[2007/12/14号]
肝炎訴訟に関する大阪高裁の和解勧告が出ました。原告団と小沢代表との面談に同席して、思わずうなってしまいました。この和解案を飲めば、原告団の何人かは、国から相当の補償を受けることが出来ます。肝硬変、肝癌への恐怖を抱えながら生活している人にとって、事態は一刻を争います。それでも、補償案を拒否をし、全員救済を求める決断を原告団はしました。長期間、世論に訴えかけ続けてきた原告団の念の強さは、我々の想像をはるかに超えるものでした。原告控訴はあまりにも酷な結論です。総理の政治決断を求めるには、越年国会は持って来いです。細野豪志 12/14
かつて、ハンセン病訴訟で政府敗訴の判決が出た際、
当時の小泉首相は
「控訴せず」という政治決断を下して男を上げた。
このブログで何回も言っているように
政治の役目というのは
「合理的でない決断を下して、周囲を丸く治めること」
なのだ。
もし世の中が合理的に出来ているのなら、
政治家はいらない。官僚と学者が居ればいい。
今回の和解案も、「常識的」なものだ。
一編の通達、紙切れ一枚の前と後とで線引きをする、
厚生労働省に言わせれば、
実に合理的な判断だといえよう。
私の死んだオヤジも肝硬変だった。
当時は「非A非B型肝炎」と呼ばれた。
戦後のどさくさ期に、ヒロポンのまわし打ちで
感染した人たちまで救済してくれとは言わない。
だが、確認しようにもカルテの保存期間は5年。
C型肝炎の感染者は200万人を超えるだろう。
今後発症する人たちも救済できる枠組みを造る為、
今回、原告団は自分たちだけの救済案を拒否した。
くれるというお金は貰っておけばいいじゃないか・・・
そういう「合理的な」判断を超えたところに
原告たちの「おもい」がある。
福田さんにもこの「おもい」は通じるはずだと信じたい。
yan