現在、日本にある養蚕農家は300軒。過去はピークで220万軒あり、生糸が輸出の50%以上を占めていた時期もあった。
日本の産業革命は富岡製糸場の蒸気機関がその始まりだが、富岡市にある養蚕農家はもはや12軒。残念ながら日本における労働集約的な産業は国際競争力がなく、日本に流通する生糸の99%は中国産である。
しかし、市場原理だからやむを得ないと一言では言えない。
日本の農業は市場主義ではなく、どちらかというと統制経済に近い。その中で養蚕農家は恣意的に切り捨てられているのではないかという疑念が残る。
シルクは中国で発見されたが、日本には早くから入っており、日本の代表的な繊維である。以前にこんな話を聞いた。四大文明と四大天然繊維は、エジプトが麻、メソポタミアが毛、インドが綿、となっている。となると、もはや日本のシルクは文化である。
昨今、民主主義と資本主義の限界について語られることが増えている。いつも針が振れすぎる資本主義に任せるのでなく、選挙民の少ない養蚕を切り捨てる政府に任せるのでなく、日本の農業はなんとかな らんものかと思う。日本から養蚕農家が一軒もなくなる前に。