2018年 9月29日(土)雨  


台風のため、30日(日)の仕事はキャンセルになりました。
というか、この仕事は、もともと、

最終確認がなかったので、成立しておりません。
成立してないツアーなので、キャンセル料はもちろんゼロ。

そんなことなら、ハッピーツアーの仕事を取っておけばよかった。
と、くやんでいたが、捨てる神あれば、拾う神あり。

午前8時。

大阪ヒルトン様から電話。

電話: きょうって、空いてます?

ゴタ: はい、ヒマです。

電話:  これから、アメリカ人男性1名の観光案内を

     お願いしたいのですが。

ゴタ:  はい、大丈夫です。2時間ほど、お時間をください。

  ということで、ヒゲ剃って、

    着替えて、カバンもって、すっ飛んで行った。

  ヒルトンホテルは、JR大阪駅、桜橋口の南向かいです。
  ゴタの家から、すっ飛んでいくと、1時間で到着する。

  時刻は、午前9時。担当のスタッフは、瀬戸様。
  詳細を聞けば、貸切タクシーをご希望だとのこと。

  そこで、まだ1時間、時間があるので、
  ゴタの前勤務先、「大阪阪神タクシー」に、貸切タクシーを
  頼もうと、電話してみた。

会社: ああ、ゴタちゃんかい。え?タクシーの貸切?
     急に言われても、無理だよ。
     前日か、遅くとも、当日の朝6時までに

          言ってもらわないと。 
     

          あんたも知っての通り、

          朝の点呼が終わったら、一斉に出庫するからね。
     点呼前なら、誰かに頼めるけど、もう無理だよ。

  
  時間はたっぷりあるので、
  直接、四つ橋筋に出て、空車タクシーを拾いに行った。
  10分ほど待ったところ、大阪阪神タクシーがやって来た。
  空車表示である。

   「よし、これに決めた。」

  手を挙げたら、止まった。
  で、ドライバーさんに、貸切を了解してもらい、

  ホテルに入ってもらった。

  大阪阪神タクシの貸切料金は、30分単位で、

    つまり、30分ごとに、2520円。
  1時間当たり、5040円である。

  安いか高いかは、場所によるが、おおむね、
  関協無線グループ所属のタクシー

  (5000円越え、半額タクシー)
  の場合は、メーターで、
  それより高いタクシーは、1時間、5040円の契約料金が安い。 
   
  だが、ゴタ観光のパンフには、

  3時間で16500円と案内している。
  これは、1時間当たり、5500円。なので、1時間5040円の
  タクシーなら、契約にしておけば、安心です。

  かくして、タクシーの手配は完了。
  まだ、時間があったので、お客様のお部屋に電話して、
  出発を30分早めてもらった。

  【午前10時、出発】

  ロビーでお客様とご対面。

  デュール様(Mr. Dur)とおききしていましたが、
  お名刺には、King Charles Durham Ⅲ と書かれています。

ゴタ    : Is your title King ? not Sir nor Mr. ?
        敬称は、王様なのですか? 

        ~卿でもなく、~様でもなく?

デュールさん: Yes. I'm a member of Royal family.
          そうです。王族なのです。

ゴタ     : (ほんまかいな?)His Majesty.
                      陛下!

デュ-ルさん: Call me John for brevity's sake.
           ジョーンと呼んでください。

           簡単でいいですよ。

ゴタ      :  Then ,John, we're visiting today, 

           Kyoto Imperial Palace,
           Nijo Castle, Katsu ra detached vila,

                        Guest House and
              Imperial Place again・・  
              じゃ、ジョーンさん、本日の訪問箇所ですが、
             京都御所、二条城、桂離宮、

           迎賓館、皇居となっていますが、  

ジョーンさん : And Imperial Tower !
(デュール)    皇居タワーも!


ゴタ      : Iwonder what the Imperial Tower ?
          皇居タワーって、何やろ?


  まあ、とりあえず、出発しましょう。
  ドライバーさんをご紹介。
  元、ゴタの同僚、大阪阪神タクシーの柳田さん。

  ヾ(@^▽^@)ノ

  車は発進します。
  ホテルを出て、やってきたのは、福島駅の近く。
  え?どこへ行くの?

  ゴタの運転だと、梅田入り口から阪神高速、

    環状線に入るが、ところ変われば品変わる。

    きょうのドライバーさんは、
  福島ランプから、阪神高速の池田線に上がろうとします。

   「え?環状線じゃないの?」

   「はい、これで、豊中から、

        名神高速に乗ろうと思いますが・・・」

   「どうぞ。おまかせしていますから。」

  ドライバーさんに、告げたのは、「二条城」だったので、
  名神京都南インターで降りるのが、普通の行き方です。

    それで正解。

  ところで、車中、お客様の言うことには、

    予約の必要な「桂離宮」は、明日
  行く、と言います。

  本来、桂離宮は、2週間までに、

    往復はがきで申し込んでおくのが
  正しい見学方法なのだが、

    外国人は、特別拝観ができるかもしれないと思って、
  電話してみた。

  そしたら、

桂離宮事務所 : 明日は、休みますよ。台風が来ますし。
              え? 外国人? 

