十二月また来れり
なんぞこの冬の寒きや。
と、萩原朔太郎は詩集「氷島」の「乃木坂倶楽部」で都会外れの12月の寂寥感を表しました。
萩原朔太郎の詩集、私は高校の頃から好きで、いまも思いつくと読み返しています。
乃木坂はいまでは、都会中の都会といえますが、私の子どもの頃などは、あの坂のあたりは少し暗い影のような場所。赤坂と麻布の結界のような感じのところでした。坂を下れば徐々に赤坂の商店街、坂を登れば米軍関係者も行き来する「異世界」六本木に続く道でした。
(私が通った公立中学校は、その「乃木坂」あたり。だから朔太郎の「乃木坂倶楽部」をはじめて読んだ時には、「ああ、乃木坂の詩がある」と印象に残りました)
そんな子どもの時の感覚もあって、朔太郎の「乃木坂倶楽部」を読む度に、12月の、影のように忍び寄ってくる冬の寒さをイメージしてしまう私です。
ということで、今年も12月。COVID_19ウイルスが拡散し続けて、なかなか先が読めない年末を迎えます。こんなときだから、今年の流行語大賞は、なんか東京都知事に配慮したような「三密」ではなく(私的には「三密」よりも「断密」のようがよい)、「アマビエ」や「鬼滅」にして欲しかったのです。
☆写真は、今日、1時間ほど事務所を抜け出て(週に2~3日はこの近くの事務所でお手伝い)、散歩した、明治神宮の紅葉です。北参道・北池あたりです。2枚目のピンクの花が付いた茂みは、サザンカ(だと思います)の大きな株です。
明治神宮はいま、静かです。