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自作ゲーム制作拠点

現在作っているゲームの設定、進行状況などをずらずらとただ書き連ねているブログです。

 少女は、自分が輪郭のない白い空間にいることに気がついた。空も、大地も、すべて白一色に染まった奇妙なそこに、少女はいたのである。

「ここは?」

ポツリと呟いた一言も、その空間の中で掻き消えていく。地平線もないこの空間では、声さえその役目を果たさないのであった。彼女の他は何もない、平坦な空間。別次元に迷い込んでしまったのだろうか?そう少女は悩みこんだが、そうではなかった。ここは確かに、彼女のよく知る世界なのだ。ただ、何もないというだけで……。

 ただ考えるだけではらちが明かないと考えた少女は仕方なく、一つの方向へ歩いてみることにしたが、行けども行けども何もないのだ。白と、白と、白。白としか言いようのないこの空間。白しかないこの異様な空間。それは確かに一つの空間であったが……空間として成り立っていないのではないかという、不安定さを持っているのだった。

 だがしかし、少女はこの空間に存在する唯一の物であろう一つのドアを見つけた。白い空間に、大穴を空けたような赤いドア。確かに、ここに存在する、赤いドア。少女は一瞬、何かを思い出しかけたが、すぐにそんなことは忘れて、迷わずそのドアを開けた……。

「先生、重体患者が一人運ばれてきました。」

「うむ。それで容体は?」

「意識こそ戻らないものの、安定してきましたので、集中看護室に移しました。」

「そうか。ところで、あの少年はどうなった?」

「あの少年というと……意識はないのに、絵を描き続ける少年のことでしょうか。」

「そうだ。今も彼は、その――絵を、描いているのか?」

「ええ。……今日は、何か町のようなものを描いていました。」

「奇妙、実に奇妙なことだな。一体どうなっているのだ……。」


 ドアの先には、実に奇妙な空間が広がっていた。淡い色彩で描かれた桜色の屋根。森永商店と大きく書かれたお店の看板。ガラス一つ一つが光を放つビル。町の中心にある白群色をした電波塔。輪郭があるはずなのにどこかぼやけた、幻想的な世界。町だ。町なのだ。確かに町のはずなのだ。だが、誰も。誰もいないのだ。町だけがそこにある。そんな奇妙な空間がそこにあったのだ。家も、お店も、ビルも、電波塔も……。人の気配一つしないのに、あるのだ。これほど奇妙な空間があるだろうか?

 少女は、人を探すべく、さまざまな場所を探した。しかし、誰もいない。人の生活した跡さえないのだ――少女は、自分が気が狂ってしまったのかと思ったが、その建物たちに質感があることで、何とか気を保った。だが、少女は突然とても強い倦怠感に襲われ、地面に仰向けに倒れ、一言呟くと、そのまま意識を失った。