                      外国人でも、日本人でも、きょうの
               午前11時から、拝観受付をしていますから、

                      来てください。
              拝観は、午後1時30分、2時30分、3時30分
              の3回ありますから、

                      お好きな時間帯を選んでいただけます。

   ということだった。そこで、とりあえず、行先を変更して、
   桂離宮に直行。
   ただし、道を間違えて、約15分のロスタイム発生。

   何しろ、前回来たのは、もう3年以上も前で、

       さくら先輩との下見でした。
   (2014年12月)

   あれ以来、行っていないので、道を忘れた。
   しかも、カーナビが指示したのは、

       閉鎖している裏門でした。

   グルグル回って、ようやく、正しい門、正門にやってきた。
   
   ただし、あとでわかったことだが、

       カーナビは、間違っていなかった。
   

       ゴタたちがVIPなら、

       確かに、その門が開かれていたはずである。

   しかも、本日のゴタのお客様は、

      ロイヤルファミリーの一員で、クイーン
   エリザベス様とも、親戚関係にあられるお方。

    「こら~。門を開け玉え~。

           こちらにおわす方をどなたと心得る。
     おそれおおくも、イギリス王室
     (・・・のはずだが、なぜだか現在、アメリカ在中) 
       の親戚関係にあらせられるぞ。
     ズが高い。控えおろ~」

    ヾ(@^▽^@)ノ   

  午前11時15分、ようやく受付テントに到着。申込書に
  住所、氏名、年齢、性別等々を書き込み、身分証を呈示。
  やっと、許可がでました。

    やれやれ、はれほれ、ひれふれ、ほれはれ・・

  只今、時刻は午前11時25分。
  約2時間をどうするか?

  とりあえず、二条城を見学してこよう、とタクシーに戻る。
  このころ、乗務員さんは、

    ゴタのことを思い出してくれていた。

    「そういえば、ゴタさん、おたくのことを思い出したよ。
    朝、一緒に、点呼を受けていましたよね。」

   「そう、やっと思い出してくれたんだ。

        あの村上さんって、まだ務めてはります?」

   「いますよ。元気に乗務してますよ。」

   「ああ、なつかしいなあ。」

  あまり、こんな会話をすれば、

    お客様に失礼なので、そこそこにして、
  ガイドを始めます。
  二条城に行くときには、

    やはり、日本の幕末のお話をします。
    
  大政奉還(1867年10月14日)のあとも、

    慶喜が実権を握っていた。
  天皇家に政権が戻ってきても、政治の実態は、
  天皇家が完全掌握しきれず、新政府も、天皇家の下に
  位置づけられていたから、やはり、慶喜が握っていた。
  
  そこで、もう一度、今度は
  完全に、天皇~新政府体制で、
  政治が一本化するように

    王政復古(同年12月9日)が宣言された。 

  一方、慶喜は、12月16日、

    大阪城に、各国の代表を集め、
  新政府の政治体制が機能するまでは、

     慶喜が外交を担当する旨を発表。

  結局、実質的な新政府が誕生するためには、
  戊辰戦争で、幕府軍を

    倒すしかなかったようであります。

  しかし、倒幕の発端が、

    この二条城での大政奉還にあったことは、
  我々ガイドが外国人に、

    是非説明しておくべきことかと思われます。

   ヾ(@^▽^@)ノ

 【お昼は、ラーメン】

  二条城の庭は、まだ入れません。予定より早く出てきました。
  ドライバーさんに電話。5分で降りた場所に戻るとのこと。
  この間、食事場所をお客様と相談。

    何でもいいとおっしゃいます。

    「Is ramen noodle fine ? じゃ、ラーメンは?」 
 
    「Tha's okay. いいよ」
  
  ということで、二条城裏手の「天下一品」に入ります。

  さっそく、メニューを見せながら

  ヾ(@^▽^@)ノ

ゴタ      : How about this set menu ?
                この定食どうでっか?

ジョーンさん: That'll be fine.
                  いいっしょ。
  
  しばらくして、チャーハンセットがきました。
  ジョーンさん、他の人が注文した生ビールを見て、

   「I'd like to try one. 飲みたいなあ」

   ということで、ご注文。

ゴタ  : すみません。生中、ひとつ。

店員さん: おひとつだけ?

ゴタ  : はい、私は、勤務中ですから。
      この人に、ひとつ。

   ジョーンさん、やり取りがわかったらしく、

   「Please order your beer, too あなたも飲みなさいよ」

   もちろん、お断りしました。でも、今頃、飲んでみたくなった。
   今夜は、生中で乾杯じゃ!

