情緒的批判に反論する2 | 富士市議会議員 鈴木幸司オフィシャルブログ Powered by Ameba

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「民主党も政府と与党を使い分けている?」
 昨日は民主党に対する感情的な批判その1として「官僚に操られている」という誤解を解くべく努めた。その際「市議→県議→国会議員」という派閥による人材育成システムが民主党には無いことを説明したが、じゃあ民主党はどうしているか。それは主に「公募」ということになる。
 実は民主党の国会議員の問題点はここにある。民主党には弁護士だったり、元官僚だったりする人材が多いが、皆その道を極めてから政治を志すわけではない。官僚ならば、次官への出世コースを登っていくような人材は省庁に残る。そんな彼らへの嫉妬心から、違う道を選び、民主党の公募に挑戦する。
「僕のほうが上手にガンダムに乗れるのに」と口走るアムロのような秀才たちが民主党には多いのだ。偽メール事件のような単純な詐欺に引っ掛かってしまうのはその辺りに原因があるのだが、彼らも痛い目にあい、一回り成長したことだろうと期待したい。
 
 民主党は小沢幹事長の方針で鳩山政権に対する「ちょうちん演説」や「八百長質問」を一切禁止した。政策は政府が執行し、国会への法案提出も政府提案に限る・・・この方針が一元化と呼ばれるものだ。都合によって政府の立場と与党の立場を使い分けているわけではない。

昨日と同様、上久保准教授の論文「政策過程の一元化への誤解と小選挙区・二大政党制批判の誤り」から引用する。http://diamond.jp/articles/-/8001?page=2

 民主党の政策立案過程改革は誤解されている。例えば、民主党は政府外議員の政策決定への関与拡大を決めた。例えば、党側の議員が内閣に意見を伝える「各省政策会議」に衆参関係委員会の理事らが加わることになったが、その結果党側の発言力を強めて、政策過程の政府への一元化を崩壊させたと批判されている。
 しかし、これは「政務三役」の過重労働問題を、各省連絡会議の参加者を増やすことで解決しようとするものだ。また、これは政策立案システムが英国型議院内閣制により近い形になることを示している。
 英国を参考にした民主党の「政府に100人の政治家を官庁に送り込む」という構想では、元々党幹部も政府に加わることになっていた。各省政策会議の拡大はそれに沿ったもので、むしろ「政策立案の一元化」を強化するものだ。
 更に言えば、各省政策会議は党の幹部が加わろうともあくまで霞が関で開催される「政府の会議」であり、三宅坂で行われる「党の非公式な会議」とは明確に区別されるべきであることも付け加えておく。


 もう一つ、大下英治著「小沢一郎の最終戦争」P355からも引用しておく。

 ただし、民主党の良さは、自由闊達な議論ができることにある。が、細野は、政府与党一元化という大きな方向性のもとで少し窮屈になっているような気もしている。
 議員立法も、政権交代直後の平成二十一年九月十八日、政府・与党の二元的意思決定を一元化するため原則禁止し、法案提出は原則、政府提案に限ることを決め、党所属の全国会議員に通知した。が、現在は、政府に入らなかった国会議員の政策研究の場として衆議院の委員会ごとに設置した「質問研究会」でオープンに議論し、必要とあれば議員立法を検討することも了承されている。

 
 つまり、ここでも国会の常任委員会が主役なのだということを、理解していただけるだろうか。
 国会が主戦場である以上、「小沢支配」などという感情的な批判はあたらない。というか、小沢さんは国会を支配しようなどとは考えていない。あとは若い者達に託そうというのだ。まあ、選挙だけは自分でやりたくて仕方が無いようだが、そろそろ民主党議員たちも小沢さんから卒業してもいい頃じゃないだろうか。
 
yan



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