3団体が揃った久しぶりの有観客レース 第一回 富士クリテリウムチャンピオンシップ
プロ、実業団、大学の
自転車競技3団体が日本一を決める、初のロードレースが
静岡県富士市青葉通りを舞台に、
1万5千人の観客を集めて開催された。
その様子をサイクルスポーツ誌の記事からご紹介したい。
予選ではそれぞれの団体での上位25人が決勝に勝ち上がり、翌日の決勝戦へ臨んだ。決勝ではチームごとの出走人数もバラバラの中で、集団ゴールスプリントで力を見せた愛三工業レーシングチームの岡本隼が初代チャンピオンに輝いた。
(初開催のきっかけ)
この場所でのレース初開催の一番大きいきっかけは、2017年5月より施行された自転車活用推進法だ。静岡県は東京オリンピックの自転車競技開催地ということもあり、自転車に関わる計画に力を入れていた。富士市としても計画を立て始めようとした矢先、現在のレバンテフジ静岡がチームの拠点となる場所を探しており、富士市側もアプローチをかけたことで、レバンテは富士市に拠点を置くこととなった。
JCLでは地域密着型チームが集まっているためにホームレース制を敷いていることもあり、レバンテフジ静岡のチームとしても、富士市としてもホームレースを開催したいと考えた。さらに富士市としては、レース開催をきっかけとして市民の自転車への関心を高めたい意向があった。
ある地点からある地点へ移動する交通手段がどういう割合かを示す交通手段分担率というものが、自転車は全国平均が約13%だというが、富士市は車移動がほとんどで、自転車の比率は5.5%と低い。イベントやチームを通して自転車を知ってもらい、もっと活用してもらうきっかけにしたいとのことだった。
(富士市での継続的な開催 そして近隣市町との広域連携)
「レースを通じて、市民の方だけでなく、外からの人を市としても呼び込んでいきたいので、継続的な開催を考えています。今後の発展を含めて(大会名に)サイクルロードレースという冠をつけていて、ロードレースについても、近隣市町との広域の連携をして、ぜひ開催に向けてやっていけたらいいかなと思っているところです。まずはこのクリテリウムを継続は開催をして、ゆくゆくはそういうふうにしていきたいところです。静岡県の東部全体が自転車で活性化していけばいいかなと考えています」
(都市部で有観客の開催)
コースについて、今大会について改めて岡本はこう語った。
「僕は正直、細い道でやるのかなっていうのを想像してたんですけど、こんな3車線を思いっきり走れて、広い公園があってっていう素晴らしい環境で。本当にこれぞクリテという土地で(レースを)できるのが、僕たちとしては本当にうれしいですし、本当に素晴らしい大会だったと思います」
一方、レース終盤、一人で逃げ続けた橋本は、久しぶりに制限のない有観客での環境を楽しみ、大いに観客を盛り上げていた。
「楽しかったですね。みんなの前で走るというのが僕は一番好きな時間なので。僕を知ってくれていることでみんなのテンションが上がって喜んでくれている。コロナがまだ続くんですけど、明けたような、一時は無観客だったので、観に来てくれて、このようなレースが都市部で行われてすごく良かったなと思います。本当にまずは開催してくださった富士市や関係者の皆様に対してありがたいなと思います」