間もなく、現憲法下で初めて総理の問責決議案が可決されます。参議院の問責決議案は拘束力がないという議論がありますが、そんな軽いものではありません。憲法第66条には「内閣は、行政権の行使について、国会に対して連帯して責任を負う」とあります。国会の半分を構成する参議院に対して連帯して責任を負うことの出来ない福田政権は、憲法上行政権を行使するには、疑義のある存在になったわけです。「今、選挙をやっても負けるから解散しない」という自民党の理屈は、あまりにも無責任です。これまで自転車操業を続けてきた自民党ですが、ついに一輪車総理を担ぐに至り、今日から国会は未曾有の事態に突入します。細野豪志 6/11
「一輪車総理」というレッテルを貼りたいのは判るのですが、
これは民主党にとっても厳しい局面です。
以前から本稿で述べてきたように
ねじれ国会では、
①民主党が左側で一枚岩になっている限り、自民党は妥協を強いられる。
②自民党が原則を決めて、強い姿勢で臨んだ時、初めて民主党と闘うことが出来る。
この二つの法則があります。
福田さんは「最大の犠牲者は国民」と言ってましたが、
300議席をもつ衆院で信任決議案を可決し、
参院の問責決議を無視する態度を示したということは、
実は、その国民の「直近の民意」を無視する、
そういう覚悟を決めたということです。
「一輪車総理」などと揶揄してみても
解散も総辞職もしないと決めた現政権は
いわば「無敵マリオ」状態になったわけですから、
民主党が次に打てる手は限られてきます。
解散権は首相の専権事項。
福田さんが「解散しない権利」を行使する限り、
自民党内に倒閣運動は起こりません。
安倍さんが派閥の領袖たちを次々と閣内に取り込み、
篭城を決め込んだのが前政権です。
安倍さんも
「直近の民意は無視する」覚悟は決めたのですが、
残念ながら気力のほうがもちませんでした。
またもや福田さんが「自爆」しない限り、
現政権は、あと一年はもちます。
覚悟を決めたことで、逆に支持率は上がるでしょう。
民主党に打てる手は、
世論に訴えることだけでしょうか。
いいえ。
民主党には「国政調査権」という最終兵器があります。
審議拒否は単なる「ポーズ」でいいのです、
これを炸裂させる場はやはり「国会」ですから。
yan