富士市の産業集積 製紙業、その統計から | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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以前書いた「富士市の産業集積 その現状と必要な政策」
 
http://ameblo.jp/gosyukai/entry-11273796279.html
にアクセスが集中していたので、何が起きたのか解らないが、
各種統計を見直してみた。
まず
前回と同じく日本製紙連合会のウエブサイトから引用する。
 
 2013年の紙・板紙合計の輸入量は184万トンと、円高の修正を背景に前年比16.9%減となった。紙は前年比19.6%減の147万トン。特に塗工紙(前年比30.4%減)の減少が顕著に見られた。板紙は、前年比4.4%減の37万トンとなった。段ボール原紙は前年比26.0%減となった一方、紙器用板紙は同7.5%増と2年連続プラスとなった。

 2013年の紙・板紙合計の輸出量は前年比31.7%増の106万トンとなった。2011年の東日本大震災以降、国内市場への供給が優先されたことに加え、記録的な円高等を背景に輸出は低水準で推移していたが、被災工場復旧による国内供給力の回復、また円高の修正が進んだことなどを背景に増加に転じた。輸出相手先としては、紙・板紙共に中国、マレーシア、タイなどのアジア向けがシェアの8割を占めている。
   
過去のブログで
「2011年の紙・板紙合計の輸入量が東日本大震災に伴う供給不安や円高の進行によって前年比16.7%増の209万トンと過去最高を記録。逆に輸出量は、前年比35.1%減の95万トン」
と記した。この前年つまり2010年の輸入は179万トン、輸出は146万トン
同様に2012年の輸入は221万トン、輸出は80万トン

2010→2011→2012→2013の順に時系列で並べると
輸入 179→209→221→184
輸出 146→ 95→  80→106

輸入量は震災以前の水準まで回復したが、
輸出量は未だ震災前の3/4に過ぎない。

つまり、円安誘導政策は「輸入には効果があるが、輸出には効きづらい」と推論される。
大企業は円高により安い労働力を求め、海外に生産拠点をシフトし、為替変動に備えた。その結果円安時には、海外で生産された製品の「逆輸入」は増加しても、生産拠点は戻って来ない。(そのために必要なのは「円安」よりも「賃下げ」を誘導する政策だからだ)

労務統計も見てみよう。

同様に各部門の従事者数を

2010→2011→2012→2013の順に並べると

パルプ    3212→3083→2958→2868
紙     18998→18289→17146→16394
板紙     6158→6211→6257→6190
ダンボール 5030→4798→4882→4900
(合計)  33398→32381→31243→30352 

(元データ:
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/result/ichiran/08_seidou.html

製紙業界では震災前から右肩下がりで、
この4年間で、約一割の雇用が失われたことがわかる。

これは私の意見ではない。データが示している。
他の産業界はどうあれ、製紙業にはアベノミクスの効果はない。
他の政策を考えるべきである。