3月18日 (水)
神戸港に、
クィーン・エリザベスが来るから、
行ってほしいという。
まさか、イギリスの王室のエリザベス二世が
行幸されるわけではあるまいが。
京都の一日ガイドだというから、OKしていたのに、
「その仕事が、なくなってしまいました。
すみませんが、
センダーをやってもらえますか?」
別に、まあ、ひまだし、かまわない。
そこでOKの返事をしたのだが、
何と、「わけあり」 の業務。
どういうことかというと、
この船、天候不順で、
本来、寄港すべき横浜港に入らず、
神戸港にやってきた。
そして、補償として、バスを動員して、
港から、新幹線で、横浜へ
送るという。
そのため、港に数名、新神戸駅の数名、
スタッフを配置させるというもの。
この仕事の依頼が、
旅行会社Iさんに、回ってきて、そして、最終的に、
山田に、回ってきた。
海が荒れると、山田のガイド業務は、
センディング業務に豹変する。
さて、指示書によると、
本日は、神戸港、午前11時集合。
ポートターミナル3階で、
ブリーフィング(説明会)があり、そののち、
新神戸で、外人客を新幹線に乗せこみ
をする業務に着くことになる。
つまり、間違えずに
東京方面へいく新幹線に乗せる。
そいいう仕事・・・
だったはずが・・・
「山田さん、すみませんが、
こっちは、もう、人が足りているので、
やっぱり、港にもどって、
バスの乗せこみをやってもらえますか?」
「えー?どのバスに乗せるの?どんな人を?」
「バスには、行先が張ってあるから、
新神戸行って、書いてある。
今、一緒に乗ってきたKMさんのバスだよ。」
「それで、お客様は?」
「基本的に、クイーンエリザベスの
乗船客は、みんな乗ってもらうんだ。」
「了解。」
了解、と気軽に言ったが、
このときは、この船の乗船客が、
いったい、どれほどいるのかを、
想像したことはなかった。
これから、その恐怖がはじまるというのに・・・
新神戸駅から、ひとりで、港へ戻れ、という。
「 いったい私を何だと
思っているのだ。こんな方向音痴
をつかまえて、ひとりで、帰れだと!」
ひとりで帰れとは、
それ、相応の覚悟があるのだろうな!
と、独り言をつぶやき、
眼前のホテル、
「ANAクラウンプラザ 」
に立ち寄り。
ここで、山田観光のパンフレットを配布。
【忠告】
_ 仕事中に別の仕事は、しないでください。
_ ごめんね。
さて、
とりあえず、地下鉄で、三宮に戻りました。
「だーれも、見ていないじゃん。サボろか。」
とりあえず、腹が減った。売店で、あれこれ買って、
ベンチに座り込み、むしゃむしゃパクパク。
そして、時計を見る。
「うーん、13時20分の
バスの乗せこみからでええか!」
只今、時刻は、12時過ぎ。
とりあえず、ポートライナーの駅に
向かう。ここから、3つ目の駅だったか。
20分あれば、着くだろう。
そう思いつつ、ポートライナーのキップを買う。
210円なり。
メモをする。
これは、清算のときに、請求する大切な行為。
ポートライナーに乗る。
さあ、業務開始!
【センディング】
ぞろぞろと下船した外国のお客様が、やって来ます。
エリザベスのみなさんは、
新幹線の切符をお持ちです。
これが、まあ、船客のしるしなので、
提示いただいて、バスに乗り込んでもらいます。
バスは、シャトルバス、つまり、この港と新神戸駅
をピストンします。
送り込みだけだと思っていたら、
横浜港で、乗る予定だったお客様も、
先ほど、横浜や東京から、この新神戸に到着
したといいます。
つまり、新神戸駅側からも、
送客してくるわけです。
こんなん、めっちゃ忙しいやん。
しかも、こっちのバスは、1台出る毎に、
乗車人数を報告することになっているので、
数える手間もいるし、
送り出したら、休む間もなく、
新神戸から、バスが、
乗客を乗せてやってくる。
そのバスも、やはり、
出迎えなくてはならないという。
「そんなバス放っといたらええやん。」
「だめですよ。
そのために、あなた方に応援に来て貰って
いるのですよ。」
「ひえ、ひえー、
もう、投げ出して、
帰ってもいいですか?」
「そんなこと言わないで。がんばってー。」
そら、考えてみれば、
高層マンションの全住民が、
往来するのだもの、
忙しくて、あたりまえ。
ひとつ、助かったのは、東京、横浜の
お客様には、通訳ガイド
が乗っているケースが多かったので、
ある程度、無視できたこと。
慣れてくると、余裕で、
その通訳ガイドさんのそばに立って、
いらぬことを、ひとこと、ふたこと。
「ねえ、英語で、
お疲れ様って、いわないの ?」
わかっているくせに、
わざと、こんな質問するなんて、
悪いやっちゃなあ、山田のおっさん。
「ええ、英語じゃ、
そういう言い方はしないですよ。
Thank you. としか、私は言わないなあ。」
「そうですよね。
じゃ、私は、Welcome to Kobe
でいきましょう。」
しばらくして、ツアマネがやってきて、
「 あのう、ガイドさん、お客様に、
回れ右って、英語で言ってあげて!」
な、な、なんちゅうことを!
