次の日も、また次の日も。
マークとユギョムは同じタイミングで学食に来るようになった。マークが来るたびにユギョムは緊張して、声が出なくなる。おまけに行動も鈍くなる。
その様子を見てジャクソンは言う。
「あいつ、マークの事好きなんじゃねーの?」
「お前、冗談でもそういう事言うな」
マークに一喝されてジャクソンはシュン、と俯く。マークもマークで、そんなユギョムの事を心の片隅で気になり始めていた。気になる、と言ったら語弊があるかもしれない。そんな純粋なユギョムに興味が出てきた、と言った方がいいだろうか。たまに気づかないうちに目で追っていたなんてことも度々あった。
ジニョンはそのマークの様子を見て静かに言う。
「マーク、そんなにユギョム君が気になるなら話しかけてみればいいじゃん」
「別に……」
素直に認めることができないのは、彼の悪いところだ。
「そう?」
ジニョンはフッと口角を上げ、ジェボムとまた小さな声で話し出す。食事を頼んだところで、ジニョンは突然ユギョムの方へずかずかと歩いていった。
「え、何してんの!?」
マークが止めようとしても聞く耳を持たなかった。ジェボムもジェボムで面倒くさそうにジニョンの後について行く。残されたのはハンバーグランチを持ったジャクソンと、スパゲティセットを持ったマークだけ。
「なんか面白そうじゃん」
そう言ってジャクソンもそちらに向かおうとする。1人にされるのだけはごめんだ、そう思ったマークは仕方なくジャクソンの後をついて行った。
「急にごめんね、ここの席、良い?」
ジニョンはいつもの様に優しい笑みを浮かべて、ユギョムとべムべムとヨンジェに問う。
「あ、はい」
べムべムは動揺を隠しきれていないまま相槌を打った。しかし、それはべムべムだけではなく、ユギョムにもヨンジェにも言える事だった。
何で俺がこんな事……マークはため息をつく。が、目の前にもう一度ユギョムがいることを確認して、少し胸が高鳴る。マークは一度糸が切れると、元に戻ることがないのだ。ユギョムが目の前にいる今、マークの中の糸はもうすでに切れていた。
「ユギョム君っていうんだよね?」
このマークの一言から、始まった。
ここにいる7人、それぞれの物語が。