   ガイドよりも、ジョーンさんのほうが、時間管理がシビア。
   ジョーンさん、食べ終わってすぐに、時計を見ます。 
   
    「I loos like time we go back.もう戻る時間みたいですよ。」

    そう、確かに、ここから桂離宮までは、30分はかかります。
    もう行くべき時間です。割り勘のつもりだったので、
    880円の定食のため、1000円渡そうとしたら、
  
       「No, not necessary. ええよ」

       「Thank you. すんまへん」

   ゴタ観光事務所の規定では、

       自分の食べたいものを食べたときは、
   自腹、となっております。

   が

   ちゃっかり、おごってもらった。

      ヾ(@^▽^@)ノ   



   【再び、桂離宮へ】

   先ほどの許可証のほかに、もう一度、身分証を呈示。
   やはり、宮内庁の警備は、きっちりされています。

   京都御所と違って、案内人が来るまで、

       待合室で待機します。
   ジョーンさんは、物静かに椅子に腰かけ、

      無言で待っています。

   ゴタ、おみやげ売り場に見に行きたかったが、

      お客様を放ったらかして、行くなんて、

      はしたないガイドと思われたくない
   ので、隣におとなしく座っています。

   午後1時30分。案内人が入ってきました。
   説明は日本語だけのようです。
   ゴタが通訳しますが、声を低くしないと、だめのようです。
   数名の日本人が振り返ってしまいました。

    (こいつ、何ゆうとんねん!あほか!)

   ぐらいに思われたかも。  

   【庭園見学】

   いよいよ、見学ツアーです。

      桂離宮の専属ガイドさんは、日本語での案内だけです。
   英語ガイドイヤホーンが借りれるのだが、みんな嫌がって、
   外国人には、不人気だ。われらがキング・ジョーン様も、

     Now that you are my guide, ear- phone guide is
           a humiliation to my tour gui9de.
         こんなん、使うたら、あんた屈辱ですやろ?

   と仰せでございます。いや、屈辱ということはないが、
   ガイド料金をもらいながら、

       機械を使わせておくのは、気が引ける。

   がんばって、逐次通訳に努めようとしたが、

       なにしろ、庭園の細いあぜ道を
   50名の見学者がぞろぞろ通るので、

      列の前のほうに行ってしまったガイドさんの説明を
   聞くことはできません。

   前の方を歩こうと誘ってはみたが、

       ジョーンさんは、一向にお構いなし。


   まともな、通訳ができたのは、

       もう、終わり近く、「月波楼」(げっぱろう)
   だけだった。

      
   【教訓】 桂離宮のガイディングは、

                  イヤホーンガイドを借りてもらいましょう。

   午後2時30分、桂離宮を出発。

     ヾ(@^▽^@)ノ   

    【京都御所】

  問い合わせてもたところ、

    見学は、午後3時40分までに入ればOKとのこと。
  まるまる1時間あるので、一安心。

  ドライバーさんに

 

     「ハマグリご門」から入ってください」

 

  と頼んだが、

     「え?何ですか、それ?」

  ああ、そう言えば、

    これは、大阪のタクシーでした。知らなくて当然。
  烏丸丸太町から北へ走れば、椹木町(さわらぎ)通りに出入り口。
  その次が下立売御門、

    その次が出水口。下長者町の信号を超えたところが、
  ハマグリ御門である。

  江戸時代、御所が火事になったとき、
  普段は、閉ざされているはずの御門が開かれた。 
  まるで、蛤のように・・・。
  それから、蛤御門と呼ばれるようになった。

  ただし、今となっては、

    その大火は、宝永の大火(1708年)か、
  天明の大火(1788年)かは、わからないという。

   【御所】

   紫宸殿も、清涼殿も、扉が死寝られていて、

      御座所は見えません。
   高御座(たかみくら)は、

      現在、東京へ移動中。なんと、移動費用は、5億円です。

     「そんなん、東京で、

            新しい椅子を作ったらええんちゃうん。」

  まあ、即位式には、よほどの思い入れがあるのでしょうね。


   【Imperial tower と Imperial House】

    ジョーンさんの希望では、あと2か所連れて行ってくれ、

    ということだったが、
  この2つ、ゴタには意味不明。

    迎賓館のことかとも、思うが、違えば、
  30分のロスタイムが生じる。

 

    本日の貸切タクシーは、その30分は、2520円。

  つまり、もし、Imperial House が迎賓館のことでなければ、

     2520円の損害を与える。

  よって、

   「もう、帰りましょうよ。」

  とおすすめしたところ、

   「OK !」

  とゴーサインが出ました。

  午後4時。帰りは、第二京阪を使って、帰りました。
  名神は、御所から京都南ICまでは、1時間近くかかるので、
  阪神高速京都線(河原町十条)から上がりました。
   
  阪神高速京都線~第二京阪~近畿自動車道~

    ~阪神高速守口線~南森町出口

 
  1時間少々で帰着。タクシー代は、7時間分。35280円。
  高速代、4400円、 駐車場代、1500円。 

    合計、41180円  
  

    ガイド料金、X X X X X 円。

  お客様への請求は、Y Y Y Y Y 円。

  キング・ジョーンⅧ 様、チップを私めとドライバー氏に

  1000円ずつ、付けてくださいました。
  
  ありがたい、王様~。ありがとさ~ん。

  おしまい
  ゴタ