12月23日 (月)

【吉今旅館様より、お仕事受注。係は元アランヴェール】




  昨日は、冬至。
忘れていたので、ゆず湯も、カボチャもなし。
ああ、でも、忘れるほどに、仕事
  のことを考えるなんて、社長が聞いたら、
表彰ものだな。・・・・ん? 
社長って、ボクじゃない!

山田おんぼろ事務所社長!


     表彰状  山田はん

   あんた、冬至も忘れるアホやけど、がんばりや。
   来年もしっかりアホ道に精進しとおくれやっしゃ。
   ほなさいなら。 社長



  パンフレットは出来ているのだが、
  これをクリアファイルに入れて、配布すればいいと思う。
  どっか、安い店はないかな?
  京橋では、10枚で270円。うーん、それで、手を打つか。

  京橋へ行こうとしたとき、電話。


     「もしもし、山田はんどすか? 
      こちら、京都の祗園の吉今です。
      きょう、昼から、ガイドでけますやろか?」


     「へえ、おおきに。午後は、空いてますよってに。」


     「まだ、確実やおへんのえ。
      お客様が到着してから、ゴタはんの
      値段表をお見せして、決めたいと思いますので。」


     「へえ、かましまへんで。」


    ということで、あまり、あてにはならんが、
    クリアファイルは、京都のTAGに買いに行く
    ことにした。
    いつでも、

     「吉今」

    にすっとんで行けるように。 

  
     が、


    その前に、営業。 
    蹴上(けあげ)のウェスティン都へ。
    蹴上というのは、かつて、
    疎水が敷かれたとき、その水力で、電気を起こしたところ。
    今なお上水場である。

    山田観光パンフレットは、八千代旅館にも、配られました。
    
    そして、地下鉄東西線、烏丸御池で降りて

     TAG

    で、クリアファイルを買った。
    50枚500円なので、1枚10円。
    まあまあOK。買ったとたん電話。


吉今さん : もしもし、山田さん、お客様が到着です。
       これからガイドをお願いできますか?


山田   : はーい。20分ほどお待ち下さい。


   地下鉄東西線、三条京阪駅で、下車。
   縄手通を南へ。新門前通で、東。

   新門前通というのは
   骨董屋が並ぶ通りとして、有名。

   門前というのは、
   知恩院というお寺に対して、
   「門前」 であるという意味である。

   新門前があるということは、古門前もある。
   北に平行して東西に伸びる路地が
   古門前。
    
   ここ、縄手通り(南北に延びる路地)に関して言えば、 

   北から順に言うと、
   若松通り、古門前通り、新門前通り、新橋通り、白川南通り
   末吉町通り、富永町通り、四条通りとなる。


   さて、吉今は、新門前。
   片山家能楽を過ぎた辺り。

   訪ねてみると、どこか、見覚えのある女性。


   (はて、面識もないのに、
    知っているような気がする。
    もしかして、前世で、親子か、兄弟か、
    はたまた、愛人関係だったとか・・・)


 受付係 :  山田さん、私ね、アランヴェールホテルで、
        仕事をしていたのよ。
        よく、山田さんを呼ばせてもらったのよ。


 山田  :  ああ、そういえば、以前はよく、
        アランヴェールさんから、
お仕事をいただきました。


 林さん :  そう,だから、今回も、
        山田さんにお願いしたのですよ。

 
   
     ありがたーいお言葉です。
     人間国宝さんに認定して差し上げたい。
     アランヴェールさんからは、
     昨年春以降、仕事は途絶えましたが、
     ここ、吉今で、仕事がまた、いただけるということで、
     本当にありがたいことです。


     さて、お客様が登場。イギリスは、ロンドンから。
     でも生粋のブリティッシュではありません。
     幾分、アラブ系。

     宗教の関係で、お肉は食べないというので、
     ランチタイムがやっかいです。

     さて、ウォーキングツアー。
     ご案内させていただくクライアントは、
     アブル・ハク様2名様。ご夫婦です。  

     ランチに洋食をご希望。


山田  : どこへ、おつれすれば、いいでしょう?


お宿  : 「菊水が」いいでしょう。南座の向かいです。    


      ヾ(@°▽°@)ノ


      吉今を左に出て、縄手通りを下がります。
      (南へ行きます。)

      しばらく行くと、左手に、セブンイレブン。
      ここで、お客様、両替。
      
      円を作って、山田に先に、
      ガイド料金をくださいます。


ご主人: How much should I pay for you ?

     いくら支払えばいいの?



山田  : (The more the better・・) 

      (多ければ、多いほどいいのだが・・・)


   山田観光事務所の規約では、半日仕事(4時間以下)では、
   13000円となっています。

   さあ、正直に、13000円だと言いましょう。
   仏道に勤しむもの、正直でなければ。



山田  : 13.000 yen will do.