「寂しいよ」

そう、呟いて。


「先生!大変です!患者が――患者さんが!」

「どうしたんだいきなり。まずは落ち着きなさい。なにが、どうなった?」

「患者さんが……みんな意識が無くて、誰も……誰も目を覚まさないんです!」

「待て。意識が無い……?どういうことだ?」

「今は人工呼吸器で呼吸をさせていますが……、その、なんといいますか、まるで脳死状態みたいなんです、一人残らず。」

「それはつまり……患者が、全員自発的な呼吸ができていない上、瞳孔が広がっているということか?」

「はい。……ただ、みんなまるであの少年のように腕や足が動くんです。」

「こんな……こんなことは聞いたことが無いぞ!一体どうなっているのだ!」


 少女が目を覚ましたとき、町は今までとは何かが違っていた。人だ、人がいるのだ。少女が意識を失う前には、寂れた町だったそこは、今ではたくさんの――とはいっても視界に入るだけでも100人ほど、町全体でみれば500人程度ではあるが、まさしく活気の溢れた町になっていたのだ。少女はその事実に驚きつつも、ではいったいこの町はなんなのだ、それを知るために散策を始めた。家からは明るい会話が聞こえ、商店街からはさかんに値切り交渉をするおばさんの姿が見える。ビルからは明りが洩れ、電波塔からも電波がビリビリと出ている。確かにそこには町が――つの町があるのだ。どこにでもあるような、そんな町が。
 だが、一つ、たった一つだけ、少女は何かが違うことに気がついた。人々がどこか違うのだ。他の町なら一人くらい無表情だったり、暗い顔をしているものだが、そんな人はどこにもいない。皆、明るい顔をして、楽しそうに生活している。それが本来町にあるべき姿なのだろうが、少女は恐怖を覚えた。皆心の底から笑っている。皆心の底から喜んでいる。それが当たり前のように、なんの疑問も持たず生活しているように見えたからだ。彼女の本能が、ここは危険だと激しい警告音を鳴らした。今まで幻想的に見えていた空間が、町が、世界が、とても恐ろしい何かに見えてしまって、少女は目をしっかりと閉じた。だが、視界が閉じられたことによって、それ以外の感覚はより強まってしまう。聴覚が、嗅覚が、触覚が――感覚の全てに、この世界が染み込んでくる。耳を塞いでも、息を止めても、それでもなおあの電波がバリバリと皮膚を刺す。
 堪らなくなって、少女は駆けだした。何処かこことは違う、何処かへ行きたくて、辛くて、泣きたくて、感情が溢れだしそうで……、無我夢中に少女は逃げ出した。


「どうだ、第一回脳死検査の結果は。」
「駄目です、誰も反応がありません。」
「なら、例の少年はどうした?彼もなのか?」
「ええ、反応はありませんが。」
「なら、絵は何か変わっていないか?」
「絵……町の絵に、人がいたようですが……。」
「そうか、人がいたか……。」
「奇妙ですね、先生。彼のような状態に皆陥るなんてことがあるのでしょうか?」


 彼女が電波さえ感じなくなって、ようやく目を開けたのは、町から何kmも離れた頃であった。何も感じなくなって、安心したと言えるかは微妙であるが、彼女にとってはあの状況より遙かにマシであった。
 何もない、白い空間――また元の空間に戻ってきてしまったのかと一瞬少女は焦ったが、そうではなく、少し歩いた先に小さな診療所があった。白い空間に白い診療所。いささか奇妙な光景だったが、少女はホッとした。さっきまでいた町とは違い、そういった恐ろしさはなかったから、今まで見てきた建物とは違い輪郭がはっきりしているから、理由は分からないが、とにかく、少女はホッとして、白いドアを開けた。
 ドアを開けた先には、やはり、白い壁に白いベッドがある。ここがとても小さな診療所であることを実感して、少女は溜めていた息をフーっと吐く。そして、物音一つしない空間に少女はこう声をかけてみて、反応を待つ。
「誰かいますか……?」
しばらく待っても誰も来ないため、半ば諦めていたとき、ベッドの中から白い服を着た少年がモゾモゾと起きてくる。少年は肌も白く、病気でもしているかのような様子だった。 
「君は……?」

少女がそう問うと、少年は起き上がり、診療所に唯一ある小さな窓を見ながら突然こう言った。

「僕には名前はないよ。この世界では。僕も。他の人たちも。そして君も。皆、名前なんてものはないんだ。あるのは抽象的な――少年、少女。男性、女性。そんな、ぼんやりとした名前しかないんだ。」

少女には、少年の言っている意味がわからなかった。解ろうとしても答えはスルスルと捕まえようとした手から逃げて行く。そんな少女を気にも留めずに、少年はこう続けた。

「この世界では、皆、幸せなんだ。不幸なんて一つもない。この世界にいれば、皆幸せなんだ。自分の夢が叶う。平和な家庭、お店を開く、汗水流して働く――。そんな夢が、誰でも平等に叶うんだ。町にいた人々の顔を見たかい?皆キラキラと顔を輝かせているだろう。あれは、皆自分の夢が叶っているからなんだよ。だからさ、君も……ね?」

 そう彼が呟くと、ベッドの横にあったコンロで、やかんを温め始めた。やかんを包む炎はとても綺麗で……とても赤くて……炎……燃えて……!!!

 少女は……瞬間のうちにすべてを思い出した。自分のことも。直前までのことも。そして、一つのビジョンを浮かび上がらせた。

 あそこは……家だ。家が……燃えているのだ。少女の家は――燃えてしまったのだ。そしてその中に、彼女は……優衣はいたのだ!!!

