組合員の減少に歯止めがかからない。
 西陣織は日本最大の伝統工芸の組合で、規模が大きいがゆえに総代制度を持つほどである。過去最大で2000社が所属していた。この地場産業はまったく広域ではない。京都市内の上京区あたりの狭い地域に織元が集中している。
 その織元の減少が昨今著しい。いよいよ300社を切ってきた。それでも他産地に比べ巨大ではあろう。
 さらなる問題は、あくまで登録がそれだけあるということである。廃業予備軍、理事長のいう「織屋のフリ屋」が多数存在している。
 実際に活発に活動している織元はどれだけあるのだろう。巷の噂話はだいたい60-100社のようだ。しかしその中にもすでに後継者をあきらめている経営者は少なくない。
 なぜ減るのか。食えないから、につきる。生活習慣の変化には抗えない。需要の分しか供給は存在し得ない。
 帯屋、着尺屋、ネクタイ屋、金欄屋などから、少しでも違う商材をと多くの織元が様々な取り組みをしているが、なかなか道はつかない。肩幅のような超小幅な織機で、素材はシルク。経済合理性よりも、いかに素晴らしい織物が織れるかどうかを競ってきた産地である。その蓄積を活かせる市場が見つからないのだ。
 高度な技術はあるが斜陽産業であることを心配し業界の外の人からは、広幅で合理化を、海外で売れるはず、シルク以外でやればいい、壁紙で成功してるところがあるから、バッグを作ればいい、きものをもっと安く売ればいい、と様々なアドバイスをいただくが、うんざりする。
 後継者がいないところ、大きな設備投資ができないところ、資金繰りが忙しいところ、ましてややめられないから続けているところすらある。
 減ったら需給バランスがあってよくなるかといえば、そうでもない。細分化された分業体制で食えない工程が出てきて業界全体の機能が停止するリスクがある。
 護送船団で全員が生き残るのは無理。単独で生き残ることも無理。依然として有効な策は見えない。