     13000円で大丈夫です。



   ご主人、ATMで、30000円を引き出します。
  
       
    「 全部くれるんか?」


   と、思ったら、

     ヾ(@^▽^@)ノ


ご主人 : I want make 10.000 yen sheet
       changed to smaller ones.

      10000円、潰してほしいんやけど。


   山田、レジで、両替を頼んだ。
   店員が、何か言いたそう。

   山田も、店員に文句を言いたい気分。

   無言のふたりの間では、
   次なる会話が暗黙で交わされていた。


店員  : (両替だけは、お断り。)


山田  : (それやったら、
       中途半端な ATM 置いとくな。ばかたれ。)



   が、ご主人がカミソリの刃を買うというので、
   事なきを得、無事、両替が完了。
   山田、13000円のガイド料金を受取り、
   サンキューベルマッチハート 
       
  
                      
     【レストラン菊水】

   南座の向かいに、昔からある洋食の店。
   だが、入店するのは、今日が初めてのゴタ。
   入り口で、ほんの一瞬うろたえた。
   その刹那的瞬間、山田を押しのけ、


    「レッツゴー、ミスターゴタ。
     オマエ、ナニヲ、オドオド、シテイル?」

    アブルさん、まるで、この店の常連のように、
    先に入って、奥のいい場所に
    ドスンとお座りになりました。

    ランチセットをご注文。ただし、お肉に代えて、白身魚。


アブルさん : Mr. Yamada. We'll share one dish
        with two of us.
        So please order one portion
        of this.
        And feel free to order
        what you want. We'll invite you.

        山田はん、わしら、ひとつの料理、
        一緒に食べまっさかい、一人前だけ
        注文しとおくれやすな。
        へて、あんさんも、好きなん注文しなはれ、
        おごりまっさかい。


山田    : Thank you.
 
        すんまへん。



     まったく同じランチセットを注文。

     セットに付いていたポタージュスープを見て、
     ご主人のアブルさん、それを
     別に、注文してくれ、といいます。


山田    : すみませーん。


店員さん  : はい、お伺いいたします。


山田    : ランチセットのポタージュだけ
        ひとつ注文したいのでrすが。


店員さん  : 申しわけございません。
        そのスープは、ランチセットにだけ、付いている
        ものでして、
ポタージュスープは、別注になります。


     ご主人、別注でいいから、
どうしても、スープがほしいとおっしゃいます。
     そこで、ポタージュスープの単品を注文。

     またしばらくして、今度は、
ランチセットのサラダを見て、それがほしいから、
     注文してくれ、と言います。



山田    : すみませーん。


店員さん  : はい、お伺いいたします。


山田    : ランチセットのサラダだけ
        ひとつ注文したいのですが。


店員さん  : 申しわけございません。
        そのサラダは、ランチセットにだけ、付いている
        ものでして、サラダは、別注になります。


ヾ(@°▽°@)ノ
        
  
  えーい、めんどうだ。
そしたら、ランチセットをもうひとつじゃ。



店員さん  : ランチセットを追加ですね。


山田    : そういうことですね。


    その結果、
    先に、注文した単品のポタージュスープが、邪魔者となった。

   (邪魔者は消せ。と思いはしたが、
    今更、いらぬ、とは言えず、テーブルの上で立ち往生)


  もう、しゃあないなあ、と思い、


山田   : I'll pay the wrong soup.
       このポタージュ、私が支払いします。


アブルさん: That's OK Mr. Yamada. I'll pay rightly.
        いいんだよ、山田はん。
        私がちゃんと、支払います。


       (‐^▽^‐)


    きょうのツアー、スタート時間が
    午後1寺30分だった上、
    ランチタイムに、30分も使ったため、
    現在時刻、午後2時10分。

    二条城と金閣寺はどうしても、行きたいという。
    さらに、清水寺も
    行けたら、行きたいという。


山田   : We have no time to loose.
       Let's take a cruising taxi.
       もう、時間おまへんで。タクシー、拾いまひょ。

    ヾ(@^▽^@)ノ
        

     川端通を渡り、出雲の阿国像前で、タクシーを拾い、
二条城へ、すっとんで行った。


 
     【二条城】

    1603年(慶長8年)、
  天下を征した徳川家康ではあったが、
  やはり、君主は天皇であり、
    家康は、あくまでも、臣下であった。

    家康にとって、天皇が、他の勢力と結びつくことだは、
  避けたいと思うのは、当然
    であった。


    二条城造営に当たり、家康は、
  御所周辺に目を配る必要があった。
  さらには、
    まだ豊臣家には、力が残っていた時期でもあり、
  京都の地には、監督府としての
    城が必要であった。

