Don’t want anything but you -16ページ目

Don’t want anything but you

got7の2jae中心の小説サイトです
最近はマクギョムにも手を出し始めました←
注意点などは「初めに」に書いてありますので
そちらに目を通していただければ幸いです




父親との関係や母の事、ヨンジェの事も全て聞いて、ごちゃごちゃだった頭の中がやっと整理されて来た頃だった。色々な葛藤があったが、全ての現実を受け入れる事にした。いや、正確に言うとまだ完全に受け入れることはできていないのかもしれないのだが。

でもついに、ついにだ。やっとヨンジェに会える。ヨンジェが俺の病室に来てくれるそうだ。マークとの面談が終わったあと。時計の針は1時50分を指している。再会できるまであと10分。

何だか急に緊張してきて、髪を整えたり、笑顔の練習をしてみたり。意味もなくソワソワしていた。あと1分。そう思った時、開かれたドア

「ヨンジェ?」

「ジェボムヒョン……お兄ちゃん?」

俺は思わずベットから降り、ヨンジェの元へ行く。その愛しい顔を見た瞬間、声を聞いた瞬間、抑えきれなくなって俺はヨンジェを抱きしめた。

「ヨンジェ、やっと会えた」

ヨンジェの体温で、今までずっと遠かったヨンジェが今目の前にいる事を実感する。でも、ヨンジェの手が俺の背中に回ってくる事はない。それでもただ会えただけで十分だった。

ゆっくり手を離すと、目にいっぱいの涙を溜めたヨンジェ。

「本当に、覚えてないんですね」

突き放すように冷たく言い放つ。

「何が?」

「お兄ちゃんのバカ。最低。最悪。」

意味も何一つわからないまま、一方的に浴びせられる言葉たち。

「なんなんですかもう……」

そう言って俺に抱きつく
行動と言動が全く一致していない

「ヨン、ジェ?」

今まで弱弱しかったヨンジェが強く俺を抱きしめる

「バカバカバカ!!」

そして離すと小さな拳で何度も何度も俺の胸を叩く

「嫌い!」

小さな子どものように単語しか話さないヨンジェ。何故か一瞬前もこの光景を見たような既視感に襲われる。そしてヨンジェはまた俺を見上げ大粒の涙をこぼす

「……お兄ちゃんが元に戻った」

もう一度ヨンジェは俺を抱きしめた。その一言を聞いた瞬間に俺が今まで何をしていたか、抜け落ちていた記憶の破片が元に戻された

これで完全に俺の記憶はすべて元に戻ったのだ

「あ、ヨン……ジェ」

俺は何であぁ、俺……
ドンっと、ヨンジェを突き放す。手が震える。ヨンジェに異常なほど執着していたころの俺が思いだされる。ダメだ、ダメだ、ダメだ。俺は何であんなに。ヨンジェはいつでも俺の事を信じてくれていたのに。俺はどうしたらいい。どう償えばいい?

「お兄ちゃん」

「お兄ちゃん」

愛しいヨンジェの、弟の声

「僕を見て」

どれだけ離れてもヨンジェはその分距離を詰める。そして俺の顔を小さな手で包み込む

「ちゃんと、目を見てよ」

見ないようにしてきたヨンジェの顔にピントを合わせる。切なげに俺をまっすぐに見つめるその瞳。やっぱりお前は誰よりも綺麗だ

「俺、どうしたらいいかわかんないよ」

これからどうやって生きていけばいいのか。

「ねぇお兄ちゃん。」

ゆっくりとその手を離すヨンジェ

「覚えてる?2人で今までどうやって生きてきたか全部話した時の事。僕、あの時絶対ずっとお兄ちゃんについて行こうって思ったんだよ。今までヒョンがどんなことをしてきたかってそんな事は関係ないって。あの時そう言ったでしょ?」

ヨンジェの肩は小刻みに震えていた。

「僕は今も一緒だよ。その気持ちは変わってないよ。馬鹿みたいだって思ってる。あれだけお兄ちゃんの事を怖がって、ずっと解放されたいって思っては、お兄ちゃんを憎んで。憎んでるはずなのに、やっぱり好きで。全部グシャグシャだったよ。病院に居る間だって、落ち着かなくて、お兄ちゃんが怖くて。」

俯いてまたなお涙を流す

「確かにお兄ちゃんは今まで最悪だったし、最低だったし。でもこうやってまた会った時、お兄ちゃんの顔を見た時、やっぱり好きなんだって思ったんだ」

顔を上げたヨンジェは涙で濡れたままの目に、光を浮かべて満面の笑顔を見せた。

「違うよ、ヨンジェ……」

「ううん、違わない。確かにまだあの時の傷はまだ消えないかもしれない。でもね、この傷を癒せるのはお兄ちゃんだけだよ。お兄ちゃん以外、誰もできないよ。それに今のお兄ちゃんは……怖くないよ。あの時の、優しくてカッコいいジェボムヒョンだ。」

体全体から力が抜け、俺はベットに座り込んだ

「ごめんな……ヨンジェ、ごめん……でも俺は」

「もう謝らないでください。僕が良いって言ってるんだからいいんです!お兄ちゃんだって、僕と離れたくないでしょ?」

急に怒り出して頬を膨らませたヨンジェ
確かにそうだけど……

「償いたいって思ってるなら、これからも僕の隣にいてください。それがお兄ちゃんのできる償いです。……僕は本気で言ってますよ?」

「ヨンジェ、お前はあんな事をした俺を信じれるのか?これから俺がまたおかしくなるかもしれないんだぞ?」

畳み掛けるように言い返す。俺はヨンジェと一緒に居ない方がいい、直感がそう言ってる。いや、そう思いたいだけ

「ううん、お兄ちゃんはそんな事にはならないよ。だってもう過去に囚われなくていいでしょ?お兄ちゃんは犯罪なんて犯してない。それに僕のお兄ちゃんはそんな事する人じゃないもん」

少し首をかしげて、ね?と付け加える。
お前の優しさが、俺には苦しいよ

「ヨンジェ……ありがとう。俺を信じてくれて」

こんなに簡単に許されるような事じゃないのに。
俺にはどうやって償っていいのか分からないんだよ。

「……ごめんな、ありがとう」

でももし本当に、償いがヨンジェの側に居る事なら……

「お兄ちゃん、家に帰ろう」

「……あぁ」

ヨンジェは俺の手をとって病室を出て行った