7.15 災害対策特別委員会 | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 委員の一人として、議論に加わりました。
まず、市長による東北地方太平洋沖地震の視察の報告。
その後に富士市の地域防災計画の概要説明と続きました。

先日の東北地方太平洋沖地震の大きな津波で
「助かった人」と「逃げ遅れた人」がいたように 
世の中には
「勘の良い人」と「勘の悪い人」の2種類がいると考えられます。

この違いがどうして生じるのか、判りますか?
 
勘の良い人間は日頃から「現場を見る」という行動をとります。
言い換えれば、人から聞いたり、
インターネットで映像を見たりする他に
自分の足で現場を「踏む」ことで「勘」を養うのです。
 
今回の市長と職員による視察は
その意味で、とても良いことです。
 
市議の仲間達も、陸続と現地を視察に行っています。
 
現場を踏み、音を聞き、臭いをかぎ、
そうして惨状を目の当たりにして
肌で感じることで、初めて
自分の言葉で語ることができる・・・
それが「勘を養う」ということです。
 
さて、視察の報告に続き、
「富士市地域防災計画」の概要説明は
一転して「トンチンカン」なものになりました。
 
例えば、
いまだに津波の高さの想定が2.6から3.8メートルだったり、
(つまり第3次被害想定のまま)
県が被害想定を引き上げていないので仕方が無い・・・そういう説明を受けたわけです。
 
思い余って、先輩議員の中から
「もう少し、会議の進め方を変えましょう」
という意見が出され、
当局を交えない形でよいから、
議会独自の取り組みをすすめよう、
という話になりました。
 
私も思わず、計画の
「命令を受けた職員は、現地で避難広報をする」
というところで、
「東北大震災では、そうやって広報活動した方々が高い割合で犠牲になっていますが、職員には拒否権はないんですか」
と聞いてしまいました。

当局からは
「市職員に拒否権はない」
という回答を得ましたので
「命がけの仕事になりますが、宜しくお願いします」
と(これはもちろん皮肉です)お願いしておきました。
 
駿河湾は奥に行くほど急に深くなる構造を持っています。
水力学上、流速は深さの2乗に比例しますから
震源域によっては、
津波は地震発生後10分ほどで到達する可能性があります。
 
東北太平洋沖地震と違って、
東海地震によって引き起こされる津波は
高さよりも速度が問題になります。
(その破壊力は1/2MV2で表わされますから、速度が倍なら威力は4倍です)

地震発生後、市長の命令を受け、避難を呼びかける為に広報車に乗り込み、海岸付近に向かう市職員はかなりの確率で命を落とします。
 
富士市の防災計画は市の職員の犠牲を前提としている段階で
すでに計画として破綻しています。

関学の河田教授は各市町村が作成した「地域防災計画」を批判して

①計画が詳細すぎて、これで大丈夫という錯覚が生じる。
②その結果、計画を立てた後、これにそぐわない点を あえて探そうとしなくなる。
③計画があると自分は必要以上に多くの事を知っている、と勘違いをする。
・・・ 
そうした必要以上に分厚い防災計画は
いざという時、避難所の枕にしかならない!
 
と述べています。
http://ameblo.jp/gosyukai/entry-10947414211.html

市職員の犠牲を前提としている時点でこの計画は、2番目の「その結果、計画を立てた後、これにそぐわない点をあえて探そうとしなくなる」という陥穽に落ち込んでいることは明らかです。
 
イザという時、本当に役に立つ
(避難所のマクラにならない)
地域防災計画を作成しておく必要があります。

富士市議会議員 鈴木幸司