2013年 2月6日(水)

【サルサは踊れませんなあ。すんません。】 



   電話が鳴ります、私のラバさん~酋長の娘~


電話   :  もしもし。山田さんのお電話で
        よろしかったでしょうか?


山田   :  はーい。


コンシェ :  お世話になります。
ルジュさん   こちら大阪のANAクラウンプラザですが、
        明日、ガイドをお願いしたくて・・・


山田  :  ああ、すみません。せっかくですが、
   明日は、先約が入っていまして、
        お受けできるのは、
        きょうか、9日、になります。


コンシェ :  ボソボソボソ・・・・
ルジュさん       
        (何やら、近くにご依頼者の外国人が
               いらっしゃるようです。)

        失礼しました。
        それでは、きょう、
午後4時からっていうのは、
        大丈夫でしょうか?


山田   :  はい、大丈夫です。
        では、午後4時にお迎えに上がります。
        タクシーを手配しておきましょうか?


コンシェ
ルジュさん:  いいえ、お客様は、観光ではなく、
日本語を矯正してほしい、とのこと
        なんです。


山田   :  え?えー!?
        日本語?矯正? 何のことでしょ?

コンシェ
ルジュさん:  はい。お客様はアメリカ人女性で、
どうしても、即席で日本語を勉強
        したいとのことで、特訓してほしいと、
おっしゃっています。


山田   :  すみません。まだ、
       どういうことなのか、
       よくわかりかねます。
       もう少し、詳しくお聞かせ願えます?

コンシェ
ルジュさん: はい。彼女は、
       スケートのコーチをしていて、
       その教えている人たちが
       全員、日本人なので、
       簡単な挨拶などを
       日本語で言えるようになりたい
       と、おっしゃるもので、山田さんなら、
       やっていただけるかと、思いまして。


山田  :  うーん、このごろ、
       講師役の仕事が、よく入ってくるなあ。
       わかりました。
       では、とりあえず、4時に参ります。

  
             
           ヾ(@°▽°@)ノ 


    と、いうわけで、
    何だか講師にしては怪しげなゴタは、
    ANAクラウンプラザホテルに、
    いそいそとやって来たのでした。


  【午後4時】


バレン
チナさん : Hi. Pleased to meet you.
       I 'm Valentina.
       どうも。すみませんね。
       私、ヴァレンチナといいます。


山田   : Good evening.
I 'm Gota. Nice meeting you.
       ああ、どうも。ゴタです。よろしく。


ヾ(@°▽°@)ノ

  さっそく、ホテルから出て行きました。
  日本語のレッスンなんですって。
  そしたら、天神橋商店街でも歩いて、
  お店を片っ端から、
  冷やかして廻るってのは?

  そんなことを思い描きながら、
  とりあえず、梅田をめざし、歩いてきました。


  第三ビルまで、来たところで、

  ヾ(@^▽^@)ノ


バレン
チナさん : Oh, Is this building
the Sky Building ?
       あら、これが、スカイビルかしら?


山田   : No, I don't think so. 
       Would you like to enter
this building anyway ?
       ちゃう思いまっせ。 
けど、入ってみまひょか?


バレン
チナさん :  Yes,let's.
        へえ、そうしまひょ。


     入ると、すぐ右手に、不動産屋の広告。
     バレンチナさん、
     その広告をじっと、見つめています。

     ゴタもお付き合い。見てみると、

     マンション。家賃13800円。
     2DK。ユニットバス&トイレ。
     JR桃谷駅すぐ。

     あまり、真剣なまなざしだったので、


山田   : Would you like to go in and
       ask if we can see the room
       in detail ?
       店、入りましょか?入って、
この部屋、詳しく聞いてみましょ。 
        
   
バレン
チナさん : Yeah. Go ahead.
        先入ってえや。

  
  (=⌒▽⌒=)


   入ると、愛想のいい店員さんがにこにこ。


店員さん: いらっしゃいませ。


山田  :  桃谷の物件、
       詳しく知りたいのですが。


   ゴタここぞとばかり、
   バレンチナさんに、日本語を使うよう、促す。


   バレンチナさん、勇敢に日本語を連発。
   店員さんたちが、またお調子者ぞろいで、
   楽しくお相手してくれます。
   
   (おお、こりゃ、
    日本語学習には、とてもいい環境だ。)


  店員さんたちに、バレンチナさんが、
  高橋選手や、真央ちゃんのコーチをしている、
  と説明したら、みなさん、感嘆の声。

   「おー。」

  全スタッフが、あらためて、彼女に注目。

  国際競技のため、全選手が、
  中之島のリーガロイヤルに宿泊なんだとか。


 ヾ(@^▽^@)ノ

  
  店員さんが、彼女のために、
  いい物件を幾つか、コピーしてくださいました。

 ヾ(@^▽^@)ノ

  第三ビルを出て、さらに、大阪駅を目指します。

 ヾ(@°▽°@)ノ


バレン
チナさん : Is that Sky Building ?
  

  バレンチナさん、マルビルを指差し、
  あれがスカイビルかとおたずね。


山田 : No, it's not the Sky Building.
     We call that building Marubiru.
     the genuine Sky Building stands
     behind the Osaka station.
    
 ああ、ちゃいますわ。
     あれは、マルビルですわ。
     本物のスカイビルは、大阪駅の向こうでっさ。


ヾ(@°▽°@)ノ       


  大阪駅にある「ホテル・グランヴィア」。
周辺で最大規模のホテルだと言ったら、


ヴァレ
ンチナさん : Let's go in and go up
to the 27th floor.
        入って、27階まで行きましょう。

  

    そして行ってみた。

    そしたら、 そこには、係員が立っていて、


係員  : おかえりなさいませ。


山田  : いえ、泊まり客じゃないんです。
27階の景色を見ようと思って・・・


係員  : 申し訳ございません。
      すべての窓は、お部屋の中でございまして、
      外の景色を眺めることは、出来ません。

  (=⌒▽⌒=)     
      
       
  【教訓】

    行ったこともないところを案内すると、恥をかく。


 ヾ(@°▽°@)ノ      

  午後6時に、ホテルに戻ってきました。

  実は、サルサを踊りたいから、
  そのお店の場所を教えてくれといいます。
  
  さらに、ゴタに、踊れるか?とききます。

  あほな。ゴタが踊れるのは、
  盆踊りの炭坑節だけや。

  まあ、考えてみれば、
  フィギュアスケートのコーチなら、
  バレーやダンスは付きものでっさかいな。

  また10日も、
  日本語のコーチをしてくれといいます。

  恐縮しますなあ。
  フィギュアスケートのコーチを捕まえて、
  日本語をコーチするなんて。
  何か、罰当たりそうや。

  Anyway, I 'll call you on sunday.

  バレンチナさんはそう言って、握手。

  ええんかいなあ、
  こんなええかげんなゴタコーチで。


   山田 錦(ゴタ)
  
2022年11月1日現在、再編集をしていて
びっくりしました.
全然クライアント様のリクエストにお応えできていない!

日本語をどんどん、しゃべってもらうことだったはず…
だから、どこへも行かず、お向けに行った先のコーヒー
ショップかどこかで、みっちり、日本語で会話をすれば
よかったのに!

申し訳ない!

後悔先に立たずとはこのことか!

もう10年近くにもなって、今更お詫びしても
もう遅い.

来世、お出会いしたら、無償の日本語レッスンを
お約束いたします.

と、言っておりますが、困ったおっさんでございますよ.