(いかけ松の話)
昔、鉄ナベなどの穴を直してくれる人を〝いかけ屋〟と呼んだのですネ。
父親がいかけ屋さんだったので、親の願いは、男の子を、
ある呉服屋にほうこうに出して、将来は、大きな店をやらせようとの希望だったのです。
すると、
奉公先からの連絡で、[松吉ドンはあまりにも頭がよくて、こちらでは使えない]と、
断ってきたのです。父親は、しかたがないから、とりあえずは〝いかけ屋〟でも
やるか。で仕事の仕方をおしえたのです。
?頭が良くてとは?
番頭さんが心配したのは? 松吉に、商品の見本を持たせて、ある侍の家に行かせたら。
暗くなり店をしめてから帰ってきたので、
どうしてこんなに遅くなったのか番頭さんが尋ねたら、
「帰る途中で、ドロボウに襲われたので、今持ってる物は
見本だけで。夜になったら、50両持ってお使いに出るから。それを襲った方が得するヨ」とウソを言い、腹減ってるから。と、寿司やさんに寄って、ドロボウに寿司を
おごらせた。と言うから。これがうまくいけば大物になるけど、
もしかしたら〝ノレン〟にキズのつくような事をしでかすもわからないから、
早いうちに親元へ帰した方がいいのでは?という事になったそうなんです。
使う方もほどほどの子が良かったのですネ。