12月21日 (土)

【カンラ様より、お仕事受注。ディープなツアーを!】




   昨日、京都のカンラから電話。曰く、


   「奈良の観光ガイドは出来るか?」


   答えて曰く、


   「そら、できますがな。だって、プロのガイドだもん。」


 
   ならば、明日は、JR奈良駅に迎えに来い、とのこと。


    ヾ(@^▽^@)ノ富士山

   でもって、一夜明けて、朝。ここは、JR奈良駅改札前。

   ここに、午前9寺30分集合とのことでしたが、


    「だあれも、来ないじゃない。」



   本日、お迎え予定のお客様は、リチャード・レーマンさん。
   男性おひとり。
   ご案内は、奈良市内の8時間観光。

   電光掲示には、次の都路快速は、9時57分。


    「やれやれ。」


   と思った瞬間。お客様です。


リチャードさん: Good morning. Are you Mr. Gota ?

         おはようございます。ゴタはんでっか?



山田     : Yes, I am.
         へえ、そうどす。

    ネコ   


   きょうのお客様は、久々のアメリカ人。
   ワシントンDCのご出身。

   駅、空港、観光地でのミートでは、
   山田観光事務所の規則により、ご依頼の
   お客様(クライアント)のお国の国旗(手旗)
   をもって、お出迎えします。
 
   本日の手旗は、星条旗。


   フラッグ


山田 : So, Washington DC !
     Then have you met President Obama ?
     そうなの?
     じゃ、オバマ大統領に会ったことは?


リチャードさん: Yes and no.
         イエスでもあり、
         ノーでもあり、ですかな。


山田     : What do you mean ?
         わけ、わからんがな。
  

リチャード  : I met him before he became President.
さん       I met him when he was still a senate.

         オバマが大統領になる前やけど、合うたわ。
         オバマがまだ、上院議員やったころや。


山田     : Great.

         すげえじゃん。


    JR奈良駅の真ん前、厳密にいうと、
    駅舎の北東角に、奈良市観光案内所
    があります。ここは、ゴタの根拠地。
    たとえば、阪神タイガースの根拠地が

    甲子園球場であるように、
    ゴタのホームグランドは、ここ、奈良市観光案内所
    と、三条通りの奈良市観光センターである。

    もちろん、そのどちらにも、
    ゴタ観光のパンフレットが置いてあります。
    
    さて、観光案内所で、
    英語のシティーマップをもらって、
    きょう、これからの、観光
    コースを組みkたてます。


山田  : Because we are now standing near
      the Sanji street, why don't we go
      first to Naramachi old town ?  
    
      今、三条通りなので、
      ならまちを先に行きませんか?   
      


リチャードさん It's up to you.

        あなたに、おまかせだよ。


     ペンギン


      三条通を、東に歩きます。
      奈良では、東といえば、若草山の見える方角。

      若草山とは、登大路に立って、見渡してみて、
      黄色くなっていて、木々が
      なく、一面野原になっている山。

      登大路という道路が
      わからない方のために、ご説明しますと、
      近鉄奈良駅をひょろりと、出てきたところ。
      この大通りが登大路。

      三条通は、その登大路から1キロほど南で、
      東西に平行して走る道。


      JR奈良駅から、三条通を、東に歩きます。
      真っ直ぐ行けば、猿沢の池の方に出ます。
      その左が、興福寺です。

      きょうは、まっすぐ行かず、
      手前の商店街を右に(南に)入ります。


      商店街は、三条通より、南が、 

       「もちいどの商店街」 

      と呼ばれ、
      北は、

       「ひがしむき商店街」

      と呼ばれます。

      「もちいどの商店街」をどんどん南に。
      やがて、そのまま、ならまちに 
      入ります。右手に、毎度おなじみの

        「あしびの郷」

       左は資料館。さらに南へ。そして、左に曲がって、


        「庚申堂」


       お庚申様でございます。


山田  : We are said to have thgree worms called
      Sanshi no mushi in the body.
      The worms are believed to get out
      to the heaven to report evil deeds
      we committed during 60 days.

