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事件についてのファイルを読み漁り、上に許可も取らず密かに進めている捜査。他に事件が起きればべムべムとタッグを組んで捜査し、てっとり早く事件を解決させた。そして残った僅かな時間で、捜査を進めるのだ。
その中で分かった一番重要なこと
ジェボムは何も犯していない、ということ
確かに言った言葉
「俺、犯罪を犯したんだって」
それは違った。どれだけ記事を探しても、そんなものは無かった。きっと良いように誰かに何かを吹き込まれていたんだ。彼に記憶障害があり、それを自覚していた場合、ありもしないことを信じてもおかしくないだろう。
勝手な推測だが、ジェボムの父親が関係しているようにしか思えないのだ。中学時代に、ある事ない事 噂されていたジェボムの父親。確かジェボムに母はいなかった。亡くなったと、言っていた気がするが……
僕もうろ覚えだ。10年も前の事を覚えている方が凄いと思う。
これは何か行動を起こさなければならない。
棚に直すとき、手を滑らせて落としてしまったファイル。散らばってしまった新聞。ふと目に留まった記事の見出し。4年前の記事か……
『息子に罪を擦り付けたまま何年も逃走』
何となくその記事に目を通してみる。まず目に入ったのは、容疑者の苗字。確かに僕の目は捉えた。「イム」という文字を
そこに書いてあったのは、悲惨な事件の内容だった。
容疑者はブラック企業の社長だったと。不正な取引等で金を巻き上げ、時には人殺しまでしていたんだと。……どれだけ金に目が眩んでいるんだコイツは。
容疑者の供述によると、と書いてある部分を読む。
記憶障害を抱えている息子に、罪を擦り付けていたと。6年間もの間、洗脳していたのだと。そうすれば、自分は罪に問われないと思った、と。……意味が分からない。どこまでも頭の悪い人間だ
……待て。この記事は4年前のものだ。それから6年前という事は……10年前。
まさか……これは、ジェボムの父親?そんな、そんな訳はないはずだ。
もしこれが僕の推測に当てはまるとしたら、まずジェボムは警察に保護されているはずだ。しかしそのようなデータはどこにもなかった。
家に帰って手も洗わずに急いでパソコンを立ち上げる。検索すると様々な情報が出て来た。ネットの情報は玉石混合だが、調べてみる価値はあると思う。
子どもには記憶障害があった。
だとか、新聞に載っていた記事を載せているものもあれば
容疑者の子供は、相手がいる女との子供だった
だとか
根拠はないが、ありえそうなことも書いてある。これは、もっと調べていく必要がある。そう強く思った。僕は真相を知るためには手段を択ばない。なかなかリスキーな捜査だが、僕が刑事になった理由はジェボムだから、それが解決できれば僕はどうなったっていい。
あの時僕の光になってくれたジェボム。
今度は僕がジェボムの光になるからね
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