これこそ、英語で言うと、気分を害されます。
回れ、右、なんて、軍隊か、
スポーツの祭典でしか、言わないよ。
業務命令なら、仕方がないので、
左手をターミナルビルに向けて、
「That way please !.」
1台のバスには、30~40名が乗っています。
この 「That way please !」 と、
「Welcome to Kobe. 」 とを、
繰り返し、しゃべる。これが、きょうの仕事。
なんだか、あほらしいが・・・
ヾ(@^▽^@)ノ
そして、きょう、身にしみてわかったことだが、
こんな仕事、絶対に面白くない。もういや。
山田の性分に合わない。
自分のお客様を40名迎えるのなら、ともかく、
この高層マンションの住民の送迎なんて、
あんた、その100倍は、あるぜ。あるぜ。アルゼンチン。
リオデジャネイロ ~
船会社の都合で、こっちに入港したのだから、
こういう仕事は、
船員のみなさんが、やりなさいよ。プンプン。
何?マドロスさんは、
赤いジャケットとパイプをふかすのが仕事?
馬鹿言ってんじゃないよ。いつの時代だよ。
とも思ったが、こういう影の仕事に感謝する
いいきっかけ、というか、
いい勉強をさせていただきました。
センダーのみなさん、いつも送迎をありがとうね。
そして、お疲れ様です。
きょうは、この雨の中を
午後7時まで、
がんばったので、足が棒になってしまった。
ちかりたび~。
おしまい
山田クマモン



神戸港に、
クィーン・エリザベスが来るから、
行ってほしいという。
まさか、イギリスの王室のエリザベス二世が
行幸されるわけではあるまいが。
京都の一日ガイドだというから、OKしていたのに、
「その仕事が、なくなってしまいました。
すみませんが、
センダーをやってもらえますか?」
別に、まあ、ひまだし、かまわない。
そこでOKの返事をしたのだが、
何と、「わけあり」 の業務。
どういうことかというと、
この船、天候不順で、
本来、寄港すべき横浜港に入らず、
神戸港にやってきた。
そして、補償として、バスを動員して、
港から、新幹線で、横浜へ
送るという。
そのため、港に数名、新神戸駅の数名、
スタッフを配置させるというもの。
この仕事の依頼が、
旅行会社Iさんに、回ってきて、そして、最終的に、
山田に、回ってきた。
海が荒れると、山田のガイド業務は、
センディング業務に豹変する。
さて、指示書によると、
本日は、神戸港、午前11時集合。
ポートターミナル3階で、
ブリーフィング(説明会)があり、そののち、
新神戸で、外人客を新幹線に乗せこみ
をする業務に着くことになる。
つまり、間違えずに
東京方面へいく新幹線に乗せる。
そいいう仕事・・・
だったはずが・・・
「山田さん、すみませんが、
こっちは、もう、人が足りているので、
やっぱり、港にもどって、
バスの乗せこみをやってもらえますか?」
「えー?どのバスに乗せるの?どんな人を?」
「バスには、行先が張ってあるから、
新神戸行って、書いてある。
今、一緒に乗ってきたKMさんのバスだよ。」
「それで、お客様は?」
「基本的に、クイーンエリザベスの
乗船客は、みんな乗ってもらうんだ。」
「了解。」
了解、と気軽に言ったが、
このときは、この船の乗船客が、
いったい、どれほどいるのかを、
想像したことはなかった。
これから、その恐怖がはじまるというのに・・・
新神戸駅から、ひとりで、港へ戻れ、という。
「 いったい私を何だと
思っているのだ。こんな方向音痴
をつかまえて、ひとりで、帰れだと!」
ひとりで帰れとは、
それ、相応の覚悟があるのだろうな!