Yes, the worms go to the heaven
to report to gods every 60 days.

In Chinese calender,
Koshin Day comes around every 60 days.
It's this day the Sanshi worms
get out of our body.

By hanging Koshins from the eaves,
we can escape the penalty the heaven gives
us. The koshin serves as a scapegoat.

      我々の体内に虫がいましてね。
そいつが、60日間の我々のなした悪事を天に
      報告に行くのです。

      はい、60日ごとに、
      その虫は、天の神様に面会に行くのです。

      中国の暦では、60日は1サイクルで、
      庚申の日に虫が出ていくと
      言われています。

      それで、御庚申さんを軒に吊して、
      身代わりになってもらうのです。    



リチャ
ードさん: Are these Okoshin san ?
      What are these modeled after ?

      御庚申さんって、これでっか?
      何を真似て作ってまんねん?



山田  : They are monkeys.

      お猿さんです。


リチャ
ードさん: Oh, alright.

オッケー(納得!)



山田   : The heaven god decides our longevity judging
from what the Sanshi worms report.

その虫の報告に従って、
天は、我々の寿命を決めるのです。


       So, we make it a rule to be awake
  all night on the Koshin day
so that the Sanshi worms do not
get out of the body.

Some of us eat
devil's tongue jelly called konnyaku.

The Sanshi worms are derived
from Chinese old religion called
" Taoism".
And the Sabshi worms dislike that konnyaku.

Even so with all theses ewfforts,
sometimes the Sanshi worms
escape our surveillance and go
to the heavenly god and tell
our crimes.

Hoping that the Koshins act
as substitute we suspend the Koshin san
from the eaves in case the worms escape.
      

なので、庚申の日には
寝ずの番をして、虫が体から抜け出ない
       ようにするのです。

コンニャクを食べる人もいまっせ。
その虫はコンニャクが大嫌いなので。

       でも、そんな努力をしても、
虫が抜け出してしまったときのために、
       御庚申さんを吊すのです。



    【ならまち格子の家】


   虫小窓の、典型的な町屋作りの家が、公開されています。
   ここは、靴を脱いで上がります。

   四畳半の間と奥の部屋は、六畳。
そこに床の間があって、縁側の先は、坪庭です。
   さらに、廊下で、奥へと続いています。


山田 : This is what we call
     tsubo-niwa or pot garden.

これは、坪庭ていいますねん。


リチャードさん: Pot garden ?

      坪庭でっか?


山田 : Yes the pot is a unit to measure the space.
One pot is a space for two tatami mats.

     さよだ。坪ゆうのんは、広さの単位ですわ。
一坪で、畳二畳分の広さですわ。

    (-^□^-)


   土間に降ります。


山田 : Let's get down to the earth floor.
This is a kitchen range into which firewood
is set.

土間に降りましょう。竈ですわ。中に薪くべますねん。


And for water, there is a well there outside.

     水は、外の井戸を使うてましたんや。



   【元興寺】

  ならまちの中にある古いお寺。
588年、蘇我馬子が、飛鳥に建てたお寺なので、
  古いこと、この上なし。

  都が平城京に移されたとき、
このお寺も、こちらに移りました。

ただ、飛鳥にあったころの
  寺院の名は、飛鳥寺でしたが。

    
飛鳥寺 s右矢印 元興寺

    _ よろしいですか?試験に出ますで。

 
    _ え?何の試験?


    _ 奈良検定。


    _ そんな試験ないで。うそゆうたらあかん。 
    

 
    【チャート式 奈良 (山田錦出版) 著者 山田錦大先生】


   1: 飛鳥から平城京に移り、名を変えた寺


     飛鳥寺右矢印元興寺
     大官大寺右矢印大安寺
     

   2: 飛鳥から平城京に移ったが、名前を変えなかった寺


     薬師寺右矢印n薬師寺

  
ヾ(@^▽^@)ノ

   【興福寺】

   
   ならまちから歩くこと数キロ。興福寺にやって来ました。

   猿沢の池は、その昔、
興福寺建立のとき、敷地内の池を埋め立てるとき、
   魚の命を救うため、新たに作った人工の池です。

   猿沢の池から石段を上がり、興福寺の五重塔に着きました。


山田 : The is the five -story pagoda
with the height of 50 m.
This is the second tallest building in Japan.

