それからの事、ヨンジェと俺の会話はどんどん減っていき、まともな会話をしなくなった。それでも俺はヨンジェが傍にいるという事実だけで十分だった。
ピンポーン。突如鳴ったインターホン。何か頼んでたっけな。ヨンジェを部屋に閉じ込めたまま、俺は玄関のドアを開けた。
次の瞬間足をドアに入り込ませ、強引に中に入ってきた男2人
「どなたですか。急に家に入り込んでくるなんて、不法侵入ですよ」
1人の男はどこかで見たことのあるような顔。もう1人も何故か見たことのあるような顔だった。黒髪にスーツをきちんと着ている男は、何か言いたげな顔だ。
そして俺の方に一歩近づく。
「通報……」
「ジェボム……!」
その男の手が、俺の頬に伸びる。
誰だコイツは。
何で俺の名前を知ってるんだ?
「やめてください」
その手を俺は振り払う。
気持ちが悪い。何でこの男はこんなに馴れ馴れしいんだ?その男は少し悲しげに俯くと
「本当に覚えていないんだね……」
そう呟く。何の話をしているのか全く分からない。コイツは、誰だ。
俺の記憶の中に問いかける。
見たことがある気がするが確証はない。
「ジェボム……僕だよ、」
聞き覚えのある声。誰だ、誰なんだよ。
その男は俺の目を涙目でじっと見つめた。
「ジニョンだよ」
途端にキリキリと頭が痛みだす。
何かが迫ってくる感覚に襲われる。
「ジ、ニョン……?ジニョン……」
「そうだよ、ジェボム」
優しく響く懐かしい声。立てない。
俺は床にうずくまり、頭を抱えた。
ジニョンジニョンジニョンジニョンジニョンジニョンジニョンジニョンジニョン……
……中学……弟……犯罪……
今までの記憶が頭の中を駆け巡る
「ジェボム?」
心配したようにジニョンは俺に手をさしのべる。
「俺に近づくな、離れろ、頼む」
頭の中が整理できない。息が苦しい、心臓が苦しい、心が重い。ヒューヒューと酸素を吸う音が微かに聞こえる。俺は今息ができているのだろうか。
「ジェボム、危ない。病院に」
「何もするな、余計……」
いつの間にか俺は、意識を手放していた
ヨンジェ?
俺の…………ヨンジェ?