28日
(タナケシとの戦い)その2
エゾの福島あたりに倭人、まあ侍ですけど。が姿を現すようになったので。
日高の酋長タナケシが、
[このままでは、あいつらに我らの土地を自由にされてしまうではないか?]で、
「せたな」まで来ていた侍たちと、アイヌ人たちが戦うことになったのですね。
アイヌ人たちは毒矢を使って、ゲリラ作戦がとてもたくみなために、せたなでの戦いは、侍たちの敗戦でした。で、仕方なく引き上げて来たのですね。ところが、
熊石まで来ると、アイヌ人たちが、先に来ていて。また戦いとなったのですけど。
とてもかなう相手ではなくて。渚にある岩に集まって。切腹しようとしてたら。

一天にわかにかき曇り空から黒い幕のような雲が降りて来て、岩も侍たちもスッポリと
包んでしまったので。信仰のふかいアイヌ人たちですから、
[神が怒った]と、
波が引くように引き上げてしまったのですね。で、侍たちは一命をとりとめたのですね。で、その岩を「雲石岩=うんせきいわ」と呼び。
今でも祠=ほこらをまつってて。役場所在地を〝雲石町〟と、八雲へ越える峠を
「雲石峠」としたのですね。