ムロン](m) メロン
       melon これは「無論メロン」と覚えよう
       男性名詞なので「むろんメロンのMサイズ」
à point (1) ちょうどよいときに、
      (2) 適度に、ほどよく     
mûr (形) (果実、穀物などが) 熟した、実った



      [例文8]   
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   Obligés toute l'année à la décence, à l'ordre, au
    bon sens, nous nous dédommageons, pendant le carnaval,
    d'une  longue contrainte.   C'est  une porte ouverte aux
    velléités incongrues

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[語句]  la décence 儀礼、謹直. le bon sens 思慮、分別
se dédommager de ~ ~の埋め合わせをする
Ce  は la carnaval を受けている.
la velléité  欲望 (何かをしようとする軽い気持ち).
incongru  馬鹿げた、無作法な
refouler  抑圧する、押し込む.

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[訳]   われわれは1年の間、礼儀とか、秩序とか、分別
 とかを強いられているので、謝肉祭の期間中に、長い束縛
 のうめ合わせをするのである. 即ち、その時まで頭の隅
 の方に押し込められていた馬鹿げた欲望が飛び出す戸口が
 開かれるのである。    


[例文9]    Pareils àces petites fioles attachées au tronc des
   sapins, dont elles recueillent la résine goutte à goutte,  les
   journaux extorquent ligne à ligne le suc intellectuel de
   l'homme de lettres,  sans le laisser ni mûrir, ni s'agglomérer,
   ni remplir un vase de lus grandecotenance.

   [語句]  la fiole  ガラス瓶    la résine  樹脂
   extorquer  強奪する  le suc intellectuel  知的樹液、
   すなわち知識   s'agglomérer  積もる la contenance
      容積

[訳] 樅の木の幹に着けられて、その樹の樹脂を一滴々々
 採取するあのちいさなガラス瓶のように、新聞というもの
 は文学者の知識をその実るのも、積もるのも、もっと大き
 な容器の壺を満たすのも待たずに、一行ずつ強奪して行く.