「ああああああ!!!あ……あ……あ……。」

「どうしたの!?」

「私の家が……私の……私の……」

そうなのだ。優衣の家は、燃えてしまったのだ。誰かが……優衣の家に、火をつけた。個人的な怨恨か、はたまた、悪戯でやったのかはわからないのだが、誰かがやったのである。両親は家におらず、優衣ただ一人のときに、炎は燃え上がった。そして優衣は煙で気を失い……病院に運ばれたのだった。

「……そうか。優衣。全部思い出してしまったんだね。こことは違う……。現実世界の記憶を。」

少年はそう言うと、優衣が落ち着くのを待ってから、こう語り始めた。

「実はね、僕は君がここに来るよりずっと前から病院にいたんだ。意識はなくて、白い空間をただ漂っていたんだ……。だけどある時、僕は右手だけは現実世界で動かせることに気がついたんだ。僕の右手は、キャンパスを求めた。この何もない空間に何かを置きたかった。白を、いろんな色でごちゃ混ぜにしたかったんだ。病院の人たちは、僕の仕草を見て、キャンパスをくれたよ。そしてこの空間、死に一番近いこの“夢”という空間に町を創りあげたんだ。」

「死に……一番近い……“夢”?」

「多分、君は最初にその空間を見たんじゃないかな。そしてたまたま僕の世界に通じるドアを見つけた。一歩間違えれば……花畑に囲まれて、川を渡っていたと思うんだ。」

優衣は彼の言おうとしていることがなんとなく分かった。あの最初にいた空間は、所謂三途の川だとか、綺麗なお花畑と同系列にある空間だったのだろう。
「僕はね、君のことをよく覚えているんだよ。君はもう覚えていないかな?昔近所に住んでいた病弱な男の子を……?」
優衣は記憶のバケツから、スコップを使ってその記憶を掘り出した。多分、いた。いや、絶対いた。あの男の子の名前は――
「まさか、さとる君!?」
「よかった、覚えていてくれたんだね。そうさ。僕はさとる。悟さ……。」
優衣の記憶から、彼の記憶が溢れだしてきた。幼稚園から、小学校まで一緒にいたさとる君。ある日いきなりいなくなって、それから学校にも、家にも来てくれなくなったさとる君……!
「悟君……ずっと、悟君は病院にいたの?」
「うん。とても、とても長い間。時間の概念なんてとっくのとうに忘れてしまったよ。」
優衣は、ここは死に一番近い場所なのだと思いだして、悟は、つまりずっとこの空間にいたのだと理解した。――そしてなんだか、とても彼が愛しくなった。
「悟君、……悟君!」
「君がそうやって呼んでくれたのはいつぶりだい?ああ、懐かしいね、何もかも。」
彼は背も、声も、何もかも変わっていたが、眼は、その優しげな眼だけは少しも変わっていなかった。優衣はその、悟の眼を見て、とうとうワッと泣きだしてしまった。
「まったく。君は泣き虫だなぁ。でもね、ここにいれば、そんな辛い感情すぐになくなるさ。だって、ここは“夢”の世界なんだから、ね?」
そうやって、悟はニコッと笑いかけたが、優衣には逆効果だった。彼が、遠い、遠い何処かへと行ってしまった気がして、そして恐怖を感じた。何も感じない、幸せしか感じない、死に一番近い世界でずっと過ごすと思うと、さっきまでとは違う涙が溢れてくる。
「……ねぇ。」
「どうしたんだい?優衣。」
悟は笑みを少しも崩さなかったことが、余計に怖くて、鼻声になりながらも、彼女はこう尋ねた。
「もう……こんなとこ、出ようよ……。」
その一言を聞いた悟は、先ほどまでの笑顔と打って変わって、鬼のような形相でこう怒鳴った。
「何を言っているんだ!ここを!出たって!いいことなんて!何も!何も無いんだ!!!君はそれがどうして分からない!?」
「私、嫌なの……幸せしか感じない、ここが、嫌なの……。だから――現実に帰ろう?」
「現実なんて!嫌なことしかない!いいことなんて何も無いんだ!!だから!!!だから!!!ここに皆で一緒に暮らすんだよ!!!君が望むことなら何だってする!現に君のためにこの町に人々を集めた!僕らはここで過ごす限り悩み事もないんだ!嫌なこともないんだ!」
「私と出会ったことも……嫌なことなの?」
「ッ!?」
「ねぇ、私のこと、嫌いなの?私と出会ったことも、私とお話したことも、私と遊んだことも、全部、全部嫌なことだって言うの?」
「そ、それは……。」
「現実には嫌なことしかないなんて嘘。いいことも、あるの。嫌なことがあっても、いいことが打ち消して――ううん、落ち込んだ分それが倍になって気分を明るくしてくれる。幸せだけじゃ、駄目なの。辛いことも、幸せなことも、両方あるからこそ“生きている”ことになるの。……ここから、出よう?」
優衣は涙で滲んでしまった視界越しに、悟を見た。涙でぼやけていても、彼の輪郭ははっきりと分かる。そして、彼のために、こう言った。
「好きだよ……悟君。」

