9月13日(金)

【某ロシア系旅行会社から、トルコ系女性2名】




 さて、本日は、何と、
 ガイドの大先輩からの仲介仕事。

 ちょっぴり、興奮気味で、駅へやってきました。
 京都駅。毎度おなじみの、八条口。


  【八条口、午前11時40分】


サンディ先輩 : あれ、ゴタちゃんじゃない。どうしたの?


   ゴタ、というのは、私、山田のニックネームです。



山田     : どうしたのって、仕事じゃないですか。
         仕事。ちゃんと、やってんですから。


サンディ先輩 : そう?車は?


山田     : もう、サンディさんに、
         白タクゆわれたらあかんから、
         きょうは、チャーター。


サンディ先輩 : え?ハイヤーなの?


山田     : わはははは。どうだ!こういう日もあるのだ!


   このとき、サンディさんのお客様が現れ、ご出発。

   ボケには、突っ込みがないと、
   ほんまのアホになってしまいます。
   あほで、合うてますけど。


    ヾ(@^▽^@)ノ


    【20分前。いよいよ、新幹線のホームへ。】

  13番プラットフォームへ。
  お迎えの「のぞみ」は、12:28
  只今、時刻は、12:18。
  
     「どんな人かな?」

 指図書には、Ms.BABAYEVA AYTAJ + 1PAX

 となっています。
 これで、2名のお客様という意味になります。
 うち、1名は女性です。
 もう1名は、性別不詳。

   12時28分。

 入って来ました。新幹線。止まった。ドアが開いた。さて、

 ゾロリ、ゾロリと出てくるお客。


 「あっと、見つけた。あれだ。あの東洋風の女性2名。」


  向こうも、ゴタを見つけました。


向こう : ハーイ


こっち : ハーイ。 
      I 'm your tour guide today. Nice to meet you.


向こう : I'm 何とか、かんとか、ペラペラペラ。



山田  : 何か、よく聞き取れないが、
      オー、イエス。ザッツ グッド。

  
   ええかげんなガイドで、申し訳ない。
   アユタージュ様は、姉妹で、ご旅行です。
   眉毛が濃く、トルコ風の、異国情緒あふれる
   女性です。

   国籍は、アゼルバイジャン。
   首都は、バクー。カスピ海を臨む国です。
   ・・・・と、調子よく書いているが、
   山田も、よく、場所がわからないので、
   今、地図を見ながら、書いています。


   車は、何と、山田の前職場、ヤサカヤクシー。
   どっこいしょと、荷物をトランクに積み込みます。
   
    OK。

   ドライバーさんのお名前は、プリンプりンさん。
   さっそく、スタートです。
   レッツゴ~~~~ン


   【日程によりますと・・】


   日程は、このあと、京都観光です。

   指示書によりますと、


   《 金閣寺~二条城~清水寺~ホテル送り 》


 この日程表を見て、京都地理に詳しい人は、必ず、1番に、


     「二条城」


  を選ぶ。なぜなら、二条城のパーキングは、
  堀川通りを御池から北上しなければ、
  入れないことと、清水寺を先に行くと、
  お土産売り場で、時間がかかりすぎて、あとの
  調整がしにくくなるからだ。



   まあ、そういうことで、

    「二条城」 

   を先に行く旨をお客様に伝えます。


バベーヤ
(姉)さん: Does that castle relate to ninja ?
        それって、忍者と関係がある?


山田   : No, not particularly.
        いや、そんな関係というようなほどのことは・・

  
バベ-ヤ
さん   : Oh、Okay. 
       そう、いいわ。


    【二条城】

    山田、4年間のガイド業で、はじめて、新記録。
    このお城をたった、20分間で、出てくるとは!


山田    : This room is called "Tozamurai room"
        where visitors were led as a waiting room.
        ここは遠侍(とおざむらい)の間で、
待合室の役割・・・


バベーヤさん: Go ahead, Mr.Gota
        In this room , there's nothing to see.
        次、行きましょう。
        だって、何も、見るものがないじゃない。


山田    : This is what is called a reception room,
        or shikidai-no-ma-room
        where a lot of gifts from Daimyo,
        or feudal loads who
        would like to see Shogun・・
        
  ここは、式台の間、つまり、受付だったところで、
   将軍と謁見を求めた大名たちが
    贈り物を手渡した場所で・・・


バベーヤさん: Let's go next !
次、行きましょう。


山田   : This is o-hiroma, or the big room
where a historically famous event was held.
       The event was so called "
declaration of restoration of
a reign of government to
the Emperor.  It was in 1867 that・・  

ここは、有名な場所で、
大政奉還が行われた場所で、1867年に・・・


バベーヤさん: Go, skip.
行こ。(おもんない!)


