空飛ぶタイヤ | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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空飛ぶタイヤ/実業之日本社
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大型トラックのタイヤが外れ、母親が死亡し子供が負傷した事件を覚えているだろうか。その後、三菱自動車の組織的リコール隠蔽事件が発覚、大きな社会問題となった。
この作品はあの事件を題材にした社会派小説。
中小企業が独自の調査で大企業にいどむ。
大企業側はあの手この手で、隠蔽、脅迫、懐柔策を行う。最後には系列金融機関を使っての貸しハガシ。
重工、商事といった財閥系のグループ各社は内向きの議論で世間をだまし続けようとする。

倒産寸前まで追い込まれ、従業員のために葛藤する中、
主人公である運送屋の親父は経済の論理では無く、最後まで人の論理で戦い抜く。
それを貫かせたのが生き残った少年が書いた追悼文だというのが泣かせる。
・・・
この苦しみがわかるか。
悲しみがわかるか。
小さな男の子を置いて逝っちまった母親の悔しさと悲しみが、あんた達にわかるのか。
母親を奪われて、健気に生きている少年の気持ちがわかるか。
あの追悼文集を読んで涙する気持ちがわかるか。
「納得できるわけがないだろ!」
・・・ 
赤松社長の血の出るような叫び。
これは今も日本を支え続けている中小企業の社長さんたちへのエールだ。

法政大学政策創造研究科修士
 鈴木幸司