「先生!大変です!患者が――患者さんが!」
「……どうした。」
「患者さんが……全員意識が回復しました!!!」
「なんと……信じられん。これは本当に現実なのか?」
「私もそう思って、点滴を自分に打ってみたのですが――嬉しいことに、現実だったようです。」
「ああ、ああ、なんと素晴らしきかな、この世界は!」
「先生!患者さんの様子を見に行きましょう!今すぐに!」
「行こうじゃないか、奇跡を見るために!」

優衣は、自分が輪郭のある白い部屋にいることに気がついた。天井も、床も、すべて白一色に染まったここに、病室に、優衣はいるのだ。
「優衣……!」
ふと横を見れば、両親が目を大きく見開いているのが見えた。目から、涙がこぼれるのも気にせず、両親は何度も優衣の名を呼び続けた。
「どうだね、体調は。」
そこへ、医師と思わしき一人の老人が病室に入ってきた。あまり髭を伸ばしていない医師は、顔のしわも薄く、とても若く見える。
「おかげさまで……先生、ありがとうございます!」
「礼なら、彼女自身にしてやってくれ。私たちはできることをやった。彼女はそれに答えてくれた。ただそれだけのことだ。」
そう言うと、医師は隣のベッドをチラッと見た。隣のベッドにも、中学生ぐらいだろうか、男の子が眠っている。彼の右手には鉛筆が握られ、その先にはキャンパスが立てかけてある。そのキャンパスには町と、人の絵が描かれていたが、全て黒く塗りつぶされていて、美しかったであろうその絵は役目を終えていた。
「大丈夫かね、少年。」
医師がそう尋ねると、少年は医師の方に顔を向けた。その顔に見覚えがあって、優衣は思わず声が出そうになる。少年は、――悟であった。
「はい。なんだか……長い夢を見ていた気がします。」
「君はもうここで、何年も。何年も眠っていたのだよ。何年も、絵を描き続けて。」
「そう……ですか……。」
悟は驚いた顔をして医師の顔を見たが、視界の端に映った優衣の顔を見て、さらに驚きの声をあげた。
「優衣……優衣じゃないか!」
「悟君!」
二人はしばらく見つめあっていたが、やがて悟のほうがクスクスと笑いながら、こう言った。
「そうだね、――あれは、夢だったんだね。」
悟の一言を聞いて、優衣はクスリと笑って、こう答えた。
「そうだよ、全部、夢だったんだよ。」




end

えー、今回はですね、今描いている小説の設定についてだらだらとゆるーい感じで語っていこうと思います。まだ本編も始まっていない上、おそらくほかのサイトに移転するとは思いますが、軽く書いていこうかな、と。


まず主人公のソラ・タカザキ君ですが、正直あんまよく考えてないです。さすがにサブキャラよりは考えてますけど、ほとんど蚊帳の外です、ストーリーより優先度低いです。そんな彼、ソラ君は冷静、というかあまり喋らないタイプの人です。周りの人にとっては。本編でも序章の「攻撃」まで一言も喋ってませんしね。でも、その分心の中は結構喋ってます。俺と真逆ですね、ハイ。それでいて、弟が好きです。ブラコンじゃないです。純粋に家族として愛しているいい子です。後、容姿については決めていません。それはほかのキャラクターもだいたい同じです。ただし艦長を除く。これ以上書くことないんで、彼の解説終わり。


次に弟のリュウ・タカザキ君。名前は当時あんまよく考えていないせいでこんな名前です。鳥とか翼へのこだわりは序章からスタートです。んで、リュウ君は、ひ弱といいますか病弱で、肌白いです。外出れません。でも、頭脳に関して言えば並外れています。兄貴とは大違いです。もちろん、兄も頭は軍隊は入れるぐらいに良いわけですが、リュウ君が頭一つ抜けてます。一言でいえば天才です。生きていれば、将来は世界を揺るがす大発見をしていた可能性が高いです。生きていれば。


