高校授業料無償化の所得制限について | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 文科委員会での質問が終わりました。高校授業料無償化に所得制限をもうける法案についてです。質疑後に法案は可決されました。高校生の学びを社会が支える仕組みが崩れるのは残念です。
 私が問題にしたのは、年収910万円以上(上から2割)の世帯の子どもに充てていた予算を削り、今後は授業料を有料にして、その削った分を年収250万円以下(下から12%)の世帯の子どもに回し、今までの分に上乗せして支給するという仕組み。高校生にもなれば本人は分かりますので、クラスの中で階級ができてしまう懸念があります。低所得者対策には賛成ですが、財源は新たに確保すべきです。
 もう一つは、前年の所得で判断するので、親の失業や死別などの新たな事情が生じた場合に、対応できるか定かでない問題です。学校の設置者である都道府県が判断するとのことですが、個人のリスクを社会でカバーするという理念は薄れたと言わなければなりません。
 米英仏などの先進国は、19世紀から戦時中には、高校の無償化を実現しています。もちろん所得制限はありません。貧しくとも、教育にお金をかけたわけです。日本の高校生の年齢は、義務教育になっている国も数多くあります。高校の授業料を「まずは家庭に」という考えに私は賛成できません。(細野豪志@11/14)

  OECD諸国では「社会支出」という指標が使われている。2007年の社会支出規模を機能別に見ると、日本は「高齢」が47.6%と諸外国と比べて最も高く、「保健」も32.7%とアメリカについで高い。「家族」と「障害、業務災害、傷病」について見ると、前者では、イギリス、スウェーデン、フランスで10%を超える一方で、日本は4.1%にとどまる。後者では、スウェーデンが19.5%であり、イギリス、ドイツも10%を超えるなか、日本は5.0%にとどまっている。「失業」でも、ドイツが5%台、フランスも4%台であるなか、日本は1.6%と低い水準だ。
 日本の社会保障費の使い道、子育て世代に対する支出と高齢者に対する支出を比較すると約「1:5」となる。スウェーデン、デンマークなどの北欧諸国の「1:1」に比べると、1/5という低さなのだ。これで出生率が上がるわけなんてないだろう。
 今日、名古屋で地方議員フォーラム研修会が開催され、長妻昭元厚生労働大臣の講演を聞いてきた。日本では、所得の再配分前の子どもの貧困率よりも、社会保障費を払ってその後に給付を受ける、つまり所得の再配分を受けた後の方が貧困率が高くなってしまう・・・というデータがある(下のグラフ)。子育て世代は税金を払えば払うほど、その家計は苦しくなってしまうということだ。こんな国は日本だけだ。再度言う。こんなんで出生率なんて上がるわけがない。


富士市議会議員 法政大学大学院修士2年 鈴木幸司