トイレは病室を出た隣にありました。
私は陣痛をこらえてトイレへ行き、便座に腰掛けたのですが・・・
尿が出ない!?
激しい陣痛と、尿意があるのに出ないおかしな感覚で動けない!!
排便したくなる人もいれば、尿意を感じる人もいるなんて知らなかった!
病室に戻らなきゃ!
でも動けない!!
パニクっていた私は、トイレ内の呼び出しボタンがどこにあるのか見つけられませんでした。
先にトイレに来たのはまずかったかも!
ナースコールすればよかった!
どうしよう!?
その時、看護師さんらしき足音と、私のいた病室のドアをノックする音が聴こえました。
ちょうど次のNSTに来る頃だったんです。
助かった!
トイレにいるの気づいて!
「ほのさん?」
看護師さんがトイレのドアをノックしました。
ああ、よかったぁ!
「はいっ・・・!」
「かなり痛い?間隔は短い?」
「はい、かなり・・・痛ぁぁぁい!!!」
「子宮口を診ますから、病室に戻ってください」
私はすごく必死な思いで病室に戻りました。
子宮口を診た看護師さんは・・・
「赤ちゃんの頭が、すぐそこまで降りてきてます!
もう生まれます!」
ええっ!!
じゃあ、あれは尿意じゃなくて、赤ちゃんの頭が降りてきた感覚だったのね!!
「ご主人に連絡して下さい。
あ、先に分娩室に行ってからにしましょう。
もう生まれますから、ご主人は出産には間に合いません」
家から病院まで車で約10分。
なのに、間に合わない!?
そんな切羽詰まった状況なの!?
分娩まで時間がかかると思っていたのに、1時間で子宮口が2cmから全開大になるなんて!
もう生まれる寸前だなんて!
心の準備ができていないまま、いきまないよう呼吸を小刻みにハッハッハッとしながら、分娩室へと歩いていきました。