【夜長の千一夜、9】
(三枚のお札 1)
鬼婆と小僧。私が幼いころから聞かされてた、昔話。
山のふもとにある寺の小坊主さんが、和尚さんに
[仏様にお供えをする花を捕りに山へ行かせてください]と、
和尚さんだって、仏様のためにと言われれば「ダメッ」とは言われませんものね。
小坊主は山で嬉しさのあまり、道に迷ってしまって、あちらこちらと
歩き回ってる内に、夕暮れになってしまって、寂しいし、
どうすれば寺に戻れるのかとウロウロしたら、
遠くにチラリと灯りが見えたので!その灯りを目印に行って見たら
屋根も傾いたオンボロ家で、住み着いてるのは婆様。?タブン後に{鬼婆}に
なるからでしょう?
夜中に小坊主さんが、耳障りな音「ギシギシ」に、目を覚まして、
明るい隣の部屋を覗いたら、白髪をさんばらにみだして、口は耳まで避けた
鬼婆が、大きな刃物をといでる音だった。
小坊主は、素早く部屋から逃げ出そうとしたら、鬼婆が感ずいてしまって
[こぞうどごさいぐ?]と、
小坊主は
[ちょんずどごさ]と、
[それならば、逃げ出さないように、腰に縄をつけてからいげ]と、
小坊主は寺から出る時に、和尚さんがくれたお札を、腰の縄に結び付けて
[オイラの代わりに返答をしておくれ!]と、
お札にお願いをして、窓から逃げ出しました。
鬼婆は縄のはじっこを引いて
[こんじょう、エンコまんだだがあ?]と、
トイレからは
[エンコまんだだア]と、
鬼婆が縄を引いてみると、手ごたえがあるから!、安心してたのですけども、なん回聞いても
[エンコまんだだア]と、
に、フト不信を抱いて。グイット力を入れて縄を引いたら、ガタンと
音がして、金隠しが出て来たので
[こんじょうッコメ、逃げたナア]と、
鬼婆は追いかけました。その走るのの早い事。遠くに小坊主の姿が見えたら、なお早く走り、小坊主だって必死になって逃げてるのですけども、鬼婆の手が小坊主の背中に届きそうなので
小坊主は、和尚さんにもらった!お札だって三枚だから、一枚はトイレで、
二枚目は、トイレから出て「道を教えておくれ!」で、
あと一枚しかありません。
[大きな砂山になあれ]と、
小坊主は、ヤットコサ、寺にたどり着きました!。
門扉をドンドン叩いて、
[和尚さん!、助けてください。鬼婆に追いかけられてます]と、
和尚は、そばにあった箱に、小僧さんを入れて、天井からつるしました。
トタンに門扉をドンドン叩いて
[小坊主が来ただろう?、ここを開けろっ]と、
和尚は、?鬼婆だな?と、戸を開けました。
[小坊主を出せっ]と、
[小坊主など知らんなあ]と、
[ウソを言うでは無いぞっ、ここしか逃げる所はないのだぞォオ]と、
そこで、和尚は、
[お主は、不思議な力を持ってるそうじゃあないかね?]と、
[そんな事、あたりきだよ]と、
[それでは、あの世のみやげに見せてもらおうかな?!では、
まんず大きくなってもらおうう]と、
大きくなって、小坊主の隠れてる箱に届きそうだから、あわてて、
[オヤマアア驚いたたまげた、それでは、今度は小さくなってもらおおうかな
ドンドコドンと、壁板を叩いたら]と、
鬼婆は、その気になって、豆みたいに小さくなりました。その時、丁度焼いてた餅が
プウットふくらんだので、和尚は、豆のようになった鬼婆を、餅の膨らんだ所に入れて、パクリット食べてしまいましたとさ!!。
◎言葉の説明。
○ちょんずどご。=トイレ。漢字で書くと手水所で、
100年またはそれ以前には「思案所=静かな所から来てるようですヨ」、
などとも、神仏では「清浄の神」
○金隠し。
マンズ、昔のトイレは別棟で、外便所と呼ばれてました。俳句の秋の季語でもあります。小屋一軒がトイレなので、小屋の地面は、排泄物がドッサリで、
膝の高さあたりに床板があって、小屋のやや半分が汲み取り用に、なので、
板がはずれるように作られてて、残りの半分が排泄用の部屋なのです。
部屋の中央に、幅30~35センチ、長さ40~60センチくらいの穴が開いてて、
その穴にはまる大きさの枠が納まってて、しゃがんでたれるので、前方に、
高さ35~50センチくらいの板が立ってるのです。これを金隠しと。
その金隠しと壁板の間に、新聞紙とか雑誌などがあって。それをやぶいて
両手でクシャクシャともんで、お尻をふくのです。その金隠しの無いトイレもあって、人が転落して死亡した例もあるのです。私の知ってるのは、
目名で一件、鶉で一件。いとこかいの会員でも子どもの時に落ちた人が居りますよ。
※トイレットペーパの歴史。
①名刺の半分くらいの細長い板だった。
使用済みの板がたまったら!布の袋に入れて、小川などでうるかして、
棒でつついて汚れを落として再利用!
②わらを指二本か三本くらいの太さにまとめて、
板の大きさで推敲してちょうだい!。これの使用済みは、馬糞と一緒に
たい肥に。
痔病との関連性があったかどうかはわかりません?が、雑誌などの紙に
変わっていったのですネ。この頃には、トイレの壁にウンッコが
よくくっついてましたヨ。紙がやぶけて、指でぬぐいとってしまったから、
壁に指をこすって取った痕跡なのでしょう。この話をディサービスで
語ったら、乙部出身の女子職員が
[それで納得した]と、