自治体議員勉強会(2022/11/19)
資源エネルギー庁 小澤典明 次長兼首席エネルギー・地域政策統括調整官
- ロシアによるウクライナ侵攻の影響
晴天時、昼間には太陽光が30%の電力を賄ってくれる。
66年前の今日、東海道線の電化が完成した。
1973年7月資源エネルギー庁発足(第一次オイルショック後)
今の日本のエネルギー自給率は10%
そのほとんどは再生可能エネルギーと原子力
G7各国のロシアへの依存度を見ると日本は最も低い
(ドイツは1/3がロシア イタリアもロシア依存が高い)
ただし、
サハリン2プロジェクトは日本のLNG需要量の9%(599万トン)を占める
世界で厳しさを増すLNG争奪戦
ドイツは石炭火力への回帰。そして世界的な石炭価格高騰
- 電力需給の逼迫
電力料金の推移
2021から2022にかけて1年間で家庭用で20% 産業用で30%アップ
- エネルギー安定供給の再構築
政治決断が求められる事項
1.再生エネルギー:送電インフラ投資の前倒し、地元理解のための規律強化
2.原子力:再稼働への関係者の総力結集
再エネ(含む洋上風力発電)目標30%
原発10基再稼働で7%
【以下質疑応答】
Q;浜岡再稼働はなぜ遅れているのか?
A;活断層があるのか、ないのか未だ判断できない
Q;原発が止まっている期間は60年ルールに含まれるのか
A;含まれます。これを変えるには法律改正が必要です
Q;電力の自由化が進んだ。失敗し、撤退した事業者から東電に戻る際に高額な契約量を要求されることに対する資源エネルギー庁の対策は?
A;自由化で増えた電力供給業者は700社。その多くは化石燃料頼みか、卸電力市場に100%依存している会社。卸電力市場価格が5~6倍となった。個別の契約について国でなんとかすることは出来ない。
最終保証供給制度を利用していただくしかない。
こうした自由化の綻びについては再点検が必要だとは考える。
Q;来年9月までは電力料金高騰なしとのことだがその後は?
A;なかなか読みきれない。今回の6兆円の補正予算。これはずっと続けられる制度ではない。
Q;財政に与える影響は?
A;この時期に増税は愚の骨頂。借金で賄うしかない。
Q;高レベル放射性廃棄物の最終処分は地層処分しかないのか
A;地下の方が圧倒的に安定している。「海溝投棄」というアイデアもあった。
「核種変換」もまだ実験室で成功していない。
Q;電気代1㎾h30円。国はどこまで容認するのか?
A;コメントしようもない。安い方が良いとは思っている。24円くらいにしたい。
サハリン2 のLNGはバレルあたり15円。
スポット価格はその5倍。だからロシアとの協力は止められない。
(サハリン2が無いとスポットで買うしかない)
【細野代議士コメント】
政治の役割は大事。
毎年毎年、エネルギー供給の問題で揉めていいのか。
ロシアはウクライナに戦争を仕掛けて、その裏ではLNG輸出で大儲けしている。
サハリン2から撤退すると、日本もスポット市場から買う必要が出てくる。
そうなると欧州のLNG事情は益々悪化する
原発一基を動かせば年間100万トンのLNGが不要になる。
日本は、原子力を含めたエネルギー自給率を高める必要がある。