と、独り言をつぶやき、
眼前のホテル、
「ANAクラウンプラザ 」
に立ち寄り。
ここで、山田観光のパンフレットを配布。
【忠告】
_ 仕事中に別の仕事は、しないでください。
_ ごめんね。
さて、
とりあえず、地下鉄で、三宮に戻りました。
「だーれも、見ていないじゃん。サボろか。」
とりあえず、腹が減った。売店で、あれこれ買って、
ベンチに座り込み、むしゃむしゃパクパク。
そして、時計を見る。
「うーん、13時20分の
バスの乗せこみからでええか!」
只今、時刻は、12時過ぎ。
とりあえず、ポートライナーの駅に
向かう。ここから、3つ目の駅だったか。
20分あれば、着くだろう。
そう思いつつ、ポートライナーのキップを買う。
210円なり。
メモをする。
これは、清算のときに、請求する大切な行為。
ポートライナーに乗る。
さあ、業務開始!
【センディング】
ぞろぞろと下船した外国のお客様が、やって来ます。
エリザベスのみなさんは、
新幹線の切符をお持ちです。
これが、まあ、船客のしるしなので、
提示いただいて、バスに乗り込んでもらいます。
バスは、シャトルバス、つまり、この港と新神戸駅
をピストンします。
送り込みだけだと思っていたら、
横浜港で、乗る予定だったお客様も、
先ほど、横浜や東京から、この新神戸に到着
したといいます。
つまり、新神戸駅側からも、
送客してくるわけです。
こんなん、めっちゃ忙しいやん。
しかも、こっちのバスは、1台出る毎に、
乗車人数を報告することになっているので、
数える手間もいるし、
送り出したら、休む間もなく、
新神戸から、バスが、
乗客を乗せてやってくる。
そのバスも、やはり、
出迎えなくてはならないという。
「そんなバス放っといたらええやん。」
「だめですよ。
そのために、あなた方に応援に来て貰って
いるのですよ。」
「ひえ、ひえー、
もう、投げ出して、
帰ってもいいですか?」
「そんなこと言わないで。がんばってー。」
そら、考えてみれば、
高層マンションの全住民が、
往来するのだもの、
忙しくて、あたりまえ。
ひとつ、助かったのは、東京、横浜の
お客様には、通訳ガイド
が乗っているケースが多かったので、
ある程度、無視できたこと。
慣れてくると、余裕で、
その通訳ガイドさんのそばに立って、
いらぬことを、ひとこと、ふたこと。
「ねえ、英語で、
お疲れ様って、いわないの ?」
わかっているくせに、
わざと、こんな質問するなんて、
悪いやっちゃなあ、山田のおっさん。
「ええ、英語じゃ、
そういう言い方はしないですよ。
Thank you. としか、私は言わないなあ。」
「そうですよね。
じゃ、私は、Welcome to Kobe
でいきましょう。」
しばらくして、ツアマネがやってきて、
「 あのう、ガイドさん、お客様に、
回れ右って、英語で言ってあげて!」
な、な、なんちゅうことを!
これこそ、英語で言うと、気分を害されます。
回れ、右、なんて、軍隊か、
スポーツの祭典でしか、言わないよ。
業務命令なら、仕方がないので、
左手をターミナルビルに向けて、
「That way please !.」
1台のバスには、30~40名が乗っています。
この 「That way please !」 と、
「Welcome to Kobe. 」 とを、
繰り返し、しゃべる。これが、きょうの仕事。
なんだか、あほらしいが・・・
ヾ(@^▽^@)ノ
そして、きょう、身にしみてわかったことだが、
こんな仕事、絶対に面白くない。もういや。
山田の性分に合わない。
自分のお客様を40名迎えるのなら、ともかく、
この高層マンションの住民の送迎なんて、
あんた、その100倍は、あるぜ。あるぜ。アルゼンチン。
リオデジャネイロ ~
船会社の都合で、こっちに入港したのだから、
こういう仕事は、
船員のみなさんが、やりなさいよ。プンプン。
何?マドロスさんは、
赤いジャケットとパイプをふかすのが仕事?
馬鹿言ってんじゃないよ。いつの時代だよ。
とも思ったが、こういう影の仕事に感謝する
いいきっかけ、というか、
いい勉強をさせていただきました。
センダーのみなさん、いつも送迎をありがとうね。
そして、お疲れ様です。
きょうは、この雨の中を
午後7時まで、
がんばったので、足が棒になってしまった。
ちかりたび~。
おしまい
山田クマモン


