名もなき野良犬の輪舞 | いつもと同じはずが無い ~ミー将軍と共に~

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ミー将軍てのは先代であります。猫ですが将軍でした。
天国に旅立ちましたが、今後も先代の魂とともに頑張りたいと思います。

ブログの内容は何を書くかとか決めません、ノープランでやってます。
ただ言えるのはこれが『とある猫が好きな将軍』の頭の中であります。

アンニョンハセヨ~、猫将軍でございます

 

書いたと思ってた話を書いてなかったこと、あるよね~

あのね、ワシが去年観たDVDで面白かったけど書いてなかったのがあるのよ

ナニかって、コレなのよ

『名もなき野良犬の輪舞』!2017年の韓国映画です

原題『불한당:나쁜 놈들의 세상(不汗党:悪い奴らの世界)』

※不汗党(プランダン)。悪党、無頼漢の集団みたいな意味です

 

内容はいわゆるヤクザ映画。コレ、韓国映画では外せないジャンルよ

 

 

簡単なあらすじ

犯罪組織のトップを狙う、誰も信用しない無慈悲な男ジェホ(ソル・ギョング)は服役中、

新たに刑務所に入ってきた怖いもの知らずの野心家ヒョンス(イム・シワン)と出合う
ある日、ジェホが他の囚人に命を狙われるもヒョンスに救われたのをきっかけに、

二人の間には深い絆が生まれ、兄弟のような間柄になる
二人は出所後、協力し犯罪組織を乗っ取ることを企てるが…

 

 

感想

やはり韓国ノワールのレベルは高い!

今回も暗く、残酷で、それでいて熱くて切ない最高の映画でした!

 

この映画、どのサイトやレビューであらすじの説明を読んでいても、

その情報はすぐにぶち壊されます!もちろん良い意味で!

 

所々で過去と現在を行ったり来たりするのですが、これが本当に上手いんだ!
過去のシーンが挿入される度に、

それまでのシーンが持つ意味合いが大きく変わるんで驚きと興奮の連続です!
結果を見せた後に伏線を見せるという感じなんですが、

後から伏線を見ることで、その前に観ていたシーンの持つ意味が変わるんですよ!

しかもこれだけ時系列がバラバラでも全然混乱することはありません

溜息が出る程の構成の上手さによって、映画の流れがスムーズで分かりやすいんです

 

そしてフィルムノワールとしての虚無感や切なさを残しつつも、

激しいアクションシーンなどが入っているのも良かったです
銃撃戦だけでなく、イムシワンの激しい乱闘シーンがまた熱いんだ!

 

何よりも、男達の熱い絆に胸が熱くなる映画なんです!
かの名作『新しき世界』に匹敵する位、熱~いヤクザの友情映画じゃないかな
でもヤクザなんだよなぁ…裏切りだらけのヤクザだから、この友情が切ないんだ…
もう終盤にはその切な過ぎる関係に、感動で目頭が熱くなりました!

 

ヒョンス役のイム・シワンはイケメンのアイドルなのにかなり弾けた演技でした

この映画だけで一気に好きな俳優になりましたよ(*´ω`*)

シーンごとに印象が全く違うように見えるのも凄いな~と感心させられます

 

しかし、一番の見どころはやはりソル・ギョング兄貴でしょう!
『オアシス』『ペパーミント・キャンディ』、新しいところでは『22年目の記憶』と、

異なる印象の役どころを完璧に演じる正真正銘のカメレオン俳優!
今作の非情でちょっとぶっ飛んだヤクザ・ジェホへのなり切りも凄まじかったなぁ

狂気染みた笑い方をするんだけど、それだけでジェホのヤバさが伝わりますw
そんなジェホは誰も信用しないヤクザなんだけど、どこか寂し気にも見えるんです

ジェホ、本当は誰かとお互いを信用したかったんじゃないかな…(´・ω・`)

それにしてもこの映画のソル・ギョング兄貴、渋い男の色気を妙に感じましたね

いやマジで観ていて「ソル・ギョングてこんなカッコ良かった!?」て思ったもん

 

で、個人的に好きなシーン→ジェホのネクタイを直してあげるヒョンス(〃ω〃)

なんかもう二人が親密過ぎて恋人レベルになってるんだよね

BL好きな人だったらきっと、二人の熱々ぶりに萌えちゃうわよw

 

でもラストは切なくて悲しい(;_:)…でもそれがヤクザの世界なんだわな

しかも映画冒頭でのなんでもないような会話が、

実はラストの方での展開の伏線になってたりします

コレに気付くと、「なるほどぉ~」てちょっと感動しますよ!

 

 

…てな訳で、

怖さや残酷さだけじゃない、切なさや感動を味わえる韓国ノワールの名作

『名もなき野良犬の輪舞』!
役者達を知らなくても、フィルムノワール好きでなくても、十分に楽しめる映画です

興味を持たれた方は是非どうぞ(・ω・)ノ

 

 

おしまい