9:00~9:45 武雄市役所にて「新図書館構想」についての説明
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10:00~11:00 現地見学
市役所でのヒヤリングのあと、色々と話題の武雄市図書館を視察した。(現地では樋渡市長が待っており、自ら案内していただくというサプライズ)
この図書館は2013年「グッドデザイン賞」受賞作品でもある。金賞受賞時の審査員の寸評は以下の通り
「公共サービスは所詮このレベルである、という常識をひっくり返す事例が生まれた。それが佐賀県武雄市とカルチュア・コンビニエンス・クラブの連携で実現した「武雄市図書館」である。図書館という伝統的で保守的な領域において、本の面白さを伝えるという原点に立ち返り、探しやすさ、読む楽しさ、利用しやすさを官民連携で徹底的に追及している。その結果、2013年4月1日のリニューアルオープン以来、来館者数は前年比4倍増、図書貸出し冊数も倍増という成果をあげている。本離れが進んでいる現代において、地域の文化度を高める大切な役割を担っており、公共と民間の連携に大きな可能性を感じさせる」
明るく広がりのある空間とそのディテールに目をみはらされた。フランス国立図書館「リシュリュー館」を彷彿とさせる美しいつくりだ。あの高い所の本はどうやって取るのかな…といった機能面での心配はさておき、本に囲まれるという安心感・幸福感は、確かに「公共サービスは所詮このレベルである、という常識」を根底から覆すものだといえる。建築が本業の私でなくても、本好きならば一度は訪れたい空間だろう。
樋渡市長自ら御案内いただいたわけだが、彼のこの図書館に賭けた思い入れには舌を巻いた。なるほど「スピード」が大事だというのはよく解かる。「本を探し難い」という異論がある方は一度代官山蔦屋書店に行って見ればいい、あっちの方がもっと探しづらいのだから。見つからなければ店員に聞け!そういう本屋だ。いや、あそこは本屋であって本屋じゃないのかもしれない・・・目指したのは「本のある空間」。そのコンセプトを人口5万人の武雄市で実現したのだ。その上、図書館には司書がいる。レファレンスは彼、彼女らにお願いすればいい。あとは思い切り「本のある空間」を楽しむ事ができる。
図書館法による図書館の「定義」は以下の通り。
調査研究資料が見つからなければ司書に聞け!そういうコンセプトの図書館があってもいい。蔵書自体は増えているのだ。来館者数は4倍になったが、貸出し数が4倍には届かないことを批判する人がいる。そうした人たちはもう一度、図書館法を読んでみてほしい。図書館とは「教養、調査研究」そして「レクリエーション」のための施設だ。カフェや本屋を併設してどこがいけないのだろうか。
一級建築士・法政大学大学院政策創造研究科修士2年
富士市議会議員 鈴木幸司