とりあえずキャラの解説終わり。次世界観。


この小説の世界ですが、年代的には今から100~200年後ぐらいです。食料問題とか燃料問題、原料問題は解決してます。じゃなきゃストーリーが進みませんから。んで、地球保護軍と呼ばれる国連軍の進化形みたいのがいます。この地球保護軍はどこの国にも属さない独立軍です。主に内戦の鎮圧、さまざまな研究を行っています。ソラ君の愛機アルバトロスも、もちろん軍の開発です。ただこの地球保護軍、力を持ちすぎたため事実上の世界の支配者になってます。黒幕です。悪役です。ゲス野郎です。だからこいつらを倒すのが今回の目的です。彼らが作った人道的にアレな兵器たちをなんとかするのも目的です。


人類抵抗軍ですが、彼らは元々はただのビラ配り集団でした。しかし、本編にあったような経緯で、最終的には一つの国を造るまでに至りました。基本的には軍人たちは地球保護軍に反旗を翻した軍人たちです。けっこー強いです。国民たちも人類抵抗軍に共感してついてきた人がメインです。


以上で世界観とか終わりだと思います。最後に兵器たちその他。


まずメイン機のアルバトロスちゃんです。この戦闘機は全体的に白を基調としてところどころ水色やら黄緑色やらが入ってます。ボディはざっくり言えば中心に食べ物が詰まった食道みたいな感じです。食べ物が詰まったところにつららが二つくっついてます。原画もあったはずですが多分なくしました。すまない。あ、あった。記憶と形違う。まあ、記憶の方が正しいんです。第一原画なので仕方ないです。キャノピーはR-TYPEっていうゲームの自機のキャノピーパクリました。だいたいそんな感じです。設定としては、アルバトロスは本編にもあったようにボディをパージすることによってダメージをパーにすることができます。しかも新しいボディを送れば戦闘続行可能です。アンパンマンみたいですね。その分重要な機器類はヘッドのキャノピーに密集してます。それでもあんまり大したもの入っていないうえ、世界は今より確実に進化しているのでだいぶ安いです。キャノピーが一億、ボディは1000万ぐらいでしょうか。あの世界でも戦闘機は十億弱するのでかなり破格の価格ですね。攻撃方法はつららの先から出るレーザーだけです。弾薬とかはボディをパージするときに爆発してキャノピーごと塵になるのを防ぐため入っていません。せっかくのパイロットが消滅しちゃうでしょ。レーザーはボディの膨らみ部分にあるレーザー照射装置から照射され、つららの中で何回も反射してエネルギーが溜まっていき、つららの先を開けることで敵へと向かっていきます。車のライトに近い感じです。ただ、ある程度チャージするとレーザーのエネルギーが高まり、高温になります。そのためある程度エネルギーが高まると自動的にレーザー照射が終わります。発射するまでレーザー照射はできません。しかし高温なので安物のボディは融けちゃいます。だから本編でレーザーを撃った後ボディをパージしたんです。多分あれ以上チャージしたら、キャノピーごと融けちゃいますね。で、そのレーザーのための電力はどこから来るのかといいますと、以外にも風力です。ボディの前方に空気を取り込むところがあって、風を取り込むと中の発電機が回って発電します。クリーンエネルギーです。そしてその風は方向転換にも使います。風の出口は後方にあって、そこの出口を片方塞いで方向転換します。クリーンですね。エンジンは普通に燃料使いますが。後はつららの部分は普段は前方を向いていますが、後ろに向けることができます。後ろの敵も倒せます。そしてボディ自体も回転します。キャノピーの中は回りませんが、それ以外の部分はグルグル回すことができるので回避に使えます。基本的にボディは縦の状態で、正面から見ると魚みたいに薄っぺらいです。しかし回転させることで今の戦闘機のような状態にできます。収納時、横だと艦載可能な数が減ってしまうという理由から、ハンガーをかけるみたいな感じで戦艦に乗ってます。ボディたちもそんな感じで乗っていて、その風景はさながらクローゼットに並べられたスーツみたいです。しかし、被弾してもまたボディをつけて戦えるというのは、パイロットを殺さずにすむ素晴らしい機能であると同時に、裏を返せばパイロットを再利用できるということです。さすが地球保護軍。ゲスいですね。



