8月3日 (日)

【観光夢めぐりタクシーのお客様】



 【午前10時30分】


 パンフレット作りで、てんやわんや・・・

 携帯が、鳴ります。

  「この、忙しいときに、鳴りやがって・・・」


電話   : こちら、観光夢めぐりです。
       お世話になります。


山田   : へっ? あ、ああ、住之江の
       観光夢めぐりさんですか? 
  

夢めぐり : はい、山田さん、
   きょうって、これから、お願い
       しても、大丈夫でしょうか?


山田   : へっ? あの、ガイドのお仕事ということ
       でしょうか?


夢めぐり : はい、午後から、
京都の、金閣寺と、清水寺と・・・


山田   : あ、はいはい。大丈夫です。
   お受けいたします。


夢めぐり : では、午後1時30分に、
   猪熊錦下がるの、
        
        「モリタ屋」

       で、合流なのですが、
   よろしいでしょうか?


山田   : あ、ああ、はい。大丈夫です。


夢めぐり : ところで、山田さんのガイド料金って、
       おいくらなのでしょうか?


山田    : 午後1時30分から、4時間として、
       午後5時30分までは、13000円。
       それ以降午後7時30分までが、
  18000円。
        午後9時30分までで、20000円です。


夢めぐり  : 高いのね。


山田    : (どこがじゃ!) 
   夢めぐりさんには、お世話に
        なっていますので、10%の斡旋手数料を
        引かさせてもらいます。


夢めぐり  : わかりました。
   では、現地で、お受け取り下さい。



 【観光夢めぐりタクシー】


   これは、住之江にあるタクシー会社で、
   観光タクシーを専門にしていて、
   保有車種は、
  大半が、ジャンボタクシーという変わり種。

   保有セダン(普通のタクシー)
   は、1台のみ。


   昨年、大阪市内の観光ガイドの仕事を依頼され、
   お受けしたことがあり、
   今回、2度目の仕事となりました。

   4年前、この「夢めぐりタクシー」さんが、
   タクシー運転手を募集していたので、
   私が、面接に行ったのが、きっかけで、
   お互い、仕事を発注するようになりました。

   (結局、住之江が、通勤に、遠過ぎるから、辞退)

   その後、ゴタ側も、関空送迎では、
   2,3、度、利用させてもらっています。


   ヾ(@^▽^@)ノ

      【京阪電車】


   山田の住む田舎町では、特急も、急行もとまりません。

   鈍行がやってきました。

   特急は、通過。


     「こらー。特急。止まれ!」


   と、言って、特急が、本当に、止まったら、恐いけどな。

   まあ、とりあえず、くずは駅で、特急に乗りかえて、
   四条に着きました。もう、そこからは、面倒なので、
   タクシーに乗った。

   四条大宮の手前、右手に、

    
     「モリタ屋」

   の看板が出ています。


山田 : 運転手さん、ここで、ええわ。ありがとう。


   860円なり。


   猪熊の信号を渡り、モリタ屋へ。

   店の前で、手を振る人がいます。
   どうやら、この人が、
   「夢めぐり」のドライバーさんのようです。

   

   きょうのお客様は、
リッツカールトン(大阪)にお泊まりの
   ご家族。
   
   8名様の大家族です。
お国は、インドネシア。バリ島。

   午後1時45分。猪熊通りに面した、レストラン、

    「モリタ屋」 

(すき焼き、しゃぶしゃぶの専門店)

   から、おでまし。


山田  :  Nice to meet you.    

   ヾ(@^▽^@)ノ


   とにかく、これが、挨拶の定番。

     I'm glad to see you.

   なんて、よほどの時でないと、言わない。 


    ヾ(@^▽^@)ノ

 
   さっそく、夢めぐりタクシー

   (これは、11人乗りジャンボタクシー)

   に乗車。


   ただ、11席満席の場合、ゴタの定位置がどうなるか、
   考えたことも、なかったので、
   ドライバーさんの指示を仰ぐことに。

   前から、3列、2列、3列、3列、
   の11人乗りジャンボタクシーです。
   分類は、大型。

   税金のことを思うと、ちょっと、もったいない。
   どうせなら、あと、3席
   増やして、14人乗りにした方が、いいと思うのだが・・・
   
   これは、特注の作りで、
   中、2列目と3列目が、回転して、
   自由な配置で、楽しめるという観光タクシー。
   いいかも。

  
   さて、猪熊錦を、東へ。堀川通りに出て、北に。

   まもなく、二条城。

   ただし、通過。


山田 : Nijo Castle has come into
     sight on the left.

he castle built for the purpose of
surveillance in the city
as well as the Imperial Palace.

The shogun was nervous to those
who tried to get contact with
Emperor.