  高さ50メートルで、
日本で二番目の高さの五重塔になります。



リチャードさん: So? What is the tallest pagoda in Japan ?
         そうでっか。 ほな、一番高い仏塔は?


山田     : It's a five -story pagoda in Kyoto.

         それは、京都にある塔でしてな。


         And it belongs to a Shinmgon sect
of Buddhist temple called Toji temple.

         東寺っちゅう真言宗のお寺の塔ですわ。

  
ヾ(@^▽^@)ノ

     リチャードさん、それを聞いて残念そう。

     そこで、両者、その差は、
わずかに、5メートルだと言って、慰める。

         
山田     : So it's still worth while to see.

         だから、見る価値あると思うよ。   


     【国宝館】


     久々に興福寺の国宝館に入ります。
     ただし、ここで、ゴタが、
まともに説明できるのは、阿修羅像だけだぜ。
     どうなりますことやら・・・

     ガイドは、入場無料なのは、いいが、
説明書をくれないから、いっつも、
     うっかり勉強をする機会を失うのである。誰の責任じゃ。
     責任者出てこい・・・・
ハイ、ゴタでございます。すみません。


山田  : This boy is Ashura.
A king of a world called Shura World.
The Shura World is believed
to lie under our world.

In the world people fight each other.      
     

      この少年が阿修羅です。修羅世界の大様です。


       と、

      言ってはみたものの、この阿修羅像は、
まだ少年です。王様ではなく王子さまかも。
      いや、もしかしたら、少女かも知れない。



      【東大寺へ】


  興福寺、国宝館を出ますと、いよいよ、東大寺です。
すたこらさっさと歩きます。
  背の高いアメリカ人と一緒に歩くと、どうなるか。

山田がときどき遅れを取り戻すため、
  小走りになる。

    「あ、忙し・・・」

  短足のゴタは、とても忙しいのです。

  大仏殿参道には、鹿がいます。
       
  でも、リチャードさんは、無関心。大仏殿を目指します。


山田 : The Todaiji temple was built
in 752 AD shortly after old Nara was
established in 710 AD.
 
     東大寺は752年に出来ました。
奈良が出来たすぐ後のことです。


リチャードさん: Who established Nara capital.

奈良を都に制定したのは、誰ですか?



    忘れました。でも、何か、答えなくちゃ!


      「どないしょ?何か答えなあかんし。困った!」


   困ったときの神頼みを、
   瞬時にして、瞬時に叶うほど、
   山田の信心は深くない。
   とりあえず、聖武天皇だと答えておいた。

   あとで、調べたところ、元明天皇だった。


   日本中の歴史学者先生!
   お願いがあります。
   平城京を造営した天皇を、

   「聖武天皇に、変えてもらえませんか?」


    (;^_^A  (//・_・//)   (・・。)ゞ

   大仏殿の見学が終わった時点で、


     「二月堂の方に行きますか?」


    と聞いて見たが、


     「あんたにお任せするよ。」


    と、下駄を預けられた。
    かくなる上は、ゴタ厳選、奈良観光ツアー。


    と、決意を自分に言い聞かせているところに、



     「でも、その前に、お昼しましょうよ。
      どこか、いいところに、連れて行ってよ。」


    
      