長くなってしまいましたが、以上で軽くゆるーい解説を終わりにします。本編とテンション大分と違いますが、それは御愛嬌ということで。


この翼は、囚われている。

争いという鎖に、強く繋がれている。

その鎖から解き放つには、この争いを終わらせるか、それとも……。


「こちら地球保護軍所属、形式番号MW-1 アルバトロス。着艦許可を願う。」

「了解。ただししばしそこで待機せよ。こちらから人を送る。」

ふと気がつけば、俺の目の前には巨大な戦艦・・・いや、空母があった。

この空母は軍のデータによると、「AS-7 ゼータ」というらしい。

遠くからでは戦艦と見間違えるほどの巨大な主砲、そして隠密性に優れるスカイブルーのボディ。この船は人類抵抗軍の旗艦とあって、軍のシミュレーションでは大型艦のシミュレーションに使われている。シミュレーションで何度も落とした相手だが、実物を見ると、その巨大さに主砲が加わって威圧感を常に放っている。

「おいそこの鳥さん。こちらゼータから派遣されたLH-9 ホークアイだ。貴機の武装解除を確認しに来た。」

「こちらアルバトロス。武装はすでに解除している。早くゼータに入れてもらいたい。」

「よーし、こっちからも武装解除が確認できた。もう着艦していいぞ。おーい、司令部!着艦用ハッチを開けてやれ!久々のお客さんだぞー!」

「了解、アルバトロス、貴機の着艦を許可する、貴機から見て右側のハッチを開ける。着艦せよ。」


着艦し、エンジンを切る。そしてコックピットから降りると、すぐに銃を持った連中が俺を取り囲んだ。敵軍から来たんだから当然と言えば当然の対応だが、さっきお客さんと言われた身にしてみればなんだか納得がいかない。

すると奥のドアが開き、人が出てきた。

「全員、銃をかまえるのをやめ。やあ、ソラ・タカザキ。あんたのことはもう調べてあるよ、とりあえずこっちへ来な。」

「あ、はい・・・。」

そういうと彼はすぐドアの向こうへ戻ってしまった。仕方がないので急いでドアへ向かう。

しかし、何故彼は俺の名前を知っていたのだろうか。まさか、俺の乗っていた船にスパイでもいたのだろうか?それはない。じゃあ、いったいどうして・・・?

そう考えながら歩いていると、思いっきりドアに頭をぶつけた。どうやらここの船はオートドアじゃないみたいだ。


「おう、こっちだ。」

そう言われ彼が指さした先には、一つの部屋があった。ドアには「艦長室」の札が付いている。

「ちょっと歴史のお勉強の時間だ。少し長いが我慢して聞けよ?」

「あの・・・あなたはいったい」

そういうと俺の話も聞かず彼は通路の奥へと消えていった。

仕方がないので、コンコンとドアをノックし、艦長室に入る。

「失礼します・・・。」

そこには黒いゆったりとした椅子に座った30代ぐらいの男性がいた。

「おお、君がソラ・タカザキ君か。君の情報は既に収集済みだ。経歴、性格、戦果・・・。ありとあらゆることについてな。」

そう言いながら立ち上がった彼は、強い眼光を放つ瞳をゆっくりとこちらに向ける。

「あなたが艦長ですか?」

「ああ、いかにも。私はオ・ストリッチだ。」

正直、彼のような威圧感を放つ人間は苦手だ。どう話せばいいかわからない。

「ところで・・・その、・・・先ほど通信で言っていた・・・徴兵、人体実験、軍・・・。いったい何のことでしょうか?」

「よし、それじゃちょっと話をしよう。あれは20年ほど前だったかね。当時、軍の兵器開発研究部は地球上の生物を研究し尽くし、飽和状態に陥っていた・・・。しかし、彼らは気がついてしまった。たった一種、一種類だけ研究していない禁断の生物がいた事に・・・。」

「・・・禁断の生物?」

「そう。それは・・・人。人間だった。彼らは徴兵という名目で実験体を集め、様々な方法で人間を研究していった。そして、人体を利用した兵器の開発を進め、通称“デッドウェポンズ”を生み出してしまったのだ。」