アイーシャさん: Mr. Yamada, why the tape
         repeats the shelves there.
         山田さん、テープ(の案内)どうして、
あの棚のことばかり言うのさ?


山田     : That shelf ? It's called staggered shelves.
Very symbolical of aristocratic style
Even the shogun felt prestige toward
that kind of shelves.
         ああ、棚ねぇ。あれは、違い棚といって、
書院作りという貴族スタイルの部屋の
         象徴なのです。将軍さえ、貴族にあこがれたわけで、・・


バベーヤさん : Okay. Let's go next.
        ああ、わかった。次行こ。次。

 
山田     : Wait a minute, please !
Look at the panels there.
There is a hidden room
behind the panels.
Inside of it,
several samurai warriors hide themselves
for security.
ちょっと、待って。あのふすまをごらん下さい。
ふすまの向こうに、隠し部屋があってね。
護衛のさむらいが、隠れていたんです。


バベーヤさん : Alright. Let's go next.
         はい、じゃ次、行きましょう。



山田     : (ガックリ) (負けそ~)



山田    : This is black study room, one of rooms
used as a conference room.
ここは、黒書院と言って、
会議などの、ここで行われました。


バベイヤさん :Let's go next.
         はい、次。


山田     : Let's go next..


         (私は敗北者)


    ヽ(゚◇゚ )ノ


    【庭を見ませんか? 見ません!】



  二の丸御殿の見学は、わずかに、10分程度。
新記録がでました。
  この最短時間は、


「4時閉門なので、お急ぎ下さい。」


といわれたときよりも、まだ早い。

  金メダルを差し上げたいと思います。(あればネ)


山田  : Just take a little look at the garden.
ちょっと、お庭を見ましょう。


バベーヤさん:No, Mr. Yamada Let's not.
No shadow at all there in the garden.
だめよ、山田さん。
だって、庭って、影がないから、やめましょう。


    と、いうことで、直行で、戻ります。
    かくして、新記録樹立!約17分。
ドライバーさんも、びっくり。




. 【次は、金閣寺だけど、】


山田  :  We are going to Kinkakuji Temple.
Famous for its golden pavilion.
        金閣寺に行きまっせ。金閣で有名な寺です。


アイー
シャさん : No no we'd like to see a theme park.
       だめよ。テーマパークがいいわ。


      (あるか。そんなもの、京都に。)


山田   : Sorry to say, there's no such in Kyoto.
すんまへんなあ。
そんなん、京都にあらしまへん。



   これを聞いていたドライバーさんは、


ドライ
バーの
プリンさん : そしたら、山田さん、映画村はどうですか?



    山田、びっくり。だって、
このドライバーさんは、
    英語がわかるんでしょ!いややわん。
    まあ、そう、この場合、
    映画村、というのは、ベリグー。
       


山田  : How about a movie village ?
  映画村はいかがですか?


アイーシャ
(妹)さん :What's that ?
       何、それ?


山田   : A kind of theme park centering on
  the movie or cinema.
  There are location settings, theater    

  テーマパークみたいな所で、
 映画がそのテーマになってます。


バベーヤ
(姉)さん: I don't understand well.
Can you be more specific on that ?
       ようわからんな。
もっと、よう説明しておくんなせえ。


山田   : The cite is owned by a big movie company
  called " Toei film company".
  The neighboring zone is now actually
  used as a film studio.
 And if you are lucky,
  you might as well come across
  some of famous actors and actress.

      そこはね、東映ゆう映画会社の所有地で、
隣のゾーンには、実際の撮影所
      がありますねん。運がよければ、
有名な俳優さんや、女優さんにも会えますで。


ドライ
バーの
プリンさん: ガイドさん、ちょっと、言い過ぎでしょ?
そんな簡単に俳優さんに
       会えるなんて、ゆうたら。


    山田、このとき、ぞっと、背筋が震える。(何、この人?!)
    会話は筒抜けです。
そして、ドライバーさんは、会話に入り込み、


プリンさん : Not so many actors and actress
come to get film taken.
Only a few drama shootings
are sometimes taken.
But they are not open to public.
       そんなに、俳優さんや、女優さんは、
撮影には来ませんで。
       いくつか、ドラマは、撮影されてますけど、
一般公開ゆうわけではありません。



    ドドド ドッカ~~~ンと、山田ロケット発射。

     (な、なぬ~?! この人、英語しゃべるやん。)

     何が困るゆうても、ガイド本人をホローしてくれるのは、
ありがたいが、
     こちらの存在意義がなくなる。
商売あがったり。店じまいせな。
     案の定・・・


バベー
ヤさん : Oh wonderful.
      He knows English far better than you.     
あらー、こちらの方、あんたより、ずっと、
英語出来るじゃない!
      よくご存じで、まあ。


