(春の山)
日ごとに育つかのように大きく見える春の山なのですね。
:てのひらを雪の流るる春の山    原 裕
○春の土用(どよう)4月17日
土用を検索してゴラン。
うなぎを食べるのだけが土用では無いのですよ。
:ほろほろと朝雨こぼすどようかな    子規」
○連翹=れんぎょう(春、葉に先立って黄色で四弁の花を開く落葉低木。
春の花畑を飾る花のひとつですね。
:連翹の垣と教へし曲がり角    こころ
○華まん草
(けまんそうで、観賞用栽培されて副題には「華鬘牡丹=けまんぼたん」
「瓔珞牡丹=ようらくぼたん」「藤牡丹=ふじぼたん」「鯛釣草=たいつりそう」
「黄華鬘=きけまん」「紫華鬘=むらさきけん」などがあります。
花が提灯を並べたように房状に垂れて咲く)
:乳飲み子も母も眠たし華まん草    元信
○つみ草
(春の野に出て草(花)を摘むこと。)
:摘み草や友呼ぶ声の弾みをり    果穂
○蓬=よもぎ
キク科ヨモギ属の多年草。山野に生え、高さ約1メートル。よく分枝し、特有の匂いが
ある。羽状に切れ込みのある葉が互生し、裏面に白い毛が密生。夏から秋、淡褐色の小花を多数つける。若葉を摘み、草餅=くさもちなどを作り、餅草=もちぐさともよぶ。
漢方では艾葉=がいようといい。止血などに用い、葉の裏の毛をもぐさにする。
ヨモギ属にはカワラヨモギ・オトコヨモギ・ヤマヨモギなども含まれる。《季 春》
:よもぎ萌(も)えおほばこの葉も遅速なく    汀女
:老夫婦目で語りつつ蓬摘む    まさひろ
:蓬餅女どうしの昼下がり    陽子
○白詰草=しロツメクサ
「うまごやし」俗称で、「クローバ」=詰草
昔ギャマン=ガラスを運ぶのに破壊予防に詰めたから。)
:車座は草の香の中うまごやし    風花
:うまごやしフォワードどっと倒れ込み    元信
○都忘れ=みやこわすれ
ミヤマヨメナの栽培品種。
:人恋し都忘れが庭に咲き    高橋 淡路女
○cineraria=しねらりや
しねらりやの名がもとで、病室への見舞いの花としては嫌われたので「さいねりや」と」呼ばれるようになったのですね。
(フキに似る。冬から春に、紅・紫・白などの花を多数つける。カナリア諸島の原産。
観賞用に温室で栽培される。蕗菊(ふきぎく)。蕗桜(ふきざくら)。サイネリア。
《季 春》死ねが嫌われてさいねりや。と呼ばれるようになった)
:サイネリア待つといふこときらきらす    鎌倉 佐弓
○三亜=みつまた(ふつう「三椏」「三叉」と書く)
:みつまたの花雪片の飛べる中    青邨」
:三椏(みつまた)や皆首垂れて花盛り    前田 普羅
○春の雨、こぬか雨
:前庭の芽吹く草木にこぬか雨    多津男(函館艀俳句会指導者)
:春の雨降りこめられて謡かな    高浜 虚子
○雪柳
庭に植える落葉低木。春、細い枝を出し、米粒ほどの白い五弁の花を、
雪のようにつける。コゴメバナ。コゴメザクラ。こごめ柳。〔バラ科〕)
:さも白く咲きそろいてや雪柳    ゆうや
:雪柳そよりと揺れて白の舞ふ    芹菜
春の庭木に雪が降ったようで、驚かされる花ですよ。
○春の日影
:杉林春の日陰をつくりけり    大場 白水郎
○盆梅(梅の盆栽のこと。広義には、盆栽に限らず、鉢植えの梅のことは全部盆梅。)
:盆梅のしだれし枝の数えられ    たかし
:盆梅の枝振りを見て由来見て    うろり  
○暖かい
([形]あたたか・し[ク]《形容動詞「あたたか」の形容詞化》
(暖かい)寒すぎもせず、暑すぎもせず、程よい気温である。
あったかい。「あたたかい部屋」「あたたかい地方」《季 春》

[類語]あたたか・あったか・温暖・温和・ほかほか・ほやほや・温(ぬる)い・ぬくい/
優しい・情け深い・手厚い・細やか・懇(ねんご)ろ・親切・懇篤(こんとく)・温厚)
:百才の母に叱られ暖かし    斉藤ハル
:あたたかきドアの出入となりにけり    万太郎
○黄水仙(水仙は冬の季語なので春の季語とするには水仙の頭に花の色などをつけることが必要=草花などは咲いたときが句の題材)
:うつむきて雨に耐へをり黄水仙    和華
:母想う雨ひそやかに黄水仙    和華
水仙は、日本水仙と水仙の二種類がある。
○花種まき(花の種全部)
:狭き庭花種多く路地に蒔き    鼓風
○長閑=のどか・麗らか=うらら・のどけし
:几巾(いか)白しのどか過ぎての夕ぐもり    太祇
:うらゝかに蹴りたる鞠の高さかな    大場 白水郎