デッドウェポンズ。昔街頭演説でその名を聞いたことがある。人が多すぎてよく聞き取れなかったが・・・。人間の肉体をそのまま兵器に転用するとかなんとか言っていた気がするが、あれは本当の話だったのか・・・。

「その事に気付いた私達は、人類抵抗団を作り、民衆に訴えた。しかし、明確な証拠に欠け、どうしても民衆の信頼を得ることはできなかった・・・。だが、その状況も、“彼”が私達の元に現れたことで一変した。」

「“彼”とは・・・?いったい誰の事なんです?」

「残念だが、それは教えられない。この軍に今も在籍こそしているが、それが誰かまでは本人と一部の人間しかいない。おっと、話がそれたな。“彼”が持ってきた情報は、民衆に衝撃を与えた。徴兵、そして名誉の事故死の真実。名誉の事故死とは、つまりは実験体になって殺されたということだったのだ。」

「え・・・、じゃあ・・・俺の弟は・・・?」

「・・・。そういうことになる。」

嘘だ。ありえない。あいつが、あいつがそんなあっさり殺されるなんて!確かにあいつは体は弱かったが、誰よりも秀才だった。誰にも尊敬される人間だった。そんなあいつが、たかが軍の実験ごときで!

「なんで!なんでだよ!なんで殺されなきゃいけなかったんだよ!?あいつが!リュウが!」

「黙らんかッ!」

「なんで・・・なんでなんだよ・・・ッ!」

「まあいい、実の家族を奪われたんだ。そうなっても仕方がない。だが・・・憎しみだけならその身を滅ぼす。冷静に、奴らの事を知らなくてはならない。」

「・・・。」

「話を続けるぞ。その話を聞いた民衆は激怒した。それも、とても強く!民衆は私達に協力を申し出た。武装、食糧、情報・・・。ありとあらゆる物を民衆たちは提供してくれた・・・。そして、私達は人類抵抗軍を結成するに至ったのだ。」

「そう・・・ですか・・・。」

「話は以上だ。では、この艦の中の地図を渡す。お前の部屋はエリアBの2-5室だ。まずはそこへ行ってゆっくりするんだな。」

そう言い終わると、艦長は部屋を出ていった。

何故。何故弟は人体実験に使われたんだ?運が悪かった?違う。あいつは・・・頭が良かった。それも、ずば抜けて。もしかしたら、本当にただ徴兵されただけで、今は研究員として働いているのかもしれない。表向きは死んだ事にして、まだ狭い研究室の中で働いているんだ。ああ、きっとそうだ。そうに違いない。

だが、現実はあまりにも重かった。

ああ、空は青く美しい。どこまでも澄みわたり、太陽から降り注ぐ光は明るく大地を照らす。白い翼は、俺というブレインを乗せ、どこまでも飛んでいく……。


「こちらアルバトロス。索敵に移る。」

とはいえ、索敵をするもなにも、目の前には巨大な戦艦が多数浮遊している。そしてそこからは多くの戦闘機が飛び立っていく。その数、およそ2万といったところであろうか。

対して、軍艦側に飛ぶ戦闘機は、アルバトロスただ一つだ。他の戦闘機は今全て地上の基地で修理を受けている。軍艦もたった一隻だけだ。正直、無駄な犠牲を払うよりかは、さっさと降伏した方がいい印象さえ受ける。


「こちらWorld。アルバトロス、念のため言っておくが、降伏は許可できない。生き残りたいのなら全て沈めろ。それだけの力をアルバトロスは持っている。」

「……分かりました。ボディをしっかりと用意していて下さい。この数では無被弾はほぼ不可能です。」

「了解した。今この船にある全てのボディを発進体勢にしておく。ボディを破棄次第、ボディを送る。」

これでボディの心配はいらないだろう。しかし、まずはあの戦艦たちを沈めなければならない。戦艦は、1.2.3.4.5...7隻のようだ。レーザー増幅装置の出力をフルパワーにし、来るべき時に備える。


話によれば、アルバトロスのレーザーの最大出力は核に匹敵するらしい。戦艦を沈めることなど、朝飯前だろう。

そうこう考えているうちに、レーザーの最大出力に到達した。俺は戦艦と戦闘機が一番密集している所に機首を向け、狙いを定める。そして……


アルバトロスによって圧縮されたレーザーはボディを熔かしてしまうほどの強力な熱を放ち、戦艦の元へ飛んでいく。その力は空気を裂き、獲物を狙う狼のように一直線に飛んでいく。そして戦艦の元に到達すると、戦艦は当たった所かo音もなく消し飛び、最終的には旗艦と思われる一隻とわずかな飛行機が残っていただけであった。