At the time when
     the shogun built this castle,
he had not so much
dignity as other influential daimyos.

Shogun got anxious toward those
who were easy to betray him.
Especially toward those who fought
for Toyotomi family at the previous
battle.


  左側、二条城です。 町の監視と、
御所の監視を主目的に
   建てられました。
   将軍は、天皇に近づく者には、ナーバスでした。
 
   城の創建当時の将軍には、まだ権威がなく
裏切る可能性のある大名、
特に、豊臣勢には、気をもみました。

ヾ(@^▽^@)ノ


車は、さらに、北へと進みます。


   一条戻り橋の辺りで4は、日本人相手なら、
   陰陽師、
安倍晴明について、ひと講釈たれるところ。

   この、おとっつあんは、10世紀、
平安時代の占い師。

   当時、占い師というのは、
かなり、社会的地位があったと思われる。
   特に、この人の場合、花山天皇や、
一条天皇の信頼が厚かったため、
   かなりの地位に上り詰めた。

     
   一条戻り橋から先は、西陣と呼ばれる。
   西陣織りの町。明治時代、
リヨンまで、織機を求めて渡仏した青年がいた。

   ジャガード織りの織機を、
我が国に導入したのが、この人たち。

   井上伊兵衛と、佐倉常七。

   フランス語教室も、なかった時代、えらい人でっせ。  


   堀川北大路を左折。
   この辺りに、(南西方向に)紫式部の
   お墓があります。


山田   : Have you ever read the Genji tale ?,
  One of the classic Japanese novels 
representative of Heian period. .

 源氏物語、読んだこと、おまっか?
平安時代の逸品でっせ。
     

みなさん : No, not any works.

       知らん。


山田   : There is a grave yard
       some where at the corner.
Murasaki Shikibu,
a woman writer in the medieval times.   

       その角あたりに、墓場があるんですけど、
       その中に、紫式部のお墓があるんです。

      Do you know Murasaki Shikibu ?
She's one of the old Japanese novelists.
Her representative work is "the Genji Tale".
     It's a long novel depicting a life
over young aristocrat, Hikaru Genji.     

紫式部って、知ってはります?
      古代日本の小説家でして、
      代表作は、「源氏物語」。
       
      光源氏という貴族の
生涯を描いた長編ロマンです。


みなさん : I'm afraid no. No one of us
       knows it, we're sorry.
知らんなあ。
わてら、そんなん、誰も知らんわ。


山田   : Oh, that's okay.
Her flourished time was a remote era
without any relation with today.
ああ、かましまへん。
昔昔の人やさかい、今と
      関係ない時代の人です。 



   【大徳寺】

   
   北大路回りのため、次々に、
普段と違った場所が展開します。
 

山田  : We're passing through a big temple
that belongs to a
Zen sect of Buddhism.
The temple famous for its Buddhist monk.
He was a Buddhist monk who was full of wit.

     大徳寺を通ります。
     禅寺でして、ある禅僧で、有名です。
     その人の名は、一休。
とんちの得意な僧侶でした。 



     【左大文字】


   さらに、その向こうに、左大文字の山が見えてきます。


山田 :  Look at the hill side ahead of us.
There you see a Chinese character that
reads Tai in Chinese meaning " big".

We set fire to the pattern
of the character on
the night of August 16,
the last day of Bon festival week.

Dead souls are believed
      to come back to our world
to spend the whole week
with their respective family.

And the August 16 is the
last day and the day
that they have to go back to their world.

We lite up on the day so that they can easily
go back by setting fire on the hill.
It's called "Daimonji yaki".

正面の山をご覧ください。
「だい」って、読むんですけど、
      漢字が見えます。

      8月16日の夜、
漢字をかたどって火を燃やします。
それは、お盆休みの最終日です。
      お盆休みの間、死んだ人たちの霊魂が、
      この世に、戻ってきて、
それぞれの家族と、お盆を
      一緒に過ごすのです。

      そして、8月16日の、
黄泉の国に帰っていきます。
      そのとき、
死者のたましいを見送るため、大文字に
      火を灯します。
      これが、大文字焼きです。


      【金閣寺】


      その、左大文字山のふもとに、金閣寺があります。
      タクシーは、左の駐車場
(金閣寺の近い方)へ入ります。  
      歩く距離が、だいぶ変わるので、どっちの駐車場に
      入るかは、重要な問題です。(まず、5分は、違う)

