甥、追い、老い | 寂しい夜と淋しい僕で 気がつけば世界は二人きり

寂しい夜と淋しい僕で 気がつけば世界は二人きり

想いは誰にも見えないから、このようにブログにしてみたのです。
ダメな僕を朝日とやらが映し出す時まで

甥が生まれたのは去年の冬。

その甥と初対面したのは一昨日の昼。

コロナ問題で先送りになっていた対面もついに実現した。

いや、コロナだけが要因ではないが、それは後で述べるとして。


姉の夫に連れられて、最寄り駅から姉自宅に向かった俺は、そう言えば姉の夫と対マンで話すのも初めてだと気づいた。

正直何を話したのか、よく覚えていない。

ただ、姉夫婦が今の家を手に入れられたのは本当に運が良かったと言っていたのははっきり覚えている。

それは、駅近で徒歩5分圏内にショッピングモールがあってなおかつ進学区域でいわゆる育ちがいい地域という好立地にあるマンションの高層階を安価で手に入れられたことが幸運だった、って言う意味での発言なんだろう。

けれど、俺からしたら、最愛の人に巡り合い、周囲からの支えも受けて、これ以上ない環境に身を置けることは今が一番なんじゃないかってくらい幸せで羨ましいことのように思えた。今でも思っている。




部屋に上がって右側の和室の部屋に、

そいつはいた。


プラスチック製のおもちゃを片手で床に叩きつけて遊んでいた。

初めて名前を呼んでみた。

どんな反応をするか?


そいつはこちらに振り向いてから、

暫くフリーズした。

どんな事を思っているのだろうか?

怪しいやつが、見慣れないやつが来たと思っているのか?

「ちょっとママと顔が似ているけど、男か?」

とでも思ったのだろうか。


俺と目があってから暫くは、時が止まったかのように固まって動かなくなってしまった。

そいつはまだ赤ん坊のくせに、きっと緊迫した空気が流れている事もちゃんと分かっているんだろう。

だから、その空気に耐え切れなくなった瞬間

そいつは大声で泣き始めた。

見慣れない人間が目の前に現れて笑顔で手を振って来られたら、大人だろうが誰だってそうなる笑


という事で、そいつによる俺の第一印象はきっと、『無』である。

伯父さんという関係であっても、要は全くの他人なのだ。




そんなこんなで大声で泣かれてしまった俺だが、

そこからの姉夫婦の対応は素早かった。

姉夫が甥を抱き上げてあやし、姉は「せっかくおじちゃんが来てくれたんだから泣かないの〜」なんて、どちらも何をやればいいのかを身体が記憶しているんだなってくらいに咄嗟に対応してくれた。


正直、惚れた。

結婚して子供ができてそれを育てるって、

想いを行動に移せる

って事なんだなって思った。




という事で、甥と対面してからは午後は一緒に遊ぶ事にした。

最初は怪しがられたけど、2回目からは全く警戒されなくなった。

甥のいる仕切りの中に入っても何一つ警戒されなかった。

背中をさすり、

ほっぺを撫でて、

おもちゃを近づけて、

ボイパ であやして、

写真であやして、

タオルであやして、

とにかくあらゆる事をやって遊んだ。

言葉も、柄でもなく赤ちゃん言葉を話した。

ちょっと恥ずかしいけど笑


ご飯も与えてみた。

これがちっとも食べないんだ

無理に口に入れても泣きじゃくるし泣

姉夫からもらったらスルスルと食べるけど、今日会ったばかりの伯父さんではまだダメだった笑




二日目には、ショッピングモールに一緒に買い物に行った。

甥のために何かプレゼントしたいと思っていたからだ。

色々と考えたけど、図鑑をプレゼントしてあげることにした。

リアルな図鑑じゃなく、イラストで描かれたやさしい図鑑にした。


今はまだ読むことはできないと思うけど、その内文字がわかるようになったら呼んでほしいな




最後は甥と姉夫に玄関まで見送ってもらい、姉には新幹線の改札まで見送ってもらった。

姉は、これから何かあればなんでも相談してくれと言ってくれた。


なんとなくだけど、今後姉には、ものすごく重大な相談をするような気がする。




そんなこんなで、日常に戻ってきたわけだけども、

姉のところに行って、とにかく感じたことは


甥とくらべて、俺は年寄りだってこと。

当たり前なんだけどね。


しかし、もう僕は若くない。

隠したいものも隠せなくなってきた。

無限に出来た射精も、今ではちっともだ。

駅までダッシュなんてしたら、足の膝の裏のあのふくらはぎにつながる筋がものすごく痛む。

寒い日に走ると、肺が凍てつくように唸りを上げて、炎症を起こしているのではないかと勘違いするほどである。

目の焦点が合わなくなると、爪切りに失敗して深爪してしまう。

肩こりが慢性化してきた。


もう勉強が進まない。

もったいない。




甥は今、人間になろうと必死で参加を繰り返している。

本当にすごい。

俺も、新しい未来に向けて羽ばたきたい。




羽ばたき方を忘れたのかい?

羽ならそこに生えてるだろう?

次の呼吸で迷いを抜けて

飛び立つ勇気が誰にもあるんだ




『レミオロメン/フェスタ』の一節である。

勇気を出して、一歩進もう。

あの日、憧れていた人物像を追いかけて。