  完成は、1603年と書かれているが、そのころはまだ、
    二の丸周辺のみ。

    家光の時代になって、
    ようやく、拡張工事がおこなわれる。
    唐門、石垣、濠などすべて、
    家康の没後に整えられている。

    家康は、1615年の大阪城落城後、
  豊臣家が壊滅したのを見届けてから、
  その翌年、世を去った。

    豊臣家なきあとは、
    もはや、徳川家は、天下安泰であり、
    城の用もなくなってしまった。 


    家光以後、将軍が訪れることは、幕末、
    1863年の家茂(いえもち)
    (14代将軍)のときまでなく、わずか、その4年後、
    15代将軍慶喜によって、大政奉還が行われた。

    つまり、二条城に将軍が入ったのは、
    初代、二代、三代目、
    それから幕末、14代、15代の各将軍のみ。


     【式台】

山田 : This is the room called
     Shikidai no ma where a minister
      and a feudal load met.
     One of the important places
     that maintain the original design.

     ここは、式台の間、いいましてな。
     大名と家老が対面した部屋です。


アブルさん: The painting, Is that a replica ?
        絵は、模造ですか?


山田   : Until recently the painting was a real one.
         But to avoid fading,
   they moved it to a museum.
       最近まで、本物だったのですが、
       色あせを防ぐため、資料館に移されました。


(=⌒▽⌒=)
      

     二条城からタクシーで、金閣寺に行きました。
     小型で、1440円也。

     左大文字山のとなり、
衣笠山山麓にたたずむ金色の楼閣。
     仏法によれば、佛の宝殿は、金色を理想とするという。

     それが地上に出現した。

     義満在世には、仏殿、泉殿、書院、
舎利殿と渡り廊下、不動堂などがあって、
     それらを総称して、北山殿と呼んだ。

     金閣(舎利殿)が完成したのは、1398年である。
     1408年に後小松天皇が行幸。

     夕佳亭(せっかてい)は、1624年に建てられた。
     後水尾天皇行幸にあわせて。 
     ただし、現在のものは、
明治時代に建て替えられたもの。

     それでも、創建当時の、デザイナー、
     そして茶人の金森宗和の意匠はそのまま残る。


     金閣寺には、ふたりの天皇が来訪した。
     室町時代に、後小松天皇が、
     江戸時代には、後水尾天皇が、それぞれ
     行幸した、ということである。



    【石不動前のおみやげ売り場】


奥様  : I wonder if they sell a Japanese doll ?
      日本人形って、売っているかしら?


山田  : Yes, there are some.
      はい、ちょっとだけ。


      ご夫婦、赤いべべ着た女の子のお人形と、
      桃色のべべのお人形を見比べ、


ご主人 : Which color do you think is better ?
      どっちの色がいいと思う?


奥様  : Red. And you ?
      赤よ・あなたどうなの?


ご主人 : Pink.
      桃色だな。



   赤色と桃色、勝負は、赤が勝ち、お買い上げ。毎度あり~。

      ヾ(@^▽^@)ノ 


    午後からの4時間コース。
    ご案内出来る場所は、時間的に言って、あと一カ所です。

    予定では、清水寺だったのですが、
    ご主人のアブルさんが、花瓶を買いたい、と
    おっしゃるので、


       「京都ハンディクラフトセンター」


    に、行き先を変更。

    これは、足腰のあまり頑強でないガイドにとって、
    ありがたーいお話。
    たとえば、五条坂にエスカレーターが出来たような気楽さ。
    毎度ありー。


    【京都ハンディクラフトセンター・・・ひとよんで、ハンクラ】


     もと、JTBツアーのステーションだったハンクラは、
     東日本大震災以降、
     ツアーが減り、
     ステーションを、平安の森ホテルに譲った。

     平安の森ホテルも、ヒマになって、ステーションを返上。
     
     かくも、ツアーが激減したのは、
     英米人観光客が激減したのに、比例する。
     先日、ニュースで発表されていたのだが、
     海外からの旅行客は、過去最高
     なんだとか。

      「ええかげんなこと言うな!」

     と、怒鳴りたくなるが、

      「東南アジア系」

     お客様が増えたのは、事実。
     これまでの、山田の受け持ちも、
     ほとんどが、東南アジア。


     ヾ(@^▽^@)ノ

     さて、ご主人も奥様も、
     東館3階から、動く気配はありません。
     よほど、ここが、お気に入りのご様子。

     結局、ここで、時間めいっぱい、お使いになって、
     祗園のお宿、「吉今」にお戻り。


       「明日も来てくれ。」


     と、おっしゃいます。


       「明日は、先約の仕事があるから、だめだ。」


       「それは残念だ。
        きょう、行けなかったところなど、
           案内してもらいたいのだが。」


       「じゃあ、ピンチヒッターを探してみましょうか?」


       「たのみます。」

      
     こうして、明日の便宜を図って、ツアー終了。
 

     明朝は、午前9時30分のお迎えということを、
     ガイドさんにお伝えして、帰宅。
     大阪の我が家に戻りました。


        おしまい
        山田 錦(ゴタ)