      ご一行のうち、乳児が、1名。
      ご両親が、ベビーカーを押します。

      ただ、金閣寺には、数か所、石段があり、
      ベビーカーは、上がることが、できません。

      つまり、金閣寺は、バリア・フリーではない。
      かといって、庭園の石段を、エスカレーターに
      かえたら、雰囲気が、ぶっこわれる。

      でも、それでもいいから、
      エスカレーターをつけてほしい。

      ベビーカーは、男性2名で、持ち上げて、登りました。

    
      残念ながら、山田は、
      心臓病を患っているため、あまり力仕事が
      できず、役に立ちません。すんません。

       うお座

   【安民沢(あんみんたく)】

      その石段をあがったら、何が、あるのか?
      安民沢という、沼があります。

      金閣寺一帯は、もともと、
      将軍義満の所有地では、ありませんでした。 

      これは、当時零落していた貴族、西園寺家との
      取引で、得た地所。

      西園寺家の、家の守り神が、白蛇だったので、
      義満は、それに、敬意を払い、
白蛇の塚を残しました。


山田 : The shogun,Yoshimitsu left untouched
the pond and the small hill so that
he might show the respect toward
the guardian deity, white snake".
Even today, they say the white snake is
sleeping under the tumulus.  

Oh, look ! the white snake there !
Sorry. it's a root of a tree.

義満は、白蛇に、敬意を表し、池も塚も、
そのまま残しました。
     今も、白蛇は、塚の下で、
眠っていると言われています。

     あ、そこに白蛇が!
     あ、違った。木の根っこだった。

      (不発!)


    【教訓】   いつも、いつも、笑いが取れると思うな!


      【不動明王】

    みなさん、ここで、献燈をご有志。
    本日のお客様は、概して、敬虔なお方です。

    
      【最後の石段】

    不動明王の最後の石段を降ります。
ベビーカーは、同じく、
    男性陣が、運びます。 手伝えなくて、恐縮です。

    8月12日の心臓手術(カテーテル)がすんだら、
    また、お手伝いいたしますネ。


   
    かくして、金閣寺の見物は、終了。

    次は、

     「清水寺」

    だけど、ここも、坂道が長いし、
    急な石段が、たくさんあるぜ。
    ベビーカーって、大丈夫かな?


お母様  : How long and how many times are
there the stone steps ?
石段、ようけありますのんか?


山田   : It's going to be very hard
       with that baby-buggy.
       
       しんどいで。 
       ベビーカーなんか押していったら。

     

     【清水寺】


    結局、清水寺への、見学チームは、5名。
    3名と、赤ちゃん様は、お残りに。

    居残って、いいの?
    
    居残り組代表のお父様、答えて曰く、

    あそこの、お団子屋さんで、お団子食べて、
    氷食べて・・・・

    いいなあ、聞かなければ、よかった。


 
    【教訓】   どこの世界にも、楽しみはある。
           それを、見いだせる人が、幸福な人である。    


    清水の長い坂を上ります。左右にお土産屋さん。
     

お嬢さん : I'd like to buy some.
        あ、買いたい。


山田   : Buy them on the way back.
帰りに、買いなはれ。



    【そして帰り道】


   まあ、買います、買います。すっげ。

   まず、着物を5着。
   キティちゃんグッズも、数点。
   抹茶バーム。
   抹茶八つ橋。
   あれに、
   これに、
   それに、
   一体、誰が持つの?

   たくさん、買い物袋を両手に、ぶらさげて、
   戻ってきましたお団子屋さん。

   山田は、減量の身。お団子パーティには、参加せず、
   ドライバーさんと一緒に、車で待機。

   【車内】


ドライ
バーさん: ねえ、どうして、
英語を勉強したのですか?
      外大を出たの? 留学とか、したの?


山田  : いいえ。とんでもない。
      私が、ガイドになろうと思ったのは、
      ここ、京都で、
タクシー運転手をしていて、
      そう、思ったのです。
      ですから、大学も出てませんし、
      留学も、していません。


ドライ
バーさん : じゃ、どうして、勉強をしたの?  


山田   : NHKの語学番組と、
       ラジオ関西の「百万人の英語」
       で、がんばりました。
 

ドライ
バーさん : そうなんだ。


山田   : そのかわり、10年かかったぞ。



    会話の途中ですが、みなさん、お戻り。
車から出て、
    ドアのいところで、出迎えます。

「ウェルカム バック」


    【帰路】


   第二京阪に向かいます。
   山田は、七条京阪で、降りて、
4時間の仕事が終了・・・・
   だったのですが、めんどうだったので、
そのまま、大阪の
   リッツ・カールトンまで、ご一緒しました。
   

   これには、ドライバーさんが、
よろこんで、くださり、
   京阪淀屋橋まで、送って下さいました。
 
   ようやく、雨がきつく降り始めました。
   お客様は、ラッキー。雨に会わずにすんだもの。

   雨とお化けとサギには、会いたくないよね。
   バイバイ

   山田 錦(ゴタ)