悪いとは言っていません。
「時代遅れだ」と申し上げたいのです。
橋梁談合事件は記憶に新しいと思います。
確かに刑法の「談合罪」で立件されるような事例は姿を消しました。
問題は独占禁止法違反(不当な取引制限)なんです。
自民党政権は、かつては大票田だった「農漁村」を見捨てました。
夫唱婦随、二人三脚で苦労してきた糟糠の妻よりも、最近では、
IT産業だとか、都市部の大企業といった
「魅力的な新しい女」に色目を使うようになりました。
農家にはわずかなあてがい扶持をくれて、
静かに安楽死して欲しいと思っているんです。
建設業界も、はやく目を覚まして、
自分の脚で立たないと、大変な事になりますよ。
ここで、ここ数年の「入札談合事件」の事例をいくつか並べてみます。
旧清水市の場合 03年11月13日
静岡市と合併する前の旧清水市など発注の土木・舗装工事をめぐる入札談合事件で、公正取引委員会は独占禁止法違反で排除勧告を行った。26業者はすべてAランクの格付けで、25業者が清水建設業協会の所属会員。同協会は昭和五十七年八月にも入札談合事件で排除勧告を受け、会員が課徴金を科されている。
新潟市の場合 04年7月28日
新潟市が発注する建設工事の入札参加全業者(113社)に公正取引委員会が排除勧告を行った。今後、勧告に応じた業者には落札金額の3%の課徴金納付命令が発せられることになる。
少し遡って、町田市の場合 01年8月3日
公正取引委員会は町田市が発注する建設工事の入札参加業者に対し、落札金額の3%の課徴金納付を命令。(88社のうち54社)
そして去年、03年10月27日
町田市は勧告に従い課徴金を支払った52社に対し「落札金額の10%」の損害賠償を請求。業者側52社はこれを拒否。
04年6月20日
町田市議会、損害賠償請求訴訟の提起を本会議で可決。
清水市と新潟市の事例の際立った違いは、
清水では談合を主導していたAランクの業者だけが排除されたのに対し、
新潟では消極的参加していたB・Cランクの業者に対しても
一律に課徴金の納付命令が発せられたことです。
そして新潟では談合を主導していたのは役所側だと認定され、
「官製談合事件」として多くの逮捕者を出すことになりました。
そして最後の町田市の事例には驚かされます。
勧告に従い「話し合い」が在ったことを認めた業者に対し、
発注者側が2年後になって「損害賠償請求」を提訴したというのです。
その額は落札金額の10%!・・・
あれ?行政と業界は、地方経済の底上げと雇用の確保のために
共に手を携えて行くんじゃなかったの?
建設業界がそう考えて、振り返ったら、
後ろから弾が飛んできている。
これが現実です。
「時代遅れだ」というのはそういうことです。
by ヤン