Don’t want anything but you -4ページ目

Don’t want anything but you

got7の2jae中心の小説サイトです
最近はマクギョムにも手を出し始めました←
注意点などは「初めに」に書いてありますので
そちらに目を通していただければ幸いです




「……ジニョン……ジニョンってば……!」

「ん、うぅ……」

ゴソゴソとベットの中でうごめくジニョン。今日は珍しくジェボムが先に起き、逆にジニョンの方がゆっくりと寝ていたようだ。

「早く起きろ。約束の日だろ?」

その理由は、何か約束があるから。らしい。

「あぁ、そうだった……」

ベットからムクリと起きあがると、潤んだ寝惚け眼でジェボムを見つめる。そしてゴシゴシと目をこすり

「おはようございます、ヒョン」

と、笑顔で改めて朝の挨拶を。

あー、こんなの反則だろ。内心で呟く。

「朝ご飯もうできてるから。」

ジニョンとジェボムは向かい合って座り、朝食を平らげた。食べ終わるのと同時に、ぞくぞくと他のメンバーが起床する。

「おはようございますヒョン」

口々に挨拶していく弟たち。その挨拶にいちいち返事をしながら、準備を始める。
ジェボムはいつにも増して歯をゴシゴシと磨き、コートを羽織った。

「ジニョン、準備できたか?」

着替えて出てきたジニョン。しかしその服と言ったら、言葉では表しきれないような酷さだ。

「それじゃダメだ。これとこれ。」

ジェボムの指導によって着替えさせられたジニョン。自分の好みの格好を着させたジェボムは満足そうだが、ジニョンはそうでなさそうだ。

「ヒョン、これは……」

「いーんだよ、あと、ほれ!」

ジニョンのお気に入りのマフラーを首にかけてやる。これで機嫌はとれるだろう。

「んー、まぁ、はい……」

少々納得いかなさそうだが、ジニョンは渋々了承したようだ。

「ヒョンたち、本当に夫婦みたいですね」

ニヤニヤしながらユギョムは2人を見つめる。ジェボムは自嘲した。実を言えば、一番言われたくない言葉だ。

「何言ってるのユギョム~!俺にはちゃーんと可愛い彼女がいるんだから!」

何故なら、毎回こうやって否定するからだ。
そんなの分かってるっつーの。

その上、この純粋な笑顔に打ちのめされる。毎度のことだ。皮肉なことに、この純粋で美しい笑顔を作り出しているのは紛れもなくジニョンの彼女なのだ。

「ほら、行くぞ」

ジェボムは半ば無理矢理手を引くと、玄関から外へ出た。


「ねぇヒョン。どっちが良いと思います?」

ジニョンが手に取っているのはペアブレスレットの片方と、ペアネックレスの片方だ。
しらねーよ。
本当は放置したい質問に、とりあえず適当に答えてみる。

「ネックレス」

「なんでですか?」

毎回答えに理由を求めてくるジニョン。本当はこんなのめんどくさくてやってられないのに。なんでお前の事になるとこんなに尽くしてしまうんだろうか。

「なんとなく」

「えー。ヒョン、経験豊富そうなのに適当なんて酷いですよー」

駄々をこねる子どものように口をゆがませるジニョン。あーあ、ほんとなんでだろ。

「どんなイメージだよ」

ジニョンは ふふっと笑うと、また真剣な顔に戻ってプレゼントを選び出す。ショーウインドウに飾られたアクセサリーたちはどれもつまらなく色褪せて見えるのに、ジニョンが持っているアクセサリーだけは綺麗に輝いている。

「うわぁ、これも綺麗じゃないですか?」

他のアクセサリーに目移りしては、キラキラと目を輝かせてジェボムに見せるジニョン。そんなジニョンを見て、ジェボムはフッと笑みをこぼす。

「まぁな」

お前の方が綺麗だ

「興味なさそう……」

「そりゃあな」

素っ気ない答えに、ジニョンは不機嫌になる。

「ヒョンのバカ」

「ごめんって」

俺にはジニョンの方が綺麗なんだって。

そんな事言えるはずなく。その気持ちはどこにも吐き出されることもない。
例えるなら、ジェボムの気持ちは雪なのかもしれない。
しかし、ジェボムの心は冷たいまま。溶けることなく、ただただ降り積もっていくだけ。全てが雪で埋め尽くされたとき、ジェボムはどうなってしまうのだろうか。それは本人にも分からなかった。

「じゃあ、最後にこれとこれ。どっちがいいと思います?」

最終的にジニョンが手に取ったのは、最初に言っていたペアネックレスと、今さっき手に取ったペアリングだ。

「ネックレス」

ジニョンがそれに何と答えるのか、ジェボムは分かっていた。

「んー、やっぱりペアリングにしますね!」

いつもこうだ。ジニョンは大体ジェボムに意見を求めた割には、ジェボムとの言ったことと反対に決断をする。

前、2人で買いに行ったペアリング。今ジェボムの指にはあるのに、ジニョンの指には無い。そして、ジェボムの気持ちとジニョンの気持ちが交わる事はない。ジニョンにとってのペアリングの記憶は、たった今塗り替えられた。

「それなら最初っから聞くなよ」

「すみません」

と、言いつつも嬉しそうにレジに向かうジニョン。

また、積もる雪。


満足そうに店を出るとジニョンは、ありがとうございます。と、律儀に頭を下げる。

「いいよ」

結局ジニョンの頭の中は彼女一色で。俺の事なんて一ミリも頭になくて。自分で分かってて、そんな事。ついて行って辛い気持ちになることも分かってるのに。それでも、お前のその幸せそうな顔が見たくて。バカみだいだ。

「待ち合わせどこだっけ」

「駅の時計の前です」

「送ってく」

「いいんですか?」

「あぁ」

子どものように喜ぶ顔を見て、ジェボムは思わずジニョンの頭に手を伸ばす。
が、その手が触れることはなかった。


待ち合わせの場所に着くと、もう彼女は待っているようだった。

「あっ」

手を振るジニョンに、答える彼女

「ヒョン、今日は本当にありがとうございました!」

「おう」

「ヒョンの事、ほんとに大好きです。」

ニッコリと笑うジニョン。

また、積もった。

「ありがと。ほら、行けよ。」

俺がその意味を履き違える前に、行ってくれ。
その姿を見送る前に、俺はジニョンたちに背を向けた。


虚しく光るジェボムのリング。

「俺のが好きだっつーの」

誰にも気づかれないように、ジェボムは鼻をすすった。


end