◎冬空(冬の空。寒々とした冬の空模様。)
:あはせたる手にふゆぞらのひかりおつ 万太郎
:冬空を思いつつ書展を見る力 妙香
:冬空を蹴って少女の逆上がり 百合
◎冬晴れ
:冬晴れや音立てて切る花は赤 文月
:白杖の音も弾むや冬の晴れ 俊郎
◎冬うらら
:冬うらら馬柵に寄る来る栗毛馬 ねこ
:冬うらら巣鴨地蔵に老い集ひ 邦夫
:伏す母の思い出話冬うらら 舞風
◎冬天
:はしご段のぼり冬天に手を伸ばす 紫樹
◎冬時雨
:青梅路や破風に時雨るる酒造小屋 青志
:時雨るるや訪ふ人もなき冬の黙 みよき
:村しぐれ日露の兵の忠魂碑 今日子
◎冬の霧
:大仏は猫背におはす冬霞 大橋 越央子
:一幅の絵となる朝や冬霞 良坊
:噴煙を鵜呑みにしたり冬の霧 好夫
◎冬の雷
:冬の雷まばたきもせぬ母の牛 たかし
:欠礼のはがき幾葉冬の雷 すずかぜ
:冬の雷にわかに闇のさわがしき ひろ美
◎冬夕焼け
:白菜の尻の白さや暮れ残る 太井
:島影をくっきり冬の夕焼けかな ななえ
:清貧の亡父の生き様冬夕焼 句童
◎冬茜=ふゆあかね
:故里も夕餉の頃や冬茜 明人
:遠嶺の日のうつろひて冬あかね 春生
:手の届きさうな島影冬茜 ななえ