山田   : (いや~~ん。)



    穴があったら、どっか、入りたい。
    穴を求めて、ひとりゆく・・ことも出来ず、
そのまま、4人は、太秦の東映村に
    行ったとさ。



プリンさん: そしたら、山田さん、私は、向こうの、
離れた場所のパーキングで、待機
       していますので、出てくる5、6分前にお電話下さい。



山田   : はい、わかりました。

バベー
ヤさん : はい、わかりました。


山田   : Oh, you speak Japanese ?
え?え~? しゃべるの? 日本語。


バベー
ヤさん : 少し、勉強します。


山田   : (あー、よかった。へんてこな日本語で。)
Wonderful. いいですねえ。
         


  ヾ(@^▽^@)ノ


    エージェント・・・(は、休みとは知らず)
と思われるコーラスツアーのマリアカラス
    さんに、連絡。 
お客様の都合により、行き先変更。
入場料金は、誰が支払うか。

    返ってきた答えは、お客様が、支払う。
ガイドの分も支払う。以上。



バベー
ヤさん: Is it against stipulation
     if you stay in the car ?
     あんたさ、車で待ってたら?
     規則で来なくちゃだめ?



  窓口では、ガイドは、無料で入れるという。
たすかった。
  そら、お客は、それでいいが、やはり、こっちとしては、
  エスコートの責任があるぜ。お嬢さんがたよ。

    カメラ

  映画村には、スケジュール表があって、
この日は、午後2時から、
  アトラクションシアターで撮影紹介があります。 


山田  : Ok.It looks in this way. Let's go.
      こっちだな。行くぜ~。


アイー
シャさん : Are you sure this time ?
       こんどは大丈夫なの?


バベー
ヤさん : Are you sure ?
たのんまっせ。


山田   : Sure.
まかせなはれ。


   午後2時。なんとか、間に合いました。
   時代劇の撮影紹介です。

   舞台には、解説者兼監督が立っています。
忍者もいます。そして、新撰組も。

   客席と舞台の間に、
   照明と効果音の席が設けられています。
  

   観客席には、 お客さんが他に大勢いらしゃいます。
   なので、姉妹には申し訳ないが、
   通訳は、要所だけ、ポツリ。

   二階から忍者が矢を射るのですが、
   ピアノ線が沖田総司のいるとことまで、
   ピンと張られています。
   矢は、それに沿って進みます。


山田 : There's a fine thread is tight
      between the veranda and the wall down there
     near him Okita Soshi, a member of Shinsengumi.
     二階から細い糸が下の壁に向かって張られています。
     その男の近くまで。
     

     舞台の解説者は、簡単に、新撰組というけれど、
     こっちは、そうはいかない。
     新撰組って、何や?聞かれたら、こっちがパニックや。


   約15分でおしまい。

     ヾ(@^▽^@)ノ


    映画村を巡り歩きます。ただ、


アイー
シャさん : Yamada san. Let's walk in the shadow.
       We hate ultra violet ray.
       山田さん、日陰を歩いてよ。
紫外線がいやなのよ。


山田   : (あるか!日陰なんか!) 
        Would you be patient till
        we get to that building ?
        がまんしてよ。あの建物まで。


建物の中に、写真撮影スタジオがあります。
誰でも、お姫様や、舞妓さん、芸子さん
  に、変身可。

約10000円の化粧+貸衣装+着付け料金。

これに5000円ほどの写真
  代。アイーシャさんがお姫様になりたいと言います。
所用、約40分。

 バベーヤさん、承諾。
待っている間バベーヤさんは、写真撮影。

山田、あくび。


バベーヤさん: Mr. Yamada。
        You can go away till she makes all up.
        山田さん、どっか、行ってきていいわよ。   


     ヽ(゚◇゚ )ノ

  どっか行け、ゆわれても、映画村の中、
行きたい場所なんて、どこにも・・・ある!
  食堂に入って、カレーを注文。
だって、お客様、食事抜きでも、元気はつらつ。
  山田、かないませぬ。

  その後も、時間つぶしで、あっち、うろうろ。
こっち、うろうろ。

     ヾ(@^▽^@)ノ


  やがて、40分が経過。写真スタジオに戻ってみた。


山田  : Oh, OHimesama.
      あ、お姫様だ。

バベー
ヤさん : Yeah、Aisha. 
You look charming in that attire.
      ホント、アイーシャ、あんた、
そうしてると、きれいだわ。

(#⌒∇⌒#)ゞ


   これからスタジオで、
プロのカメラマンによる写真が始まります。
   山田、注文を付けます。



山田 : 何か、小道具を持たせてあげて下さい。
     扇子とか。


         
   実はさっき、扇子を買ったのです。
でも、それは、おみやげなので、車の中。
  
        

カメラ助手: この扇子でいいですか?


