西松建設からの多額の違法献金を受けたとして、検察は強制捜査に踏み切った。これに対し、小沢さんは今日の午前中、記者会見を開き説明責任を果たしたかに見える。この説明、一見理屈は通っている。しかし、民主党の代表として「政治とカネの問題」という爆弾を抱え続けるのはいかがなものだろうという疑念が頭から離れない。
問題の「迂回献金」は与野党幹部や県知事に対し幅広く行われていたが、東京地検特捜部は小沢さんの資金管理団体への献金額が突出していると重視して立件に踏み切ったわけだ。
西松建設をめぐる経緯を時系列にそって並べてみる。
08年6月4日
東京地検特捜部が西松建設本社などを外為法違反容疑で家宅捜索。
11月19日
高原和彦元副事業部長を3500万円を着服した業務上横領容疑で逮捕。
11月21日
特捜部が国沢幹雄社長宅を家宅捜索。
09年1月14日
藤巻恵次元副社長らを外為法違反容疑で逮捕。
1月20日
国沢社長が辞任。直後に外為法違反容疑で逮捕。
この時期、小沢さんは国沢社長らの献金が違法なものであったと判明した場合は返金すると記者会見で言明している。
2月3日
特捜部が藤巻元副社長らを起訴。
2月10日
特捜部が国沢前社長を起訴。法人として西松建設も略式起訴。
2月24日
特捜部の事情聴取を受けた長野県知事元秘書が自殺。
そして3月3日
小沢一郎民主党代表の資金管理団体の会計責任者で公設秘書、大久保隆規容疑者らを政治資金規正法違反容疑で逮捕。
現在、西松建設からの迂回献金を受け取ったことが判明している国会議員は
民主党、小沢一郎・山岡賢次。
自民党、二階俊博・尾身幸次・加藤紘一・藤井孝男・森喜朗・藤野公孝・山口俊一・加納時男・川崎二郎・山本公一・林幹雄・古賀誠・渡辺具能。
改革クラブ、渡辺秀央。
国民新党、自見庄三郎。
(しんぶん赤旗1/26より)
こうした経緯を眺めると、地検はきちんと順を追って捜査の手を広げてきたようだ。時期が時期だけに「国策捜査だ」と反論したいのはわかるが、追求がこれで終わりだとは思えない。
さもなければ、小沢さんの2000万円がアウトで、それ以下がセーフだという線引きが、どのような根拠で行われたか特捜部には説明する責任があるだろう。
yan