ナイフとフォーク

   お昼のいいところって、どこさ? 聞いて見ると、



       「うどんが食べたい。」


   とおっしゃいます。


   そう聞いて、


        ラーメン


 
    と思ったが、何食わぬ顔で、
    ならまちの 「あしびの郷」 に決めた。



    タクシーで、さっきの、ならまちに逆戻り。
       
    
    うどんなら、「あしびの郷」 に、うどん定食あり。

    お経文を唱えるかのように、ひたすら信じて、

     「ならまち」 

    に舞い戻りました。


    果たして、「あしびの郷」 は営業中。


     (#⌒∇⌒#)ゞ
       

    しかし、今思えば、こんなのガイド生落第。

    まず、移動する前に、営業しているかどうか
    確認の電話を入れるべきでした。

    たまたま、営業していたから、よかったものの、
    これが、実技試験なら、失格。

    もしも、休みだったら、

     「奈良なごみ館」 

    と言う手もあるのだから。


    寡黙なお客様、ここの、「うどん定食」 を食べて、
    ようやく、ごきげんになられたようです。

    まず、ごはんが、素朴ながら、うまい。
    うどんの出汁は、関西風、うすあじ。

    お漬物は、もともとがここは、お漬物屋さんなので、
    あっさりしていて、食べやすい。

    うどんは、山菜うどんで、ヘルシーメニュー。

    ということで、しっかり、点数を稼ぎました。

    午後、山田はてっきり、
    法隆寺に移動するのだろうと思っていたのですが、
    まる1日、奈良市内を観光すると言います。


    (えー?まる1日だって?)

    そんなディープな知識は持ち合わせていません。

    浮御堂や大極殿に行くなど、
    まあ、ネタは、それなりにあります。

    が、


    きょうの、お客様は、質問も、
    一般のお客様に比べて、しっかりしてる。
    英語でいうと、 to the point である。
    要点を濁すと、すかさず、質問が
     返ってくる。

     ヽ(゚◇゚ )ノ

     来るくる 返ってく~る~ ムード し つ もん~


     
    【春日大社】

    山田、失敗。タクシーを拾うべきでした。
    45分歩いて、ようやく境内へ。

    ここは、藤原氏の氏神なので、
    その同音語(hononym) である藤がこの神社の花
    なのだそうです。

    季節外れであるが、巫女さんの髪飾りには、
    みんなこの藤のかんざしが使われています。


    【唐招提寺へ】


    ここと、薬師寺で、
    きょうは、おしまい、と読んでいました。
    プロの棋士なら、読みが
    優れているから、当たるものだが、
    山田の場合は、いかがでしょう。

    まあ、先に答を言いますと、はずれ。
    ここが最後になりました。


    薬師寺は、古い方の塔が工事中で、
    見ることが出来ず、お客様の関心から
    外れていました。


    なので、鑑真和上ゆかりの唐招提寺が、
    本日の最終訪問地です。

      

      【唐招提寺】

    754年、聖武天皇の招待で、鑑真が来日。
   
    まあ、この来日までが、
    大変だったわけですが、5回の渡航の失敗を乗り越えて
    やって来てくださった、ありがた~いお方です。

    この人のおかげで、僧侶になる、
正式の資格付与が行われたのです。

ただ、高い拝観料金に比べて、
見るところが、少ないため、一般観光としては、
    ご不満かも知れない。


   その分、ガイドの腕が試される、
プロフェッショナルコース。ゴタには、荷が重すぎた。
   
    さて、帰りが、おどろき。
京都と違って、タjクシーは待機していません。

   売店(キトラ)で、タクシーを読んでもらう。
待つこと10分、タクシーがやって来た。
   3ナンバーの大きなタクシー。
お値段が心配だったが、意外と安く、1600円ほどで、
    JR奈良駅に到着。

    午後3時30分。JR奈良駅構内で解散。 
    ガイド料金は、8時間で20000円と言っていましたが、
6時間で終了したので、18000円
    を請求。

   ザッツ オーケー、と言って、
そのまま、20000円いただきました。

    拙い案内でしたが、それなりに、ご
満足いただけた印でしょうか。
    リチャードさんは、京都へ。
ゴタは、大阪へ、それぞれ、帰っていきました。


   おしまい
   山田 錦(ゴタ)