過去記事の番号振りつけをしていて、(14)が重複学習をしていることが判明しました(10月7日).
 せっかくですのでそのまま第2バージョンとして残すことにしました.

 

ジュール叔父さん(14)

 


—————————————【14】——————————————

  Et  chaque  dimanche,   en*¹   voyant*²    entrer   les   grands
navires*³ qui  revenaient*⁴de  pays  inconnus*⁵et  lointains,*⁶mon
père  prononçait*⁷ invariablement*⁸ les  mêmes  paroles*⁹:
  ——Hein ! *¹º  si  Jules*¹¹  était  là  dedans,*¹²  quelle  surprise ?

——————————————(訳)———————————————

  そして日曜日の度毎に、遠い見知らぬ国から繰り返し現れる大きな船
が入港するのを眺めながら、父はいつも同じ言葉を発した:
  ——なあ、お前たち、もしあの(船の)中にジュールが乗っていたら
何とびっくりだろうな.

—————————————《語句》———————————————

*1) en + 現在分詞: (ジェロンディフ) ~しながら
*2) voyant:(現在分詞) <voir(他)見る
    en voyant ~ 「~を見ながら」     
*3) navires:(m/pl) <navire [ナヴィール] 船、船舶  
*4) revenaient:(半過去3複) <revenir (自) 繰り返し来る、再び現れる     
*5) inconnus:(形/過分/pl) <inconnu (形) 見知らぬ、
          知られていない (à, de, に)   、未知の
*6) lointains:(形/pl) <lointain(e)[ロワンタン/ロワンテーヌ] 遠くの、はるかな、
    pays lointain 遠くの国、/ passé lointain 遠い過去        
*7) prononçait:(半過去3単) <prononcer (他/自) 口にする、言う
*8) invariablement:[アンヴァリアブルマン](副) 変わることなく、相変わらず、
    いつも、常に       
*9) paroles:(f/pl) <parole:言葉      paroles aimables / やさしい言葉    
*10) Hein !:(間投詞)[同意を求めて] そうでしょう、ねえ、   
*11) Jules:(人名) ジュール; タイトルの「ジュール叔父さん」のこと 
*12) dedans:(副) 中に、内側に        


—————————————≪文法≫———————————————

   本文1行目: en voyant entrer les grands navires
        大きな船が入って来るのを見ると
voir (見る) は知覚動詞なので、知覚動詞の構文を作ります.
本文では voir の主語は「お父さん」なのでジェロンディフを平文
に書き換えて、さらに現在形で説明してみます.
   Mon père voit entrer les grands navires.
  父は大きな船が入港してくるのを見る.
 
英語と語順が違うので面食らった方もいらっしゃることでしょう.
  My father sees big ships come in.  S + V + O + 不定詞
    O ∔ 不定詞 
の部分では目的語のOが不定詞の意味上の主語Sとなる.

しかしフランス語では、不定詞が自動詞のときには、
  Mon père voit entrer les grands navires.
    S + V + 不定詞 + O
となって、不定詞の意味上の主語が不定詞の後ろに回っています.

  Je vois courir un chien. / 私は犬が走っているのが見えます.
  J'entends siffler le train, / 私は汽車が汽笛を鳴らしているのが聞こえます.

 では英語のような語順にすれば、だめなのでしょうか?
   Je vois un chien courir. は非文でしょうか?
 いいえ、確かに文としては正しいものです.ただ、不定詞に副詞がついて
 いないときには、不定詞の主語は後に置く方が落ち着きがよい、とのこと
 です. 
    
 不定詞が他動詞のときは英語と同じ語順です.
Je vois mon frère danser une valse. / 兄(弟)がワルツを踊っているのが見えます.
J'entends Marie chanter une chanson.
私はマリーが歌を歌っているのが聞こえます.

ここで英語と違う面白い点がフランス語にはあります.
実はこういう場合フランス語では、知覚動詞の主語になっている名詞を
à またはpar をそえて置くことができます.

 

 

 

ジュール叔父さん(14)[第2バージョン]

—————————————【15】——————————————

  Et   chaque  dimanche,    en *¹   voyant *²    entrer    les   grands
navires*³ qui  revenaient*⁴ de  pays  inconnus*⁵ et  lointains,*⁶ mon
père   prononçait *⁷  invariablement *⁸   les  mêmes   paroles *⁹:
  ——Hein ! *¹º  si  Jules*¹¹  était  là  dedans,*¹²  quelle  surprise ?

——————————————(訳)———————————————

  そして日曜日の度毎に、遠い見知らぬ国から繰り返し現れる大きな船
が入港するのを眺めながら、父はいつも同じ言葉を発した:
  ——なあ、お前たち、もしあの(船の)中にジュールが乗っていたら
何とびっくりすることだろうな.

—————————————《語句》———————————————

*1) en + 現在分詞:(ジェロンディフ) ここでは「~しながら」
*2) voyant:(現在分詞)<voir (他) 見る、見かける、見いだす、
         みとめる、目撃する;  (勝手に視界に入る)
   cf/  regarder  眺める、よく見る;  (意識して視界に入れる)
*3) navires:(m/pl) <navire 船、船舶
*4) revenaient:(半過去3複) <renenir (自/s) 繰り返し現れる   
*5) inconnu(e):(形) [à, de に] 知られていない、未知の、  
*6) lointain(e):(形) 遠くの、はるかな; pays lointain はるかな国  
*7) prononçait:(半過去3単) <prononcer (他) 発音する、言う、述べる
          (言葉を)発する、発話する、口に出す
*8) invariablement:(副) 変わることなく、いつも、相変わらず
*9) parole:(f) 言葉  
*10)†  hein:[/ɛ̃/]〘同意を求めて〙ね、そうでしょ?      
*11) Jules:(人名) ジュール;この作品の描く主要人物 
*12) dedans:その中に; là も「そこに」ですが合わせて
    là dedans (là を先に言って、それからdedans ね)あそこの中に
    ここでは là dans le navire; あの船の中に  

 

 

   J'entends chanter une chanson à (par) Marie.
  私はマリーが歌を歌っているのが聞こえます.