第17期自治政策講座in東京
「これからの自治体・議会の責務」
8/19 第1講義
「自治体の役割ー自治の要としての議員とは」
竹下譲(自治体政策学会会長)
明治11年 議会(府県会の設置)
府県は「行政区画」。立法権はない。
明治13年の町村会
当時の町村会は町村長が議長。議会は行政の一部。
明治21年の市町村制度
アルベルト・モッセ
「自治なるものは独り行政の上にあり」
「市町村は本来議決機関であるから、市町村提出の議案につきその可否を決するのが本務。自ら発案するの権利なきを原則とする」
市制第36条で議員は住民全体の代表者とされた 。個々の住民の意見を聞いては駄目だと明文化。(住民全体の意見を形成するのが議員の職務)
戦後の地方議会(改革のチャンス)
GHQは地方議会をLegislative Assenblyと命令。
内務官僚は「Deliberative organ」と抵抗。
憲法の日本版は「議事機関」となる。
地方自治法では、従来通り「議決機関」として扱われた。
そして現在の地方議会
委員会審議はまさに「行政の一部」
本会議はもっと形式的
これでは議会は二元代表機関などではなく
行政の中にどっぷりと組み込まれていると言うべきでは?
では一般質問はどうか
部長は簡単に答えているが、舞台裏では…
各課では実施している行政サービスを説明できるかどうか、常に意識。つまり行政チェックの役割は果たしている。さらに議員の質問をじっくり聞いていれば、自治体が如何なる問題を抱えているか明らかになる。しかし、住民は聞いていない。議会だよりも読まない。
一般質問の見直しは必要
議員1人の要請を議会の要請とするには。
一般質問終了後、議会としてどれが重要かを決定。
それを議会の要請として行政にぶつける。
その議会の要請には議会が責任を負うべき。
議会の要請として住民に公表。
財源の手当も議会が指示するべき。
このため決算審議が非常に重要となる。
無駄な施策の検出。その廃止の勧告。
これを住民に公表し、住民を味方に!
・・・
・・
そのためには地方議会の選挙制度が大選挙区制度では困難。
選挙区の区分も地方自治体で変えられる。
住民が支持するならば、
こういうことを検討し、法令が悪い場合は、県や政府との対決も辞さない!
その方法を住民と共に住民の支持を得ながら住民をリードし検討していく。
これが自治体の議会の役割
質疑応答
Q
議会事務局について
A
事務局長を行政側に戻さない事が重要。
Q
委員会の休会中審議について
A
勝手にやれば良い。市から給料は出ないが、住民の要請があれば何
でも出来る。出来ないというのは議員の怠慢。
「議会」は市民全体の代表者。
「議員」は個々の住民の代表で良いというのが国際的な常識。
議員は住民の声を議場に持ち込むべきである。
議員が住民全体の代表であるという考え方は明治21年に導入された日本独自のもの。
二元代表制の意味を正しく理解すれば、地方議会の重要性がわかる。