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「マジの金じゃん。いいよ。話してやる」
金色のアクセサリーをジャラジャラと付けた男は、僕たちをソファーへ案内した
「全部話し終わってからの話だけど」
「分かってるって」
僕はベムベムと2人でとあるビルに来ていた。ジェボムの父親の会社で働いていた人間がいる場所だ。警察には、何も知らなかったの一点張りで逮捕されなかったらしい。
もちろん、僕とベムベムの身元は明かしていない。そういう契約だ。
「あの人は、本当に凄い人だったよ……」
その一言から全てが始まった。そこから明かされていった、全て。到底理解することのできないような、ジェボムの父親の行動。誰も経験しないであろう、壮絶なジェボムの過去。
頭が痛くなってくる。話が絡まり合い過ぎてよく分からない。
「まぁ、俺が知ってるのはそこまでだ。まだ知りたいんだったら他を当たってくれ。じゃあ約束の金は貰っていくぞ。」
男は好きな時間に帰れ、と言ってその場を去った。ジェボムが言っていた、弟の存在。
『いなくなった』と言っていた弟。
彼の弟は、きっと今も生きている。
これは紛れもない事実だった。
それから僕たち2人はカフェに向かった。いつものコーヒーを頼み、適当な席に座った。
未だに放心状態で、あまり頭が回らない状態の僕。その中でべムべムは小声でこう言った。
「ジニョン先輩……もしかしたら、僕はジェボムさんの事を知っているのかもしれません」
「え?」
なんだなんだ。頭が回らないって言うのに、次は何だ。店員が僕の目の前にコーヒーを置いて、去っていく
「僕の家の近くにお花屋さんがあるんです。そこでたまにお花を買って帰るんですけど、そこで聞いたんです。店長が『ジェボムさん』って言ってるのを。」
べムべムは届いたカフェオレを少し飲んだ。
「思い違いかもしれないし、違う人かもしれない。でも調べてみる価値はあると思いませんか?」
確かに。この操作は手探りでやっていくしかないのだから。調べてみる価値は、確かにある。
「確かに。じゃあまた仕事が一段落したら捜査しよう。協力してくれてありがとう。」
何故ここまでしてくれるのかは謎だが、べムべムには心の底から感謝している
「いえ」
笑顔で返ってきた返事の中に少し暗さが見えた。僕の周りには、過去に何かがあった人間が多いみたいだ。
その後、僕はもう少しジェボムの事を調べる為、裏の情報屋に依頼を出した。彼らがジェボムの情報を握ってくれればかなり助かるものだ。確実に少しずつ近づいてきてる。ジェボム、待っててね。
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