山田  : いいじゃない。
あんた、いいセンスしてるよ!


  アイーシャさん、今度は、胸の前で扇を広げて、
にっこり。芸術だぜ。わお~ドキドキ


  さて、写真撮影終了。
  この姿で、練り歩きOKなのですが、アーシャさん、


  「どこへも、行かないわ。」


  もったいない。行けばいいのに。

  ああ、たった、15分のお姫様。
  
  たとえば、セミが何日も、土の中で暮らし、
  ようやく、セミになったら、
  3日で死んでしまうように。


   美人短命とは、よく言ったもの。
   この世に生を受け、たった15分の姫。

   王子さまが、現れたらよかったのですが、
   山田では、役不足のようで。


   さて、只今、時刻は、午後4時ちょうど。
   着替えたら、急ぎ足で、車に戻ります。



プリンさん : 何とか、金閣寺は、間に合うでしょう。
        行ってみましょう。



    【金閣寺】


   やっぱり、京都観光で、ここをはずすと、あきまへんで。

   京都といえば、金閣寺、舞妓はん、
   五重塔、大文字、このよっつは、
   サイフの中のお金にたとえると、

   10000円札と、5000円札と1000円札と、
   ・・・もっかい、10000円札みたいなもの。
   これを抜けば、あとは、小銭がじゃらじゃらするだけ。

   英語でいうと、 MUST (行くべき場所)なのである。


   さて、パーキング入り口で、非情のお告げ。 


    「5時閉門ですから、必ず、5時までに。」


山田 : 5時までに、金閣寺を出て、石不動に移動します。



係員 : ちがう、ちがう。5時までに、
     ここを出てください。門を閉めてしまうのです。


山田 : うーん、やっぱり?


係員 : 厳守ですよ。 ヽ(`Д´)ノ



   お茶 お茶も、おちおち飲めねえぜ。


   大急ぎで、入場券を買います。
   ただし、ここは、入場券とは、口がさけても言わない。
   あくまでも、我々は、お寺参りに来た、ご信者さん。
   奉納して、お札をいただいた
   のです。

   ところが、意外。あの、バベーヤさんも、
   アイーシャさんも、大事そうに、
   そのお札を持っています。


    「へー?意外。」


  金閣寺を目の前にして、おふたりは、感嘆。


アイー
シャさん : Beautiful ・・
       きれいだわ・・・
      

山田   : Yeah as beautiful as eve.r
       as beautiful as you・・・
               (あ、歯が浮いた。)
       きれいですとも。この上なく。
       あなたのように  
                (言い過ぎた。)



アイーシャ ; Thank you.
        ありがとね。



    まあ、彼女たちの名誉の
    ために言うが、たしかに、べっぴんさんです。
    鼻筋が通っていて、高く、
    髪は、潤んだ黒で、肌は白。




    【清水寺の閉門は午後6時。どうする?行ってみる?】



バベーヤさん: No, we won't.
        Let's go instead to Fushimi Great Shrine.
        行かないわ。伏見稲荷がいいわ。


山田    : Good place to see.
        いいとこですよ。


バベー
ヤさん   : Yeah, judging from the picture
on this page.
        そうよね。このページの写真で見ると。    



    バベーヤさん、京都特集の雑誌を山田に見せます。



山田    : Then let's go.・・・・で、
        いいですよね?プリンさん?



プリンさん : いいですよ。うちは、契約は、
        午後10時までなので、今から、比叡山でも
        大丈夫です。


山田     : ひえい・・・ヒエーヽ(;´ω`)ノ 
        私は、契約が午後8時までなので、
      伏見稲荷のあと、食事したら、
もう、終わる時間になりますので、よろしく。   

      
    ヾ(@^▽^@)ノ


    【伏見稲荷】


    1000本鳥居に行くというのが、彼女たちの注文。
    
     「では、参ろうぞ、姫。」


    師団街道を下がります。
    
    しばらく、進んで、そのあと、なかなか動きません。
    夕方のラッシュアワーのようです。

   
    
    大社前の信号機で、下車。


山田    ; じゃ、プリンさん、私たちは、
        ここから歩いて、
  伏見稲荷に行きますから、参集殿
        の駐車場へ、回送お願いします。


プリンさん: 了解しました。



   【千本鳥居】


  手水舎も、本殿も、パス。
  東大一直線がごとく、千本鳥居へ一直線。

  ここで、バベーヤさん、
 
   「さゆり」

  を映画で見て、感動したと、激白。


山田 :さよか。


   知らない山田は、つれない返事しかできず。
   申し訳ない。ツタヤ行ってきます。



    つづく