文化力こそ経済力 | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

細野豪志サポーターズクラブ「豪衆会」は新規会員を募集中です。

 先日、鈴木忠志氏が演出した「リア王」を見ました。静岡の劇場で見て以来、久々です。
 冒頭から緊張感がみなぎる舞台。音楽も素晴らしい!富山県の利賀で磨きあげた鈴木メソッド。日本人と韓国人、中国人が一緒に演じて全く違和感がありません。やはり、本物は世界に通用します。
 「演劇とは、人間の同一性と差異を一度に示す芸術である」とは、ピーターブルックス氏の言葉です。演劇を見ることで、人とは何か、社会はどうあるべきか、考えさせられます。鈴木忠志氏は私に「文化力こそ経済力」と語って下さいました。対日貿易黒字を積み重ねているのは、米国でも、中国でも、韓国でもなく、フランスやイタリアです。高級車、ブランド品、ワインなどを輸出し、観光客を世界中から集める。文化力がフランスやイタリアの経済を支えています。
 コスト競争に血眼になっているだけでは、日本経済は復活しません。わが国の文化レベル、それぞれの地域の文化力が高まってこそ、日本の物が世界で喜ばれ、日本を訪れる外国人が増えます。文化政策はどうあるべきか。しっかり取り組みたいと思います。(細野豪志@12/14)


  今回の「今日のひとこと」が配信されて次の日、以下のような補足説明が届いた。
「※中国は単独で見ると対日貿易黒字国となりますが、日本から台湾や香港を経由して中国に向かう輸入が多いことを考えると、中・香・台の合計では対日赤字国と考えられます」

 きっとどなたかが指摘なさったんでしょうね。「中国からの輸入の方が多いはずだ」と。
 確かに日本の100均の商品は、中国の義烏市場で20円くらいで並んでるものばかりです。日本は今、中国からの安い製品で溢れかえっています。
 でも、「華僑経済圏」全体で言えば、対日貿易黒字を積み重ねているのは中国ではない・・・という上記の言い方でも良いと思う。藻谷浩介さんの「日本の部品なしで、もはや中韓の工業は成り立たない。実は中国・韓国は日本の、大の『お得意さん』である」という言とも一致する。
 もうひとつ。これも藻谷さんの受け売りなんですが、日本が一方的に貿易赤字を垂れ流している国は産油国です。日本が智恵を出し、汗をながして中国・韓国、東南アジアを工場として稼ぎまくってる、その上前をはねているのがサウジやUAE。。。だからドバイにビルが建つ!悲しいことにそういう流れになっています。日中関係、日韓関係が悪化しようと好転しようと、それだけは変化しません。
 コスト競争に血眼になっているだけでは日本経済は復活しないということには激しく同意!
 スイスの「最低賃金」は日本の2倍以上。それでも日本人はスイス製品を有難がります。フランスやイタリアもそうでしょう。
 観光客を世界中から集める文化力がフランスやイタリアの経済を支えています・・・と言うのなら、実は日本にも大きな潜在力があります。
 先日訪れた「京都国際マンガミュージアム」には、ちょうどドイツのテレビ局が取材に来ていたこともあってか、その日は明らかに日本人より外国人客のほうが多かったです。
 ちょうど「絵師100人展」をやっていたのですが、その美しさ、愛らしさは感動もの。
http://www.eshi100.com/
いまなら新潟市マンガ・アニメ情報館でご覧になれます。


(絵師100人展ウエブサイトからのサンプル画像)

 上の絵は「さくら小町」さんの作品です。
 彼らは「浮世絵師」にちなんで「絵師」と呼ばれる、現代日本のポップカルチャーの旗手です。

 ジブリアニメも今では韓国のアニメーターがいなければ成り立たなくなりましたが、韓国がオリジナルアニメを世に問えるまでには、あと20年はかかるでしょう。(日本だってメイドインジャパンが安物の代名詞と言われなくなるまで50年かかりました)
 今の日本には、こうした絵師たち、食えない漫画家やイラストレーターがごまんといます。彼らが食べていけるようにするための、そして外国人観光客が大喜びする、そんなアイデアがひとつあります。
 文化政策はどうあるべきか・・・なんて大上段に構えていると、小泉政権時代の「ビジットジャパン・キャンペーン」の失敗の二の舞になりかねませんよ。全出版物の三分の一を「マンガ」が占めるという日本が異常なのかも知れません。しかし、マンガは日本の誇るべき文化になりつつあります。・・・えらい人たちにはそれがわからんのです。
 
富士市議会議員 法政大学大学院修士2年 鈴木幸司