《ありました》
ある公の人が、
[あそこの 家の、葬儀に手伝ったら、過去帳に
福田繁次郎の名前があった]と、
そうなると、
厚沢部の人だもの、部落中が盛り上がるほどの騒ぎになってしまいました。その福田の家が営業のために、函館へ引っ越してしまいました。だからこそ、その公の人に、
[ほんとに、繁次郎の名前があったがね?]と、
あの人も、この人も皆口を揃えて尋ねるので。その公の人は、
[知らない]と、
答えるようになり、ひとまんず、騒ぎはおさまったのですね。へばや、繁次郎の手がかりはなくなってしまったのですかねぇ?。
公の人のこの答え方からして、〝あった〟なのですね。無いのならば
〝無かった〟でしょう。
◎言葉の説明。
○公の人とは、
開道百年までは、町や村の役場所在地に、
事務所と住宅がくっついた形で、法務局があったのですよ。
そこに務めてた人ですよ。