第15期自治政策講座in横浜 「進む人口減少と自治体の政策」
~右肩上がりの成長・発展から発想の転換を~
5月13日(月)
第1講義 持続可能な都市経営の課題 「三鷹市の総合計画策定の実践から」
一条義治 三鷹市総務部政策法務課長(前企画部企画経営課長)
大都市部で爆発する高齢者の人口増。2000から2015で8割増加。
都市と地方の再逆転 (地方では高齢化が先に進展した)
2025年問題(団塊の世代がすべて後期高齢者)
都市部の自治体は財政が非常に傷み、国の支援も得られなくなった状況から、福祉施設や病院を急増しなければならない。
三鷹市の取組の方向性
生産年齢人口にターゲットを定めて誘致を行い、かつ同世代が一定程度安定して転入するサイクルを持続していくモデル。
例えば住環境マネジメントの必要性。「住宅地マネジメント」~マンション管理組合のような仕事を町内で行う。
・我が市の公共施設の建て替え時期と費用の予想(東洋大学にて予想ソフトを配布中)つまりファシリティマネジメントへの取組
・次にファシリティマネジメントからPRE(パブリックリアルエステート)つまり資産を所有しない経営へ戦略的に転換。
・サスティナブルで リジリエント(復元性・回復力に富む)な都市の必要性
・コミュニティ活動の展開
住民協議会による「コミュニティカルテ」や「まちづくりプラン」の作成
まとめ
急速に進む高齢化率と生産年齢人口の減少。
そこで、まずファシリティマネジメント。次に売れるものは売っぱらう「PRE」の実施。そして新しい公共(市民参加)への転換。
そこまではどこの自治体でも一緒だが・・・三鷹市の優れているところは「論点データ集」をコンサルを使わず、自らの手で作成したこと。
そして、そうした「問題提起」を若手の職員を中心に行い、市のサイトにアップしていること(市議会議員に一般質問のネタを提供しているだけじゃないかとの批判も)
現在自治基本条例の中に「パートナーシップ」を盛り込んだ。そこから派生した「まちづくりディスカッション」を行った。
(企画課長が知っている人が、誰もいないという市民参加)
(これまでの市民参加は参加の意欲のある人だけ)
(これからは声なき声の市民参加)
(2010年から無作為抽出枠の市民委員)
ここまでやれば議員定数の削減もありだと思う。
つまり右肩上がりの市民参加は喜ばれる市民参加、これからの人口減少時代の市民参加では、つまり学校の統廃合とか迷惑施設をつくるとか、必要だからやらなくてはならない部分の意思決定には、必ずステークホルダーつまり利害関係者以外の声なき声を聞かないといけない。
以下質疑応答
都市間競争をあおるだけではないか・・・
他より金がない。アイデア勝負。少しでも選んでもらえる市を作っていくのが私たちのミッション。
総合計画を自分で書く?どうしてそんなマインドの高い職員がいるのか・・・
風土として歴代の市長が職員の研修に寛容だった。特効薬はない。
外に出て(職員派遣)始めて知った。「三鷹市の職員はうるせー」と言われていることに(笑)