「よし、上出来だ!こちらWorld、これよりボディを送る。残りわずかとはいえ連中も強敵だ、気をつけろよ。」

「了解しました。一応食堂のおばさんに頼んで焼き鳥を作ってもらっておいて下さい。」

「わかったわかった。ちゃんと食堂のおばさんには頼んでおくから、その分きっちり戦火をあげて帰ってくるように。」

安心して通信回線を切ると、新しいボディが送られてきた。残ったコックピットとボディは、まるで元からそうだったかのように一つにくっつき、新たな翼となった。


そのとき、突然通信が入ってきた。

「こち・・・抵抗軍・・・戦闘機・・・貴様・・・保護軍に・・・本当に良いのか?」

「この周波数は……人類抵抗軍!いったい俺に何の用だ!」

「お前・・・周りで・・・徴兵・・・いるか・・・それは・・・軍・・・人体実験・・・」

「何を言っている?徴兵だとか人体実験だとか、いったいどういう意味だ!?」

「知りたければ・・・我々の・・・来い・・・全てを・・・そう・・・さあ・・・来い・・・」

「アルバトロス!それは罠だ!そんな誘いに乗るんじゃない!」

徴兵……人体実験……軍……ああ、それは本当だったのだろうか。俺には分からない。ただ一つ、たった一つだけ言えるのは……俺は地球保護軍にいるべきではない。彼ら……人類抵抗軍に付くべきだと。


エンジンの出力を高め、俺は、彼らの旗艦へと羽ばたいていった。


あれから、もう10年は経っただろうか。気がつけば、俺は大人になっていた。

両親は今もあの家に暮らしている。あいつ―――リュウのいたあの家に。

手紙には「名誉の事故死」と書かれていたが、そもそも事故死に名誉なんてあるのかは分からない。地球保護軍の連中は、極悪非道な実験をしているだとか、実は徴兵された人のうち三分の一ぐらいは脳味噌だけになって実験されているだとか、根も葉もないうわさ話が飛び交っている。もしかしたらあいつもそういった徴兵の一人なのかもしれない。


そして俺は、その忌まわしき地球保護軍に所属している。俺達からリュウを奪ったあの軍に。

今は、軍の開発した最新鋭の軍艦「World」の中で、試作機のMW-1 アルバトロスのテストパイロットをしている。このアルバトロスという機体は、それまで戦闘機の宿命であった「被弾をした場合、ほぼ間違いなくその機体はパイロットも含め使い物にならなくなる」という欠点を低コストのボディを被弾の度に破棄、新しいボディを補給する事によって解決したのだという。そして、テストをしていてまず驚かされたのが、レーザー発射装置が前後に回転するという事だ。これにより、前後の敵に対応する事ができ、ドッグファイトで後ろを取られたとしても大丈夫であるらしい。


今日はテストもないようで、軍艦の中はとても和やかなムードに包まれている。俺はこういった日には愛機のアルバトロスのボディを清掃している。所詮使い捨てのボディに清掃など無駄だ、そんなことを言われたら何も言い返せない。それでも、なんとなく常に綺麗にしておきたかった。アルバトロスの優雅な翼を穢さないために。


その時、突然サイレンが響いた。どうやら最近軍に盾つく「人類抵抗軍」の艦隊がこの軍艦を落とすためにやってきたらしい。緊急発進せよ、とのことで、俺はアルバトロスに乗り込む。コックピットの中に入り、エンジンを始動させる。そして同時にレーザー増幅装置のスイッチを入れ、アルバトロスがいつでも攻撃できるようにレーザー口の安全装置を解除する。これで準備は万全だ。

アルバトロス特有の高いエンジン音が響き、機体を留めていた拘束装置が外れる。俺は加速レバーを押しこみ、軍艦の発進許可を確認して、軍艦から空へと飛び出す。


俺は今、この広い空で自由に羽ばたく鳥になった。空は青く美しい。その青に向かって、俺は突き進む。この、アルバトロスの翼を借りて。