6月定例会における条例改正で、
民間活力導入のための所謂「コンセッション方式」が採用可能となりました。
そして、7/26の全員協議会で今後のスケジュール等の説明があった。
当日資料には
「砂山公園プールの維持管理・運営において、現在は指定管理であるが、今後の運営管理について更なる民間事業者のノウハウを活用する手法としてコンセッション方式を採用する。
市は、開業前に事業者が実施する大規模改修の費用を限度額の範囲内で負担するが、開業後の維持管理運営については、引き渡し時に万が一の瑕疵があった場合を除き、事業者が利用料金等の収入による独立採算で実施することを基本とする」
と書かれています。事実上の民営化です。
事業スキーム図を下に示します。
協議会では多くの議員から質問がされました。
反対意見の方が多かったようです。
Q;沼津市との協働は検討したのか?
A;富士市の施設なので沼津とは話し合っていない
意見)広域利用も考えても良いのではないか
Q;リスクの分散について 収入が少ない場合は
A;事業者が負担する
意見)実際に何かあれば市が負担することになるのではないか
Q;コンセッション方式を選んだ経緯はコンサルからの提案か?
A;コンサルからだけではなく 関係各課を含め三者が相談した
Q;結局 上から降ってきた コンサルの実績づくりに利用されたのではないか
市長
A;我々も何度もやりとりしている中でこうした話にまとまった
Q;コンセッション方式が全国的に普及していない 浜松市でも頓挫した
なぜ実績が少ないのかをどう分析しているか?
A;コンセッション方式に欠陥があるわけではない
文教施設の事例は大変に少ないことは事実
小規模な施設では指定管理者制度で間に合っていることも事実
しかし、ハード投資も事業者が行う今回のようなコンセッションが相応しいと考えた
市長
A;これまで28年間多くの管理費用・修繕費をかけてきたが、7対3で市外利用者の方が多い
施設の位置付けを明確にする 他の公共施設とは違うとご理解いただきたい
サウンディング調査では既に民間事業者から有効利用の提案をいただいている
Q;指定管理期間を10年にすることも可能 コンセッションではなくても長期的な借用はできる 10年指定管理については検討したのか
A;当市では総合体育館を10年指定管理とする前例がある
Q;前例はわかった、今回のプールで検討したのか
A;法律上10年しては可能と理解している だが指定管理は通常5年が多い
資産管理課長
A;指定管理は管理代行 コンセッションは経営を行うビジネスパートナーという考え方 指定管理が通常5年というのは事業の見直しがしにくいからです
市民部長
A;事業者の提案はコンセッションを前提としたもの 指定管理ではこの提案が出てこないことをご理解いただきたい
Q;海外の失敗事例は研究したのか
資産経営課長
A;パリの事例を言ってると思うが 長く民営化していたため市の管理が薄くなったという問題がある モニタリングをしっかりすることで防げる
Q;マリンプールは市にとってお荷物なのか
A;新たな市民サービスを提供することで料金設定していく
Q;ビジネスパートナーというのはどういう意味か
A;そうした新たな市民サービスの提案は民間事業者の方がノウハウを持っている。それを活用したい。
Q;引き渡し時に万が一の瑕疵があった場合とは
A;市の水道事故によって水の供給が停止した場合などをいう
Q;損失の補償を100%おう場合があるとは
文化スポーツ課
A;インフラの破損によって1年間運営できなかった場合、収益も保証する必要がある そこが指定管理と違う
Q;投資詐欺みたいな表を出されてもおかしい こんな魔法みたいな話はない この資料はどこから出たのか
A;ハード投資を含め、事業者が負担する 使用権も担保にできる
大まかな試算ではあるが、1億2500万円の負担削減はできると考えている
Q;ここは都市公園にあたる為、お弁当など持ち込みを禁止してはいけないという一文を加えることはできないか?
A;持ち込み禁止はやりたくてもできないと思う 現実的にはないのではないか
意見)はっきりしないところがコンセッション方式の問題点だ 市の権限を手放すことで「埼玉水着事件」のような公序良俗に反する事例には対処できるのか疑問
Q;営業権の譲渡に制限をかけられるのか 善意の第三者に対抗できるのか
資産経営課
A;運営権については物権とみなされ 登記に変わるものとして国への登録制度がある
Q;抵当権が金融機関に渡った場合は
文化スポーツ課
A;競売で落札した事業者が使うわけで市に損害はない
Q;それはおかしい 運営権を手放すこtになる
A;その場合、市が落札しなければならないというリスクはある
競売を勝手にできないように金融機関と話し合いたい
Q;メインターゲットの5~30歳の人口が減っている そもそも利益が出るのか
A;マリンプールに利用者には、密を避けるための入場制限をしている それでもオンシーズンには設定を超える利用者が集中する。今後も利用者には時間制限をしていくが、そもそも数で稼ぐという考え方はしていない。9カ月間の閉鎖期間オフシーズンにもサービスを展開することで利益を上げられる
Q;ここまで老朽化が進んでいる施設を指定管理で手を挙げる業者がいたのか
A;当初は指定管理で業者を探そうとしたが、サウンディング調査を進めれば進めるほどコンセッション方式の要求が高まった
反対ばかりではなく、以下のような意見もあった。
皆さん、利用料金が上がる心配ばかりしているようだ。
市営だから安くすべきと言うが、維持管理費には市民の税金が使われ、
それでいて7対3で市外利用者の方が多い施設
活用しなければ守れないのならばコンセッションも一つの方法ではないか
お金が悪いんじゃない これはサービスの対価をいただくという考えに立てないものか
より良いものを作れば自然とサービス対価は上がるもの
いろんなアクティビティが増えるのであれば市外からのお客さんについては、
富士市民の倍ぐらいでも良いのではないかという話もある
利用料金設定は事業者のノウハウの範疇です
事業スケジュールは以下の通り。
(写真は静岡新聞より引用)