第46回衆議院選挙を総括する | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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第46回衆議院選挙(Wikipedia参照)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC46%E5%9B%9E%E8%A1%86%E8%AD%B0%E9%99%A2%E8%AD%B0%E5%93%A1%E7%B7%8F%E9%81%B8%E6%8C%99

一年前のエントリーで「次の選挙で民主党は大敗する」と断言した。
http://ameblo.jp/gosyukai/day-20120115.html
今回の負けっぷりは予想通りだったので、特に感想は無い。
 
ただ、きちんと原因を総括しておかないと、次もまた負ける。
戦訓の蓄積は非常に大切。
だから民主党政権の3人の首相についてメモを残しておく。

かつて、小泉郵政選挙の敗因を小沢一郎だけは、風のせいではなく、「民主党の地方組織の弱さ」だと言い切った。
結論を先に言うと、今回も同じだ。
日本人が右傾化しているなんてのはヨタ話の類だ。
比例の得票率を見てみると良い。
自民党もそれほど伸びているわけではない。今回は民主党が勝手に負けたのだ。
国民は正しい選択をしている。

端的に言えば、有権者は今日の暮らし向きが良くなったか、苦しくなったか、もしくは明日の暮らしに希望が持てるか、持てないか・・・それだけを根拠に投票すればいい。だから現下の経済状況では、民主党に勝ち目は無い。
もう少し負け幅を小さくする為に、看板だけ架け替えるという手もあった。でも、それは誠実な態度ではない。

自民党の河野太郎さんが自分のブログで、「厚生年金に関しては、2004年に大改革が行われ、「100年安心」年金ができたことになっている。もちろん、それは真っ赤な嘘だ」と告白している。

http://www.taro.org/2012/01/post-1141.php

民主党は自民党政治との連続性に苦しんだが「合計特殊出生率1.26ショック」「医療崩壊」「年金崩壊」は、政権交代後の3年で食い止めた。すでに消えた年金の80%はお年寄りの手元に戻った。

そんな中で重要なテーマとして上がってきたのが財政再建と日本国債暴落の問題だった。
関西大学の小西教授は日本の財政は案外大丈夫なのだとしながらも、
「市場の凶暴性については計算不能であり政府が一旦隙を見せたら、日本国債暴落の可能性がある!」
・・・だから野田政権は「税と社会保障の一体改革」に踏み切らざるを得ない。
隙を見せたら即死の可能性があると警告。

http://ameblo.jp/gosyukai/entry-11164302933.html

野田政権はここで、マニュフェストにはない「消費税増税」に取り組むハメになる。
財政問題に未熟な民主党をここまで導いたのは、実は谷垣総裁の功績だ。
危機に際して自民と民主は、検討に検討を重ねた。
転落の崖っぷちでハンドルを切った野田さんと谷垣さんの功績については、今後の歴史が証明するのを待つしかない。


一方で鳩山さんは本気で米国からの独立を考えてたようだ。
あの人は、「オペレーションズリサーチ理論」の専門家であり、そして善人であるという欠点をもってる。

民主党政権はアメリカの「年次改革要望書」の受け取りを拒否した。
自民党に戻れば、また1年ごとに「要望」をつき付けられるだろう。
地政学的にいえば、普天間の問題など、自民党が決めたことだと粛々と進めておけば良かったのだ。
沖縄の現状に心を痛めてしまう・・・そんな弱さをもった人間が首相になってしまったことが問題だった。

日本人は、こと防衛問題に関しては、アメリカ人の靴を舐め続けなくてはならない。
戦争に負けると言うのはそういうことだ。

もうひとり、本気で対米従属に異を唱えた人物がいた。「アメリカのプレゼンスは第7艦隊だけで十分」と発言した小沢一郎。
不平士族を率いて民主党を飛び出したが、選挙の名人と言われる小沢さんが、本気で勝つつもりがあったか疑問が残る。
離党者の小選挙区での勝敗は「1勝70敗」・・・。逆を言えば、ひとつ旗のもとでならば、まだまだ戦えることを示している。
しかし、今回はそれもやらなかった。

問題は菅首相だ。
東電本社に怒鳴り込み、「撤退したら潰す」と私企業を脅迫。10万人の自衛隊員を投入し、被災地の道路を確保した。
原発での決死作戦では「国民の為に必要な犠牲を払え」つまり死んでくれと命令する、鳩山さんとは真逆、冷酷な首相のおかげで日本は危機から救われたのかもしれない。しかし、第7艦隊が一時退避したように、あのオペレーションが成功しなかったら、箱根から向こうには人が住めなくなる可能性もあったのだ。軍人と政治家は仕方ない。しかしあの時、国民に対して避難情報を出さなかったその一点で、私は菅直人という人間を信用しない。
 
結論は先に言った。
私たち民主党の地方議員、そして地方組織の脆弱さが敗因だ。
どんな組織にも強化のために必要なものがある。
 
それは「共通の目標」。
民主党はどんな未来を目指すのか、そのための「綱領」を示していただきたい。
それなくして、地方組織は戦えない。
 
富士市議会議員 鈴木幸司